Google広告の推奨予算 HolisticとGrowthの違い|増額提案の判断基準

Google広告の管理画面で「予算を増やせばコンバージョンがこれだけ増えます」という推奨予算の提案を見たことがある方は多いはずです。これまでの推奨予算はキャンペーンごとに「予算による制限」を解消する金額を示すものでしたが、現在はアカウント全体を見渡して追加予算の配り方まで提案する「推奨投資戦略(Recommended Investment Strategy)」という仕組みに広がっています。さらに英語版のGoogle広告ヘルプには、既存予算の再配分まで含めて提案するHolistic(ホリスティック)モードと、既存予算には手を付けずに上乗せだけを提案するGrowth(グロース)モードという二つの配分方式が記載されています。
同じ「推奨予算」の画面に見えても、Holisticは「どこかを減らしてどこかを増やす」提案であり、Growthは「純粋に広告費を足す」提案です。この違いを理解しないまま適用ボタンを押すと、社内で承認した増額のつもりが、実はブランド指名や新規顧客向けのキャンペーンから予算が抜かれていた、という事態が起こり得ます。増額すべきかどうかの前に、提案された増額の中身がどういう性質のものかを見極めることが重要です。
この記事は、予算額を事前に試算する方法ではなく、Google広告が出してくる推奨投資の提案を「再配分型か純増型か」で読み分け、採用・部分採用・見送りを判断するための実務ガイドです。仕様は2026年9月24日時点でGoogle広告ヘルプ(英語版)の公式ページで確認できた範囲に限って断定し、確認できなかった事項は未確認と明記しています。
この記事の要点
- 推奨投資戦略は、実績と伸びしろをもとに追加予算の配り方をアカウント単位で提案するGoogle広告の機能で、最適化案の「投資戦略」タブから開く
- Holisticは効率の低いキャンペーンから好調なキャンペーンへの再配分に追加予算を加える方式、Growthは既存予算を一切減らさず上乗せだけする方式
- 予測は通常7日間の予測にもとづくため、月次の着地や長い検討期間の商材には補正が必要
- 採用前に「減らされるキャンペーンの役割」「限界CPA」「計測の健全性」の三点を必ず確認する
- 日本語版ヘルプでのHolistic/Growthの記載と日本語UI上の名称は、2026年9月24日時点で未確認
Google広告の推奨予算はアカウント単位の投資提案に変わっている
Google広告の推奨予算は、2026年9月時点ではキャンペーン単体の増額案にとどまらず、アカウント全体で追加投資をどこに配るかを示す提案として扱うのが正確です。個々のキャンペーンに表示される「予算による制限」の解消額は今も残っていますが、その上位にある推奨投資戦略が、複数キャンペーンをまとめて比較し、配分案と予測成果を一画面で提示する役割を担っています。
従来のキャンペーン単位の推奨予算との違い
従来の推奨予算は、予算を使い切っているキャンペーンに対して「この金額まで上げれば表示機会を取りこぼさない」という目安を個別に示すものでした。判断の単位がキャンペーンなので、提案を積み上げるとアカウント全体でいくら増えるのか、どのキャンペーンを優先すべきかは運用者が自分で組み立てる必要がありました。
推奨投資戦略は、この組み立てをGoogle側が代行する仕組みです。追加で出せる金額か、増やしたい成果の量を入力すると、どのキャンペーンにどれだけ振り向けると予測成果が最大になるかをまとめて返します。便利になった反面、配分の理由が画面上では簡潔にしか示されないため、提案の前提を読み解く作業が運用者側に残る点は変わりません。
推奨投資戦略とは何か
推奨投資戦略とは、キャンペーンの過去の実績と成長余地を評価し、追加の予算をどのキャンペーンにどれだけ振り向けるべきかをアカウント単位で提案するGoogle広告の機能です。Google広告ヘルプの英語版ページ「About Recommended Investment Strategy」では、実績履歴と成長の可能性を評価したうえでパーソナライズされた提案を行う、と説明されています。日本語版ヘルプでは「推奨投資戦略」という名称で、[キャンペーン]メニューの[最適化案]から[投資戦略]タブを選んで開く手順が案内されています。
利用できる条件は、少なくとも1つのキャンペーンが予算で制限されているか、有利なCPAやROASのままコンバージョンを大きく増やせる余地があると判定された場合です。つまり、すべてのアカウントに常に表示されるものではなく、Googleが「もっと出せば伸びる」と判断したときに現れる提案だと理解しておくと、表示の有無に振り回されずに済みます。
