百度広告の出稿条件と出稿前確認|中国語サイト・申請資料・問い合わせ対応をそろえる手順

百度広告の出稿前確認

中国の検索ユーザーに向けて百度(Baidu)広告を出したいと考えても、何がそろえば出稿を始められるのかは意外と知られていません。Google広告のように管理画面から自分で申し込んで翌日から配信、という進め方はできず、日本からの申込には中国語のサイト、名義をそろえた書類、代理店との契約という三つの準備が前提になります。

検索上位の解説記事は、百度の検索シェアや広告メニューの紹介が中心で、申請前に何を確認すればよいかまで踏み込んだものは多くありません。一方で「ICP登録が必須」「中国法人がないと出せない」といった一律の説明も見かけますが、日本法人のバイドゥ株式会社が公開している手順とは前提が異なる場合があります。

この記事では、2026年11月4日時点でバイドゥ株式会社の公式ページから確認できた開設手順・必要書類・最低出稿金額をもとに、出稿前にそろえる項目を整理します。公式に記載がない条件は推測で埋めず、代理店や窓口へ確認すべき項目として切り分けて示します。

この記事の要点

  • 日本からの百度リスティング広告は、掲載可否審査・関連書類送付・正規取扱代理店経由の申込という3段階で開設します
  • 遷移先は簡体字か繁体字の中国語サイトに限られ、英語・日本語サイトや制作中のサイトでは審査を受けられません
  • 全社共通で登記事項証明書(発行から6か月以内)とURLキャプチャ+署名書類が必要で、医薬品・医療・化粧品・金融は許可証の写しも求められます
  • 最低出稿金額は3万人民元からで、2026年10月公表の適用レートで換算すると約70万円です

百度広告の出稿条件は中国語の受け皿と名義の一致で決まる

百度広告の出稿条件は、中国語のプロモーションサイトがあること、申込名義とサイトの持ち主が一致すること、正規取扱代理店を通じて申し込むことの三つに集約されます。どれか一つでも欠けると、掲載可否審査の段階で先へ進めません。キーワード選定や入札設計は、この三つがそろってから着手する順番になります。

百度広告とは、中国最大手の検索エンジン百度(Baidu.com)の検索結果や提携面に表示される広告の総称です。バイドゥ株式会社の百度広告公式ページでは、検索連動型のリスティング広告、DSP型のアドネットワーク広告、検索アプリ内のインフィード広告、ブランド名検索で表示されるブランドリンク広告が紹介されています。本記事では、問い合わせ獲得の軸になりやすいリスティング広告の開設条件を扱います。

日本からの申込は正規取扱代理店を通す

公式のアカウント開設ページでは、掲載可否審査、関連書類送付、リスティング申込書送付の3ステップが示され、申込は百度広告正規取扱代理店を経由する形と明記されています。広告主が日本法人の管理画面へ直接登録する導線は案内されていません。

そのため、最初の相談先は代理店になります。公式ページには日本国内と中国本土の代理店一覧が掲載されているので、依頼候補がその一覧に載っているかを先に確かめておくと、申込書の受け渡しで手戻りが起きません。開設までの期間は、掲載可否審査から10〜14営業日を見込むよう案内されています。

公式に確認できる条件と確認できない条件

公式ページから読み取れるのは、遷移先の言語、会社概要ページの記載項目、全社共通の書類、業種別の許可証、最低出稿金額と為替の扱いです。反対に、代理店の手数料率、海外法人が中国の百度営銷へ直接開設する場合の条件、審査で落ちた際の具体的な理由は、執筆時点で公開情報からは確認できませんでした。

よく話題になるICP(中国のサイト登録制度)についても、バイドゥ株式会社のアカウント開設ページには必須要件として記載されていません。ICPは中国本土のサーバーでサイトを公開する場合などに関わる制度で、サイトの置き場所や現地法人の有無によって扱いが変わります。自社が対象になるかは、代理店と中国の制度に詳しい専門家へ個別に確認してください。

公式には未公表のため代理店へ確認する項目

  • 代理店の手数料率と請求通貨、支払いサイト
  • 新規開設時に代理店ごとに定める最低予算
  • 中国語の広告文・キーワード作成をどこまで代行するか
  • ICPやサーバー所在地について代理店が求める条件の有無

