WeChat朋友圈広告の遷移先の選び方|原生推广页とミニプログラムの使い分け

WeChat朋友圈広告の遷移先選び

WeChatの朋友圈(モーメンツ)広告を検討すると、クリエイティブより先に「押した後どこへ飛ばすか」で手が止まることがよくあります。原生推广页(ネイティブ推広ページ)、ミニプログラム、自社のH5ページなど候補が複数あり、しかも画像を押した場合と文字リンクを押した場合で開く先が変わるためです。

日本語で読める解説記事の多くは、WeChat広告の種類や中国市場の概要の紹介にとどまり、朋友圈広告の遷移先を広告形式や目的と突き合わせて選ぶ手順までは扱っていません。一方、Tencent(腾讯广告)の開発者向け資料や機能アップデート資料には、遷移先の種類や組み合わせの制約が細かく書かれています。

この記事では、2026年11月4日時点で確認できたTencentの公式資料をもとに、朋友圈広告の遷移先の種類、原生推广页とミニプログラムの使い分け、入稿前の点検手順を整理します。目的別の判定表と入稿前チェック表を用意しましたので、実装担当者との打ち合わせ資料としてもお使いください。

この記事の要点

  • 朋友圈広告は、外層の画像・動画と文字リンクで別々の遷移先を設定できる仕様
  • WeChat内で読ませて終わる訴求は原生推广页(官方落地页)、購入・予約・会員登録まで進める訴求はミニプログラムが基本
  • 簡版原生页は2025年8月から順次配信終了と公式資料に記載があり、移行が必要
  • ミニプログラムへ飛ばす場合、文字リンクの表示名は「进入小程序」が必須で、外れると審査で却下される
  • 日本法人がそのまま出稿できるかどうかは、執筆時点で公式情報から確認できない

朋友圈広告の遷移先は押す場所ごとに決まる

朋友圈広告の遷移先は、広告全体で1つではなく、ユーザーが押す場所ごとに決まります。外層の画像や動画を押した場合と、画像の下にある文字リンクを押した場合とで、別々の受け皿を指定できる仕組みです。

朋友圈広告と遷移先の基本

朋友圈広告とは、WeChatのモーメンツ(友人の投稿が並ぶタイムライン)に、通常の投稿に近い見た目で表示される運用型の広告です。配信と入稿はTencentの広告プラットフォーム(腾讯广告)で行い、開発者向けのMarketing APIでは配信面を SITE_SET_MOMENTS として扱います。

この記事でいう遷移先とは、広告を押したユーザーが最初に開くページのことで、中国語の資料では「落地页」と書かれます。日本の検索広告でいうランディングページに近い概念ですが、WeChat内で完結するページ形式が複数ある点が日本の媒体と大きく異なります。

そのため、朋友圈広告の企画では「どのページへ飛ばすか」を1つ決めて終わりにせず、押す場所ごとに何を開かせるかを一覧にしておくことが出発点になります。クリエイティブの制作前にこの一覧を作っておくと、制作会社とミニプログラムの開発担当の作業範囲も切り分けやすくなります。

外層と文字リンクは別々に設定できる

Tencentの開発者向けお知らせ(腾讯广告 Marketing API 公告)では、2020年3月25日から朋友圈の常規スタイル広告で、外層素材と文字リンクの遷移先を分けて指定できる構造に切り替えたと案内されています。外層は page_type、文字リンクは link_page_type という別の項目で指定します。

同じお知らせでは、外層の遷移先として原生页・簡版原生页・素材拡大の3種類、文字リンクの遷移先として原生页・自定义链接(H5)・小程序・小游戏・iOSアプリのダウンロードページが挙げられています。つまり、ミニプログラムや自社H5へ送りたい場合は、文字リンク側の設定が主な入口になります。

押す場所公式資料で確認できた遷移先主な確認ポイント
アイコン・アカウント名広告主のprofileページ(自動)profile_idの事前作成
外層の画像・動画原生页/簡版原生页(終了予定)/素材拡大簡版原生页からの移行
文字リンク・ボタン原生页/自定义链接(H5)/小程序/小游戏/アプリDLページ表示名と遷移先の一致
多図多リンク(常規多図)アプリ直達/小程序(画像ごと)朋友圈面だけで有効