入力する値と最適化する指標
画面では、1週間あたりの追加費用を入力する方法と、1週間あたりに増やしたい成果の量を入力する方法のどちらかで提案を組み立てます。最適化の軸はクリック数、コンバージョン数、コンバージョン値の三つから選び、選んだ指標を最大化する前提で配分案が計算されます。予算が日額ではなく週額で扱われる点は、日予算で社内稟議を回している企業ほど見落としやすいので注意してください。
表示された対象キャンペーンは既定ですべて選択された状態になっており、増額したくないキャンペーンは個別に選択を外せます。英語版ヘルプには、コンバージョンアクション、キャンペーンタイプ、地域で絞り込んでから一括で適用できると記載されています。事前に予算額そのものを試算したい場合は、次の記事で予算帯別の考え方を整理しています。
HolisticとGrowthの違いは既存予算を動かすかどうかにある
HolisticとGrowthの決定的な違いは、既存キャンペーンの予算を減らす提案を含むかどうかです。Holisticは効率の低いキャンペーンや予算を使い切れていないキャンペーンから予算を引き上げ、成果の高いキャンペーンへ回したうえで、入力した追加予算も配分します。Growthは既存キャンペーンの予算を一切減らさず、予算で頭打ちになっているキャンペーンに新しい予算を足すことだけを提案します。
Holisticモードは再配分と追加の合算
英語版ヘルプでは、Holisticは推奨(Recommended)と表示されるモードで、十分に活用されていないキャンペーンや効率の低いキャンペーンから、最も成果の高いキャンペーンへ既存予算を再配分し、あわせて追加の週予算も割り当てると説明されています。提案される増額のうち、どこまでが純増でどこからが付け替えなのかを分けて読まない限り、アカウント全体の広告費がいくら増えるのかは正しく把握できません。
再配分は、Googleの評価軸で「効率が低い」と判定されたキャンペーンから予算が動くという意味です。その評価は選択した最適化指標とアカウントに登録されたコンバージョンにもとづくため、事業上は重要でも計測上は効率が低く見えるキャンペーンが、削減対象に入る可能性があります。
Growthモードは既存配分を守った上乗せ
Growthは、既存キャンペーンの予算をまったく減らさずに、成果を伸ばせる予算制限中のキャンペーンへ新規予算を追加する方式です。現在の配分が事業の優先順位にもとづいて意図的に組まれているアカウントや、キャンペーンごとに予算の出どころ(部署や商材)が分かれている企業では、Growthのほうが社内の予算管理と衝突しにくいといえます。
その代わり、Growthは効率の悪いキャンペーンを放置したまま上乗せするため、アカウント全体の平均CPAは改善しにくくなります。二つのモードの性質を整理すると次のとおりです。
| 比較項目 | Holisticモード | Growthモード |
|---|---|---|
| 既存予算の扱い | 減額を含む再配分あり | 一切減らさない |
| 追加予算の扱い | 好調なキャンペーンへ配分 | 予算制限中のキャンペーンへ上乗せ |
| アカウント総額の増え方 | 入力した追加額(付け替え分は総額に影響しない) | 入力した追加額がそのまま純増 |
| 向いている状況 | 配分を見直す余地が大きい、キャンペーン数が多い | 配分に事業上の意図がある、予算の出どころが分かれている |
| 主なリスク | 計測に表れない役割のキャンペーンが削られる | 非効率なキャンペーンが温存される |
| 社内承認の論点 | 減額対象の妥当性 | 増額分の回収見込み |
どちらを選ぶべきかは、現在の配分がどれだけ意図を持って組まれているかで決まります。キャンペーン数が多く、過去の予算設定が惰性で残っているアカウントならHolisticで配分の歪みを洗い出す価値があります。一方、キャンペーンごとに役割と予算の出どころが明確なアカウントでは、Growthで純増分だけを検討し、再配分は運用者が意図を持って行うほうが管理しやすくなります。
なお、日本語版ヘルプ(推奨投資戦略のページ)には、2026年9月24日時点でHolistic/Growthに相当するモードの記載を確認できませんでした。英語版では二つのモードの説明を確認できる一方で、日本語の管理画面でどのような名称で表示されるか、すでに全アカウントで選べる状態かは未確認です。画面に表示されない場合は、提案内容に減額が含まれているかどうかでモードの性質を判断してください。
