専門学校の広告設計|オープンキャンパス予約を出願につなげる学科別導線の作り方

専門学校の広告運用で「オープンキャンパスの予約は増えたのに、出願数が前年と変わらない」という相談は珍しくありません。原因の多くは媒体や入札ではなく、美容・IT・医療事務といった性格の違う学科を同じ広告文・同じ予約フォームで受け、予約数だけを成果として数えていることにあります。予約数は増やしやすい指標ですが、出願まで進まない予約がいくら積み上がっても募集目標には近づきません。
本記事では、専門学校の広告をオープンキャンパス予約で終わらせず、来場・エントリー・出願まで追う学科別の導線設計を解説します。学科ごとの需要の分け方、主CVと観測CVの置き方、除外すべき流入、高校生の進路スケジュールに沿った繁忙期の組み方、そして出願単価から逆算する予算配分までを、実務の順番で整理しました。
想定する読者は、複数学科を持つ専門学校の広報・入試担当者と、その広告運用を担う担当者です。一方で、単一学科で年間の募集人数が少なく、指定校推薦や高校訪問だけで定員が埋まっている学校には、ここまでの分割は過剰になります。自校がどちらに近いかを考えながら読み進めてください。
この記事の要点
- 成果指標:オープンキャンパス予約ではなく、学科別の出願数と出願単価で広告を評価する
- 需要の分け方:学科×入学者層(高校生・保護者・社会人)で検索動機が違うため、広告グループとLPを分ける
- CV定義:予約・来場・エントリー・出願の4段を置き、来場以降はオフラインCVとして広告へ戻す
- 除外:学校名比較の情報収集、資格単体の独学ニーズ、求人・転職目的の流入は早めに切る
- 繁忙期:高2の春、高3の6〜8月のエントリー前、10月以降の出願締切前の3つの山で予算を動かす
専門学校の広告で追うべき成果はオープンキャンパス予約ではなく出願です
専門学校の広告で最終的に評価すべき成果は、オープンキャンパス予約の件数ではなく、学科別の出願数と出願1件あたりの広告費です。予約は出願までの通過点であり、予約単価が安くても来場率や出願率が低ければ、募集活動全体の費用対効果はむしろ悪化します。
ここで言う学科別導線とは、学科ごとに異なる検索動機と不安を前提に、広告文・LP・予約フォーム・来場後のフォローを学科単位で組み立て、予約から出願までの通過率を学科ごとに管理する仕組みのことです。学校全体で一つの「オープンキャンパス予約」を成果にする設計とは、評価の単位がまったく異なります。
予約数だけを追うと出願率が崩れる仕組み
Google広告やMeta広告の自動入札は、成果として登録されたCVを最も安く多く取れる方向へ配信を寄せていきます。予約だけを成果にすると、システムは「予約しやすい人」を探しにいき、ノベルティ目当ての参加や、すでに他校が第一志望で比較のために一度だけ来る層、高1で進路がまだ決まっていない層などの予約が増えやすくなります。こうした予約は件数としては成果に見えますが、出願にはつながりにくいのが実情です。
さらに、学科をまたいで一つのCVとして扱うと、予約単価が安い学科に予算が偏ります。たとえば体験授業の人気が高い学科は予約が取りやすく、定員割れが心配な学科ほど配信が細くなるという逆転が起こります。学校全体の予約単価が改善しているのに、募集が厳しい学科の出願が減るという状態は、この偏りから生まれることが多いです。
この記事が向いている学校と向いていない学校
本記事の設計が効果を発揮するのは、3学科以上を持ち、学科によって入学者層や競合校が異なる学校です。美容とITと医療事務を同じ校舎で運営している学校、あるいは昼間部と夜間部で高校生と社会人の両方を募集している学校は、導線を分けるだけで改善余地が見つかりやすくなります。
反対に、単一学科で定員が小さく、高校訪問や指定校推薦の比重が大きい学校では、広告の分割よりもまず学校全体の認知と来場後の体験の質を整えるほうが先決です。また、広告費の規模が小さすぎて学科ごとのCVが月に数件しか発生しない場合は、学科を分けても自動入札が学習しきれません。その場合は学科群をまとめた上で、レポート上だけ学科別に集計する折衷案をおすすめします。
Google広告で予約・来場・出願のどれを入札に使い、どれを観測用にとどめるかの基本は、以下の記事で詳しく解説しています。
専門学校の需要は学科と入学者層の掛け合わせで分けます
専門学校の検索需要は、学科と入学者層の掛け合わせで分けるのが基本です。同じ「専門学校」という検索でも、美容師を目指す高校生、ITエンジニアへの転職を考える社会人、子どもの進路を調べる保護者では、知りたいことも決め手もまったく違います。
市場全体の規模感として、文部科学省の令和7年度学校基本統計(学校基本調査)確定値(2025年12月26日公表)では、専門学校の生徒数は56万9千人で前年度より1万1千人増加しました。一方で、高校卒業者に占める専門学校への進学者の割合は14.4%で、前年度より0.7ポイント低下しています。高校新卒の取り合いが厳しくなる中で、社会人や既卒者を含めた層の分け方が成果を左右する状況だと読み取れます。
| 学科 | 検索語の例 | 主な不安 | 主CV | 副CV |
|---|---|---|---|---|
| 美容 | 美容専門学校 地域名、ヘアメイク 学校、美容師 国家試験 合格率 | 技術が身につくか、学費、サロン就職 | 体験授業付きオープンキャンパス予約 | Instagram経由の資料請求 |