表の内容は、Tencentの開発者資料と機能アップデート資料から2026年11月4日時点で確認できた範囲をまとめたものです。管理画面の表記や選べる組み合わせは広告形式・推広目標・アカウントの権限によって変わるため、入稿時は必ず管理画面で再確認してください。

広告フォーマットの違いを媒体横断で整理したい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。

原生推广页はWeChat内で読ませて終える訴求に向く

原生推广页は、WeChatの中で読み込みの待ち時間を抑えて商品やキャンペーンを見せ、その場で問い合わせや公式アカウントのフォローまで進めたい訴求に向いています。外部サイトへ移動させないため、離脱の要因を減らしやすい受け皿です。

原生推广页と官方落地页の位置付け

原生推广页は、Tencentの広告管理画面上で部品を組み合わせて作るWeChat内のページです。開発者向けのアップグレード案内(腾讯广告 Marketing API 升级说明)では、外層の遷移先として微信原生推广页(PAGE_TYPE_CANVAS_WECHAT)が使えると記載されています。

2025年8月のTencentの機能アップデート資料(投放平台新动态 2025年8月)では、Tencent側で作成・管理するページが「官方落地页」と表記され、旧IDの廃止や沉浸式表示での電話番号取得機能などが案内されています。原生推广页との名称の対応関係を明示した公式説明は執筆時点で確認できなかったため、管理画面上の表記で判断してください。

実務上は、原生推广页で商品の特徴と特典を1画面にまとめ、問い合わせフォームや公式アカウントのフォローボタンを同じページに置く構成が基本になります。ページの部品は管理画面で差し替えられるため、ミニプログラムの開発を待たずに配信を始められる点も利点です。

簡版原生页は移行が必要

開発者向けの朋友圈広告ページ(腾讯广告 朋友圈广告说明)には、常規スタイルでは画像を押すと文案と画像から自動生成される簡版原生页が開くと書かれています。設定の手間がかからないため、過去の配信で使い続けているアカウントも多い形式です。

しかし前述の2025年8月の資料では、簡版原生页の配信機能を2025年8月から順次終了し、官方落地页・自定义落地页・App Storeのダウンロードページへ移行するよう案内されています。対象は朋友圈・公式アカウントとミニプログラム・視頻号の3面で、過去のテンプレートを複製して入稿する運用では旧設定の残存に注意が必要です。

過去の設定を引き継いで審査落ちが続く場合の切り分け方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

ミニプログラムは続きの行動がある訴求で選ぶ

ミニプログラムは、購入・予約・会員登録・クーポン受け取りのように、広告を見た後に複数の画面をまたぐ行動がある場合に選ぶ受け皿です。ログインや決済、会員情報の保持といった機能をWeChat内で提供できるため、1回の訪問で終わらない導線を組めます。

文字リンクの表示名を必ずそろえる

朋友圈広告の説明ページでは、文字リンクの表示名を link_name_type で指定し、ミニプログラムの落地页へ配信する場合は「进入小程序」(ENTER_MINI_PROGRAM)が必須と定められています。「领取优惠」なら遷移先でその場で特典を受け取れること、「预约活动」なら遷移先に予約の入口があることが条件で、満たさない場合は審査で却下されると明記されています。

表示名は日本の媒体でいうCTAボタンの文言に近いものの、遷移先の機能と一致しているかが審査対象になる点が異なります。ミニプログラムの改修で予約画面の位置が変わった場合も、広告側の表示名と食い違わないかを確認してください。

ミニプログラムを受け皿にする場合は、広告から開くページが会員登録やログインを求める画面になっていないかも確認しておきます。広告で見せた商品や特典と、開いた直後の画面の内容がずれていると、表示名の条件を満たしていても離脱が増えやすいためです。