7日予測と予測曲線は逓減が始まる地点を読むために使う
推奨投資戦略の予測値は、将来の成果を約束する数字ではなく、追加投資の効き目がどこから鈍るかを読むための目安です。英語版ヘルプには、パフォーマンスグラフの推定値と予測曲線は通常7日間の予測にもとづき、直近の傾向とコンバージョンの遅延を考慮していると記載されています。
7日間の予測が意味するもの
7日間という短い予測期間は、直近の需要や競合状況が反映されやすい一方、月末の駆け込み需要や季節変動、長い検討期間の商材で起きる遅れたコンバージョンを十分に拾えない場合があります。BtoBの資料請求から商談化まで数週間かかる商材では、7日予測で増えるとされたコンバージョンが、そのまま売上に比例するとは限りません。予測はあくまで入口の指標として扱い、商談化率や成約率を掛けて事業側の数字に換算してから判断するのが安全です。
また、提案は週額で示されるため、月予算で管理している企業は週額を月額に換算して見る必要があります。1か月を約4.3週として計算すると、週5万円の追加は月21万円強の追加になります。日予算に直すと1日あたり約7,100円の上乗せで、数字の単位を揃えてから比較するだけでも、提案の重さの受け止め方は大きく変わります。
米Practical Ecommerceに2025年に掲載された寄稿では、この機能は短期の見通しを素早く確認するのに向く一方、目標CPAや目標ROASを入力する欄がなく、Googleの予測が自社の商品や目標に当てはまるとは限らないと指摘されていました。2026年9月24日時点で同様の制約が解消されているかどうかは、公式ヘルプからは確認できていません。
予測曲線で見るべき折れ曲がり
インタラクティブなパフォーマンスグラフは、追加費用を動かすと予測成果が曲線で変化する仕組みで、ヘルプでも最適な予算水準や収穫逓減の把握に役立つと説明されています。見るべきは曲線の最高点ではなく、傾きが急に緩やかになり始める地点です。そこから先の増額は、1件あたりの獲得単価が急速に悪化する領域に入っていると判断できます。
支援の現場では、曲線の右端まで入力して最大の成果を示す金額をそのまま稟議に載せてしまうケースが少なくありません。増分CPA(追加費用÷追加コンバージョン)が自社の許容CPAを超える手前を上限として区切り、そこまでを段階的に試すほうが、学習の揺れも社内説明の負担も小さくなります。予算を増やしたあとの入札の挙動は、次の記事で詳しく扱っています。
増額提案を鵜呑みにしないための判断基準
推奨投資戦略の提案は、増分CPA、減額対象の役割、計測の健全性の三点を確認してから採用するのが原則です。Googleの提案は登録されたコンバージョンと入力した指標の範囲で最適化されているため、その前提が事業の実態とずれていれば、提案の精度も同じだけずれます。
採用前に確認する三つの観点
最初に確認すべきは、提案全体の増分CPAです。予測画面に表示される追加費用と追加コンバージョンから、増額分だけで見た獲得単価を計算し、現在のアカウント平均ではなく自社の限界許容CPAと比べます。平均CPAが良好でも、増分CPAが平均の1.5倍を超えるような提案は、既存の成果に上乗せされた割高な獲得を買う提案だと理解すべきです。
次に、Holisticで減額対象になったキャンペーンの役割を確認します。そして最後に、最適化の前提となるコンバージョン計測に欠損や重複がないかを点検します。計測が崩れているアカウントでは、正しく成果を上げているキャンペーンが低効率と判定されることがあるからです。
適用ボタンを押す前の確認項目
- 表示中のモードがHolisticかGrowthか、純増額と付け替え額を分けて把握したか
- 増分CPAが自社の限界許容CPAを下回っているか
- 減額対象にブランド指名・新規顧客獲得・検証中のキャンペーンが含まれていないか
- 最適化指標とメイン目標のコンバージョンが事業のKPIと一致しているか
- 週額の提案を日予算と月予算に換算し、月次の着地見込みを確認したか
採用・部分採用・見送りの分け方
確認の結果は、そのまま全適用する、一部キャンペーンの選択を外して部分適用する、提案額の一部から段階的に適用する、今回は見送る、の四つに分けて判断します。実務で最も多いのは部分採用で、好調なキャンペーンへの純増は受け入れつつ、役割のあるキャンペーンからの減額だけを外すという使い方です。