韓国向けのNAVERと比べて媒体ごとの開始条件の違いを押さえたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

掲載可否審査の前に中国語サイトと会社概要ページを整える

掲載可否審査で提出するのは、クライアント名と中国語プロモーションURLの二つだけです。言い換えると、この時点で審査に耐える中国語サイトが公開済みでなければ、申込そのものが始まりません。

英語サイトや制作中のサイトでは審査を受けられない

公式のよくあるご質問では、プロモーションできるのは簡体字または繁体字の中国語サイトのみで、英語サイトや日本語サイトは不可と回答されています。あわせて、中国語サイトを制作中の場合は掲載可否を確認できないとも書かれています。

日本語サイトの一部ページだけを機械翻訳して広告の遷移先にする計画は、この条件に照らすと通りにくい進め方です。中国本土向けなら簡体字、台湾や香港の利用者も意識するなら繁体字というように、誰に届けるかで表記を決め、会社紹介から問い合わせまでを同じ言語でそろえておくと審査と運用の両方が安定します。

会社紹介ページは独立させ必須項目を載せる

中国語プロモーションページには、独立した会社紹介ページが必要です。公式ページでは「关于我们」「公司介绍」「公司概况」、英語なら「About US」といった表記が例に挙がっており、「联系我们」(お問い合わせ)のページは会社概要と見なされない場合があると注意書きがあります。

もう一つ見落としやすいのが名義の一致です。掲載可否審査に出すクライアント名とプロモーションURLの持ち主が同じであると確認でき、その名称が後で送る申込書の名義とも一致している必要があります。グループ会社のサイトや販売代理店のサイトへ誘導する場合は、この一致が崩れないかを最初に確かめてください。

記載項目公式の扱い準備のポイント
社名(中国語または英語)必須申込書の名義と同じ表記にそろえる
会社所在地必須登記事項証明書の所在地と食い違わないようにする
電話番号必須(携帯不可)代表番号など固定の番号を載せる
代表者名記載項目登記上の代表者と一致させる
業務内容記載項目中国語サイトの内容に即した範囲で書く
設立日・資本金・社員数その他の項目載せる場合は登記や公表値と合わせる

名義や所在地の表記ゆれを申請前に洗い出す考え方は、Google広告の広告主確認とも共通します。書類準備の進め方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

申請資料は全社共通の書類と業種別の許可証に分けて用意する

申請資料は、全ての広告主に求められる共通書類と、特定の業種だけに求められる許可証の写しに分けて準備すると漏れが出ません。共通書類は掲載可となった後に案内されますが、登記事項証明書は発行から6か月以内という期限があるため、取得のタイミングには注意が必要です。

全社共通で求められる書類

アカウント開設ページによると、全てのアカウント開設に、URLキャプチャと署名の書類、そしてクライアントの登記事項証明書が必要です。URLキャプチャは、掲載可否審査で提出したURLと一致していることが分かる形で求められます。最後に、代理店から受け取ったリスティング申込書に必要事項を記入して送付します。

実務上は、掲載可否の結果を待ってから登記事項証明書を取り寄せると数日の空白が生まれます。審査に出すのと同じ週に取得しておけば、6か月の期限内に収まりやすく、開設までの日数も縮められます。

医療・美容・化粧品・金融は許可証の写しが要る

バイドゥ株式会社の百度広告掲載基準では、審査のために追加書類が必要な業種が一覧になっています。医薬品、医療機関、医療機器、化粧品、金融が対象で、それぞれ許可証の写しと登記事項証明書の提出が求められます。

業種商品・役務の例提出が求められる書類
医薬品処方せん医薬品第一種医薬品製造販売業許可証
医薬品一般用医薬品など第二種医薬品製造販売業許可証
医薬部外品医薬部外品医薬部外品製造販売業許可証
医療機関病院・診療所(美容外科を含む)医師免許証または医療法人の設立認可書
医療機器一般・管理・高度管理医療機器区分に応じた医療機器製造販売業許可証
化粧品化粧品製造販売業許可証・製造業許可証・製造販売届書のいずれか
金融銀行・貸金業など銀行業・貸金業などの免許(金融庁サイトでの確認も可)