画像ごとに別のミニプログラムページへ送る

2025年8月の資料では、常規多図(1:1の3・4・6・9枚)で画像ごとに別の遷移先を指定できる「多図多リンク」部品が案内されています。対応する遷移先はアプリ直達とミニプログラムの落地页で、朋友圈面でのみ有効とされ、他の配信面に同時配信すると最初のリンクが使われる仕様です。

商品ごとにミニプログラム内の詳細ページへ直接送れるため、複数商品を並べるEC型の訴求と相性がよい機能です。ただしMarketing APIで入稿する場合は、落地页の部品に最初のリンクを手動で渡す必要があると資料に書かれています。

複数の受け皿を並行で動かす際のパラメータ命名は、以下の記事もあわせてご覧ください。

目的と遷移先の判定表で受け皿を決める

受け皿は、広告の目的と、遷移先で取らせたい行動の数から決めると迷いません。次の判定表は、Tencentの公式資料で確認できた仕様をもとに、当メディアで実務向けに整理した独自の目安です。

朋友圈広告の遷移先3種類を目的・強み・注意点で比較した図
朋友圈広告の主な遷移先の比較(Tencent公式資料をもとに作成)
広告の目的遷移先で取らせたい行動第一候補次点・併用
新商品・ブランドの認知読んで理解する原生推广页(官方落地页)素材拡大
公式アカウントのフォローその場でフォロー原生推广页(官方落地页)アカウントページ
来店・予約日時を選んで申し込むミニプログラム原生推广页+予約部品
EC購入商品選択から決済までミニプログラム多図多リンク
見込み客の情報取得フォーム入力原生推广页(官方落地页)原生推广页小程序版
既存サイトの再利用自社ページを閲覧自定义链接(H5)原生推广页で要約

判定表の読み方

判定表では、遷移先で取らせたい行動が1つで済むなら原生推广页、画面をまたぐならミニプログラムを第一候補にしています。2022年のTencentの研修資料(腾讯广告投放平台功能月度速递 9-10月)でも、原生推广页小程序版は原生推广页より機能が多く、ワンタップでの見込み客情報の取得に対応すると説明されています。

ミニプログラムを新たに開発する場合は、開発と保守の費用、WeChatのミニプログラム側の審査期間も見込む必要があります。既にミニプログラムを運営している企業は第一候補にしやすく、持っていない企業はまず原生推广页で反応を確かめる順番が現実的です。

自定义链接(H5)を選ぶ場面

自定义链接は、自社で用意したHTML5のWebページへ送る方法で、既存の中国語サイトや予約システムを再利用できる点が利点です。2022年の資料では視頻号の合約広告でも、原生推广页・ミニプログラム・自定义链接の3種類が遷移先として挙げられています。

一方で、ページの表示速度やWeChat内ブラウザでの動作確認は広告主側の責任になり、中国本土からの閲覧環境では日本のサーバーが遅く感じられる場合があります。中国向けWebサイトの運営に必要な届出などの法的要件は、本記事では扱わないため、専門家や現地パートナーへ確認してください。

受け皿の選定と計測設計をまとめて整理したい場合は、国内広告と並行する計測設計のご相談から承ります。

入稿前に遷移先の点検手順を回す

遷移先の不備は、配信前の点検表で大半を防げます。次の点検表は、公式資料に書かれた制約を入稿作業の順番に並べ替えたもので、広告運用代行の現場で入稿前に確認する項目を想定しています。

点検項目確認する内容根拠
外層の遷移先簡版原生页が残っていないか2025年8月資料
文字リンクの表示名小程序なら「进入小程序」か朋友圈広告説明ページ
特典・予約の表示名遷移先に受取・予約の入口があるか朋友圈広告説明ページ
橱窗広告の主副素材遷移の種類が同じか2022年研修資料
多図多リンク他面への同時配信で最初のリンクになる点の理解2025年8月資料
計測パラメータ遷移先ごとに識別できるか社内の命名規則

審査で止まりやすいのは表示名との不一致

朋友圈広告の説明ページでは、文字リンクの表示名ごとに遷移先の条件が決められており、条件を満たさない広告は却下されると明記されています。特に「去逛逛」「立即购买」は電商推広の目的専用とされているため、目的の選択を誤ると表示名ごと見直しが必要です。