段階採用を選ぶ場合は、提案額の3割から半分程度を最初の増額幅とし、1〜2週間で増分CPAが許容範囲に収まっているかを確認してから次の段階に進むのが無理のない進め方です。一度に大きく予算を動かすと、入札の学習が揺れて短期的にCPAが悪化し、提案が悪かったのか学習の揺れなのかを区別できなくなるからです。
| 判断 | 当てはまる状況 | 具体的な対応 |
|---|---|---|
| そのまま採用 | 増分CPAが許容範囲内、減額対象に役割キャンペーンなし、計測が健全 | 適用後2週間は日次で消化とCPAを監視 |
| 部分採用 | 純増部分は妥当だが、減額対象に残すべきキャンペーンがある | 該当キャンペーンの選択を外してから適用 |
| 段階採用 | 方向性は妥当だが増額幅が大きい | 提案額の一部から始め、1〜2週間ごとに段階的に引き上げる |
| 見送り | 計測に欠損がある、増分CPAが許容を超える、季節要因で予測が歪んでいる | 計測や目標設定を先に直し、次回の提案を待つ |
自社のアカウントで提案をどこまで信じてよいか判断がつかない場合は、ハーマンドットの無料アカウント診断で、増分CPAと計測状況を第三者の目で確認することもできます。
Holisticで削られやすいキャンペーンには計測に表れない役割がある
Holisticの再配分で最も注意すべきなのは、コンバージョン単価だけでは価値が測れないキャンペーンが、効率が低いという理由で予算を削られることです。Googleの判定は選んだ指標とアカウント内の計測データにもとづくため、指標に表れない貢献は評価の外に置かれます。
削減対象に入りやすいキャンペーンの特徴
典型的なのは、競合による指名語への入札を防ぐためのブランド指名キャンペーン、新規顧客の獲得を目的に既存顧客を除外しているキャンペーン、新商品や新地域を検証している立ち上げ期のキャンペーンです。これらはCPAやROASで比べると見劣りしやすい一方、事業の防衛や将来の成長を担っています。削減の是非は効率ではなく役割で判断することが、Holisticを安全に使う前提です。
加えて、観測用に設定しているコンバージョンや、オフラインで発生する商談・来店の成果を入札に取り込んでいないアカウントでは、上流の成果を生むキャンペーンほど低効率に見えます。どのコンバージョンをメイン目標にしているかで提案の中身が大きく変わる点を意識してください。
地域やキャンペーンタイプで事業上の優先度が違う場合も同様です。たとえば出店予定の地域で認知を先行して取りにいくキャンペーンは、短期のCPAでは見劣りしても、出店後の来店や問い合わせの土台になります。Googleの提案はこうした時間差のある効果を前提にしていないため、削減候補に挙がった理由を一つずつ確かめる姿勢が欠かせません。
減額されていたら必ず止めるべきキャンペーン
- ブランド指名キャンペーン(削ると競合に指名検索の枠を取られやすい)
- 新規顧客獲得を目的に既存顧客を除外しているキャンペーン
- 開始から学習が落ち着いていない検証中のキャンペーン
- 別部署・別商材の予算で運用し、社内で配分が決まっているキャンペーン
役割キャンペーンを守りながら提案を活かす方法
役割キャンペーンが削減対象に含まれていた場合は、そのキャンペーンの選択を外して適用するのが最も簡単な対処です。そのうえで、削減候補とされた理由が計測設計にあるのか、配信そのものの非効率にあるのかを切り分けます。計測の問題であれば、提案を採用する前に目標設定を見直すほうが、長い目で見て提案の精度が上がります。
どのコンバージョンを入札の学習に使うかの設計は、次の記事で手順を解説しています。
代理店の予算提案と社内承認に推奨投資戦略を使う方法
推奨投資戦略は、代理店からの増額提案や社内の予算稟議を検証するための共通資料として使うのが効果的です。Googleの画面に表示された数字をそのまま根拠にするのではなく、モードの種別、増分CPA、減額対象を明記した形に翻訳して共有すると、議論の焦点がぶれません。
代理店に確認すべきこと
代理店から「Googleの推奨どおり増額しましょう」という提案を受けた場合は、提案がHolisticとGrowthのどちらにもとづくのか、純増額はいくらか、減額されるキャンペーンはどれかの三点を必ず確認してください。手数料が広告費に連動する契約では、純増の提案ほど代理店の売上も増える構造があるため、増分CPAの試算と減額対象の説明を添えてもらうことが、健全な関係を保つうえでも有効です。