この一覧にない業種でも、審査の過程で追加資料を求められる可能性は否定できません。掲載基準には、基準に合っていても独自の判断で掲載を断る場合があるとも書かれているため、許可が要る商材ほど早めに代理店へ相談するのが安全です。

広告文は中国の広告法に沿った表現基準で作る

掲載基準は中華人民共和国広告法を前提にしており、「最」「第一」「最高級」などの最上級表現は使えません。医療や健康食品では効能の断定や治癒率の表示ができず、教育では合格保証、金融では収益保証が禁じられています。第三者が中国で登録している商標を広告に使うことも認められていません。

なお、この掲載基準は2016年9月1日更新の版で、根拠となる広告法はその後も改正が行われています。最新の運用は代理店経由で確認し、法令上の判断が必要な表現は中国法に詳しい弁護士へ確認してください。

審査で差し戻されたときの原因の切り分け方は媒体を問わず共通です。詳しくは、以下の記事もあわせてご覧ください。

予算と日程は人民元建ての最低出稿金額から逆算する

百度リスティング広告の予算は人民元建てで、最低出稿金額は3万人民元からと公式の為替適用レートのページに記載されています。同ページには「約50万円」との注記がありますが、2026年10月9日公表の適用レート0.0429で換算すると約70万円になり、注記より大きな金額を見込む必要があります。

最低出稿金額と予算追加のルール

適用レートは「人民元÷日本円」で示されており、3万人民元を0.0429で割ると約699,300円です。最低予算追加金額の1万人民元は同じレートで約233,100円となり、予算追加は1クライアントにつき月1回までとされています。請求は消化月の前々月の平均レートで円換算されるため、為替が動くと同じ人民元予算でも円の支払額が変わります。

予算は月額ではなく、アカウントにチャージした総額で管理する仕組みです。日別の上限は設定できますが、反映のタイムラグで上限を超える場合があるとFAQに書かれています。社内の稟議は月額ではなく「初回チャージ額+追加1回分」の枠で取っておくと、運用開始後の予算不足で配信が止まる事態を避けられます。

項目人民元円換算(レート0.0429)補足
最低出稿金額30,000元約699,300円公式注記の「約50万円」は過去のレート
最低予算追加金額10,000元約233,100円追加は月1回まで
代理店手数料公式に記載なし代理店に確認媒体費とは別に見積もる

開設から配信までの日数を工程ごとに見積もる

開設までの日数は、掲載可否審査から開設まで10〜14営業日が公式の目安です。開設後に広告を入稿すると、システムによる審査に約2営業日かかる見込みとFAQで案内されています。中国語サイトの制作期間はこれとは別に必要なので、公開日から逆算すると、サイト完成から配信開始まで少なくとも3週間ほどの余裕を持たせる計画が現実的です。

開設後に別ドメインのLPを追加する場合は、掲載可否の確認に通常3〜4営業日、追加URLのキャプチャ提出後の審査にさらに3〜4営業日かかります。キャンペーンごとにLPを分ける計画なら、全てのURLを初回の審査に間に合わせるほうが日程は読みやすくなります。

百度広告の開設から配信までの流れ。中国語サイト公開、掲載可否審査、関連書類の提出、代理店経由の申込、入稿と広告審査、配信と問い合わせ対応の6工程
百度リスティング広告は中国語サイトの公開が起点になる
工程目安出典
掲載可否審査〜アカウント開設10〜14営業日アカウント開設ページ
入稿〜広告配信約2営業日よくあるご質問
別ドメインのLP追加3〜4営業日×2回よくあるご質問

人民元建ての予算枠と開設日程を社内でどう見積もるかは、中国向け出稿の予算と日程の見積もりからご相談いただけます。

問い合わせ対応と計測の体制を出稿前に決めておく

出稿条件を満たしても、中国語で届いた問い合わせに返信できなければ広告費は成果につながりません。受け皿とは、サイトだけでなく返信する人と計測の仕組みまでを含むと考えて、配信前に体制を固めておきます。

中国語の問い合わせに誰が何時間以内に返すかを決める

中国語サイトのフォームや電話番号を載せると、中国語での質問や見積依頼が届きます。社内に中国語で対応できる担当がいるのか、翻訳会社や代理店に一次対応を任せるのか、返信の目標時間は何時間かを、配信前に文書で決めておくと引き継ぎで迷いません。