2022年の資料では、橱窗広告で主素材と副画像に別の遷移先を設定できる一方、遷移の種類は一致させる必要があるとされています。原生推广页を使う場合は「外層素材を引用する」部品の使用も必須とされており、制作担当と運用担当で作業を分けている場合ほど確認漏れが起きやすい項目です。

受け皿ごとの計測を分けて記録する

原生推广页、ミニプログラム、H5では、取得できる行動データの種類や保存場所が異なります。ミニプログラムの行動はミニプログラム側の分析画面、H5は自社の解析ツールで見ることになるため、広告の管理画面だけで成果を比べると数字の定義がずれます。

入稿前に、受け皿ごとに成果の定義と記録場所を1枚にまとめておくと、配信後の比較がぶれにくくなります。複数の制作会社や現地パートナーが関わる場合は、誰がどの受け皿の数字に責任を持つかも決めておきます。

関係会社が多い案件で役割を分ける方法は、以下の記事もあわせてご覧ください。

日本企業は出稿資格と運営体制を先に確認する

日本企業がWeChatの朋友圈広告を使う場合、遷移先を選ぶより前に、出稿できる契約主体と、受け皿を運営できる体制があるかを確認する必要があります。日本法人が直接アカウントを開設できるかどうかは、執筆時点でTencentの公式情報から確認できていません。

執筆時点で確認できなかった事項

  • 日本法人が腾讯广告のアカウントを直接開設できる条件
  • 原生推广页と官方落地页の名称の対応関係を示した公式説明
  • ミニプログラムを開設できる主体の要件と、海外法人の扱い
  • 朋友圈広告の最新の最低出稿額や課金単価の公式な数値

過去の報道では、Tencentの日本法人が訪日中国人向けの広告出稿支援を始めたと伝えられたこともありますが、2016年の情報で現在の提供条件とは異なる可能性があります。実際の出稿条件は、Tencentの広告窓口や正規の代理店に最新の要件を確認してください。

また、ミニプログラムや原生推广页の中で個人情報を取得する場合は、中国の個人情報保護関連の規制が関わる可能性があります。法的な判断は運用代行会社では行えないため、中国法に詳しい弁護士などの専門家へ確認したうえで受け皿を設計してください。

国内の広告配信と中国向け施策の予算配分を整理したい場合は、媒体ごとの役割分担の整理からご相談いただけます。WeChat広告の出稿代行に対応できるかは、ご相談内容を伺ったうえでご案内します。

LPを持たずに見込み客の情報を取る広告の考え方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

まとめ:朋友圈広告の遷移先は押す場所と目的から決める

朋友圈広告の遷移先は、外層と文字リンクで別々に決まること、そして目的が「読ませて終える」か「画面をまたぐ行動まで進める」かで選ぶことが要点です。簡版原生页の終了や表示名の制約など、公式資料に書かれた条件を入稿前に点検表で確認しておくと、審査落ちや計測のずれを防げます。

  • 外層は原生页・素材拡大、文字リンクは原生页・H5・ミニプログラムなどから選ぶ
  • 1つの行動で終わるなら原生推广页、複数画面にまたがるならミニプログラム
  • 簡版原生页は2025年8月から順次終了のため移行が必要
  • ミニプログラムへ送る文字リンクは「进入小程序」が必須
  • 出稿資格や個人情報の扱いは公式窓口・専門家に確認する

まずは無料で広告アカウント診断を

海外向けの施策を検討する際は、国内で配信中の広告との役割分担や、受け皿ごとの成果の定義を先にそろえておくと、媒体を増やしても判断がぶれません。ハーマンドットでは、現在の広告アカウントと計測設定を確認し、改善の優先順位を整理します。

新しい媒体の追加を検討している段階でも、既存の配信のどこに余力があるかを確認するところからご相談いただけます。無理な媒体追加はおすすめしませんので、まずは現状の診断からお気軽にお問い合わせください。

初回相談は完全無料・所要時間30分・オンライン対応可能です。

一覧へ戻る