逆に、Holisticで再配分を先に提案し、純増は増分CPAが許容範囲に収まる分だけにとどめる代理店は、アカウント全体の効率を優先していると評価できます。運用代行の手数料体系と、その体系が予算提案にどう影響するかは、次の記事で整理しています。
社内稟議に載せる形への翻訳
社内承認では、週額の提案を月額に換算し、「純増額」「付け替え額」「予測追加コンバージョン」「増分CPA」「想定する商談化後の成果」を一枚にまとめる形が伝わりやすいです。7日予測を4倍強して月額の見込みにする場合も、季節変動や計測の遅れで上下する前提を併記しておくと、結果がずれたときの説明がしやすくなります。
Holisticの提案を稟議に載せる場合は、減額されるキャンペーンの担当者や予算の持ち主に事前に共有しておくことも重要です。アカウント全体では効率が上がる提案でも、特定の部署や商材の広告が縮小されることになるため、合意なしに適用すると社内の摩擦につながります。
機会損失の診断に使う視点も有効です。予算制限で失っている成果の規模を推奨投資戦略で把握し、それが許容CPAの範囲内で取り切れる量なのかを示せば、増額の必要性を根拠を持って説明できます。社内説明の材料づくりから相談したい場合は、お問い合わせフォームからご連絡ください。
適用後の検証と自動適用との線引き
推奨投資戦略を適用したあとは、最低2週間は日次で予算消化とCPAの推移を追い、予測との差を記録するのが基本です。予算の変更は入札の学習にも影響するため、適用直後の数日間の数字だけで良し悪しを判断しないことが大切です。
予測との差を記録する
検証では、適用前に控えておいた予測値と、実際の追加費用・追加コンバージョンを週単位で並べます。差が大きい場合は、季節要因、競合の入札変化、計測の遅れのどれが原因かを切り分け、次回の提案をどこまで信じるかの係数として蓄積していきます。予測と実績の差を記録し続けたアカウントほど、提案の採否を素早く判断できるようになります。
Holisticで減額したキャンペーンについては、減額後に指名検索の表示シェアや新規顧客比率が落ちていないかも確認します。数字が悪化していれば、減額分を元に戻すだけで済むうちに判断することが重要です。
検証期間中は、他の大きな変更を重ねないことも大切です。入札戦略や目標値、広告文やランディングページを同時に変えると、成果の変化が予算配分によるものかどうかを判断できなくなります。変更は一度に一つを原則とし、変更日と内容を記録しておくと、あとから振り返る際の手がかりになります。
自動適用の対象には含めない
予算に関わる最適化案は、自動適用の対象から外して人が承認する運用にしておくのが安全です。推奨投資戦略はアカウント全体の配分を一度に動かすため、承認なしに反映されると影響範囲の特定が難しくなります。最適化案の自動適用をどこまで許可し、変更履歴をどう監査するかは、次の記事で詳しく解説しています。
まとめ:推奨予算は増額の量より質で判断する
Google広告の推奨予算は、2026年9月時点でアカウント全体の投資配分を提案する推奨投資戦略として提示されており、Holisticは再配分と追加の合算、Growthは既存予算を守った純増という性質の違いがあります。どちらのモードの提案かを見分け、増分CPAと減額対象の役割を確かめてから採用することが、増額提案を鵜呑みにしないための基本です。
- 最初に確認するのは表示中のモードで、Holisticは付け替え額と純増額を分けて読む
- 7日予測と予測曲線は、逓減が始まる地点と増分CPAを読むために使う
- ブランド指名や新規顧客獲得のキャンペーンは、効率ではなく役割で残すかどうかを決める
まずは無料で広告アカウント診断を
ハーマンドットでは、Google広告をはじめとする各媒体のアカウント構造と計測設計を第三者の目で点検する無料診断を実施しています。推奨投資戦略で増額や再配分を提案されている段階は、現在の予算配分と計測の前提が事業の実態に合っているかを見直す好機です。提案をそのまま適用した場合にどのキャンペーンがどう動くかを、実データにもとづいて整理します。
診断では、増分CPAの試算、減額対象となるキャンペーンの役割、メイン目標の設定状況までを具体的に確認します。代理店からの増額提案が妥当かどうかを判断したい段階でのご相談も歓迎します。自社だけで判断しきれない論点がある場合は、お気軽にお問い合わせください。
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