会社紹介ページの電話番号は携帯不可とされているため、代表番号へ中国語の電話がかかってきたときの取り次ぎ方も決めておく必要があります。対応できない時間帯がある場合は、フォームに返信の目安を中国語で明記しておくと、問い合わせた側の不安を減らせます。

百度統計のCV設定はURLの完全一致を前提にする

FAQによると、計測タグは管理画面から百度統計で発行し、全ページの</head>の前に設置します。コンバージョンはURLが完全一致する場合のみ計測でき、PCとモバイルでURLが異なる場合はそれぞれに設定が必要です。可変するURLは、可変部分を「*」に置き換えれば計測できると案内されています。

サンクスページのURLにパラメータが付くフォームを使っている場合、この仕様に合わないと成果が0件のまま見えてしまいます。配信開始前にテスト送信をしてCVが記録されるかを確かめ、Googleアナリティクスなど既存の計測と数字がずれる前提で、どちらを社内の正とするかも決めておきましょう。

電話やフォームの問い合わせを商談まで追いかける計測の組み立て方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

出稿前確認表で準備の抜けを点検する

ここまでの条件を、代理店へ申し込む前に社内で点検できる確認表にまとめました。全項目が「済」になってから掲載可否審査に出すと、差し戻しによる日程の遅れを防げます。

確認項目確認の方法止まりやすい例主な担当
中国語サイトが公開済みか簡体字か繁体字のURLが外部から開けるか確認日本語サイトの翻訳ページが制作中Web担当
独立した会社紹介ページがあるか「关于我们」等の見出しと必須項目を目視お問い合わせページに会社情報を混在Web担当
名義が全書類で一致しているか審査名義・サイトの持ち主・申込書を突き合わせグループ会社名義のサイトへ誘導総務・法務
登記事項証明書の発行日発行から6か月以内か確認過去の申請で使った古い証明書総務
業種別の許可証掲載基準の業種一覧と照合化粧品や医療の許可証の写しが未準備事業部
広告文の表現最上級表現・効能断定・他社商標を点検「第一」「最」を含む見出し広告担当
予算枠と承認3万元以上の初回チャージ額を円で稟議旧注記の約50万円で予算を確保経理
問い合わせ対応と計測返信担当・目標時間・CVのテスト記録サンクスURLが可変で計測されない営業・広告担当

代理店へ申し込む前に確認しておく項目

確認表とは別に、代理店との打ち合わせでは手数料率、請求通貨、新規開設時の最低予算、中国語の広告文作成やNGワード確認をどこまで任せられるかを聞いておきます。公式ページでは最低予算の規定の詳細を各代理店に問い合わせるよう案内しているため、見積書で金額の根拠を確認しておくと後の食い違いを防げます。

中国向けの出稿は、日本国内のGoogle広告やYahoo!広告の運用と並行することが多く、代理店が複数になると責任の境目があいまいになりがちです。どこまでを百度の代理店に任せ、どこからを国内の運用担当が持つかを最初に決めておくと、レポートの集計や予算配分の判断がぶれません。確認表の項目を埋める段階で迷う点があれば、中国向け出稿の準備状況の点検からご相談いただけます。

複数の代理店を併用する場合の役割分担の決め方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

まとめ:百度広告は中国語の受け皿と書類をそろえてから申し込む

百度広告の出稿条件は、検索広告の運用技術よりも手前の準備で決まります。中国語サイトの公開、名義の一致、6か月以内の登記事項証明書がそろっていれば、正規取扱代理店を通じた開設手続きは10〜14営業日を目安に進められます。予算は3万人民元からで、現在のレートでは約70万円を見込んでください。

  • 遷移先は簡体字か繁体字の中国語サイトに限られ、独立した会社紹介ページが必要です
  • 医薬品・医療・化粧品・金融は許可証の写しを追加で用意します
  • 手数料率やICPの扱いなど公式に記載がない条件は、代理店と専門家に確認します

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百度広告の申込手続きそのものは正規取扱代理店を通じて行う必要がありますが、その前段となる受け皿の点検や計測設計、国内広告との役割分担は事前に詰めておけます。中国の法令に関わる判断は専門家へのご確認をお願いしつつ、広告運用の観点からできることをご提案します。

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