| IT | プログラミング 専門学校、ゲーム制作 学校、IT 専門学校 社会人 | 未経験でもついていけるか、就職先の職種 | 体験授業・個別相談予約 | 夜間部・社会人説明会の予約 |
| 医療事務 | 医療事務 専門学校、医療秘書 資格、医療事務 就職 | 資格の価値、通信講座との違い | 学校説明会+個別相談予約 | 資料請求 |
| 保育・福祉 | 保育士 専門学校、介護福祉士 学校 学費 | 実習の負担、奨学金や給付制度 | 保護者同伴可の説明会予約 | 学費シミュレーション閲覧 |
美容・IT・医療事務で検索の動機が違う
美容学科の検索は、職業へのあこがれが先にあり、作品やビジュアルで学校を比べる傾向が強い分野です。検索広告よりもInstagramやTikTokで校舎の雰囲気や在校生の作品を見てから学校名で検索する流れが多いため、検索広告は指名検索と「地域名+美容専門学校」の受け皿として考え、SNS広告で比較検討に入ってもらう役割分担が向いています。
IT学科は、高校生に加えて社会人の転職ニーズが大きい分野です。「未経験からエンジニア」のような検索にはプログラミングスクールも競合として出てくるため、専門学校ならではの2年間の体系的な学習や就職支援を明示しないと、短期スクールとの価格比較に巻き込まれます。医療事務は資格名での検索が多く、通信講座や独学の需要と混ざりやすい分野です。資格取得だけでなく病院への就職まで支援する点を前面に出し、通学する理由を広告文の段階で伝える必要があります。
高校生・保護者・社会人で導線を分ける
同じ学科でも、高校生・保護者・社会人では導線を分けたほうが出願率は安定します。高校生は体験授業や在校生との交流で「ここに通う自分」を想像できるかが決め手になり、保護者は学費・就職実績・資格合格率といった安心材料を重視します。社会人は平日夜や土日の説明会、学び直しの給付制度の有無といった現実的な条件を確認したい層です。
実務では、学科ごとに高校生向けと社会人向けの広告グループを分ける形が基本になります。そのうえで、保護者向けには学費や就職の情報に特化したLPを用意すると扱いやすくなります。保護者は検索で学校名を調べることが多いため、指名検索の広告文に「保護者向け説明会」の表示オプションを加えておくと、親子で来場する予約が取りやすくなります。
入学者層を分ける効果は、来場後の対応にも表れます。予約の段階で高校生か社会人か、保護者の同伴があるかが分かっていれば、当日の個別相談で話す内容を事前に準備でき、出願への後押しがしやすくなります。広告の分割は配信の効率化だけでなく、来場者一人ひとりへの対応の質を上げるための情報整理でもあると考えてください。
学科ごとの検索語句を週次で仕分け、昇格させる語と除外する語を決める手順は、以下の記事で詳しく解説しています。
CV定義は予約・来場・エントリー・出願の4段で置きます
専門学校の広告では、予約・来場・エントリー・出願の4段をCVとして定義し、それぞれの通過率を学科別に見るのが基本です。広告管理画面で自動的に計測できるのは予約までなので、来場以降は学校側の参加者名簿や出願データを使ってオフラインで広告に戻す設計が必要になります。
| 段階 | 定義 | 計測方法 | 広告での扱い |
|---|---|---|---|
| 予約 | オープンキャンパス・説明会・個別相談の予約完了 | 予約完了ページのタグ、フォームの送信イベント | 配信初期の入札用CV、のちに観測用へ |
| 来場 | 予約者が当日実際に参加したこと | 受付名簿と予約IDの照合 | 件数が足りれば入札用CVに昇格 |
| エントリー | AO入試(総合型選抜)へのエントリー | 入試システムのデータを予約IDで突合 | 価値を高く設定した観測用CV |
| 出願 | 願書の提出 | 出願データの突合 | 最終評価指標、出願単価の算出 |
主CVと観測CVの置き分け
入札に使う主CVは、件数が十分に確保できる段階を選ぶのが原則です。配信開始直後や小規模な学科では予約を主CVにし、来場・エントリー・出願は観測用として記録だけ残します。来場の件数が安定して確保できるようになった段階で、来場を主CVに切り替えると、予約しただけで来ない層への配信を減らせます。
注意したいのは、予約と来場を同時に主CVにして同じ重みで数えてしまうことです。1人の参加者が2件分の成果として学習され、予約しやすい層への偏りがかえって強まります。主CVは1つの段階に絞り、ほかは観測用にとどめることが、学科別の比較を正しく保つための前提になります。
来場と出願をオフラインで広告へ戻す
来場や出願を広告に戻すには、予約フォームでクリックIDや予約IDを受け取り、当日の受付名簿や出願データと突き合わせる仕組みが必要です。Google広告ならオフラインコンバージョンのインポート、Meta広告ならコンバージョンAPIを使って、来場や出願の事実を後から送り返します。専門学校の場合、予約から出願までの期間が数か月に及ぶこともあるため、突き合わせの期限や送信のタイミングを最初に決めておくことが大切です。
個人情報の取り扱いには特に配慮が必要です。高校生の氏名や連絡先を広告媒体に送る場合は、プライバシーポリシーへの明記と、ハッシュ化などの媒体が定める方法での送信が前提になります。学校の個人情報保護の規程と照らし合わせ、送信する項目を必要最小限に絞ったうえで、運用担当と入試担当の役割分担を文書で残しておくと、担当交代時の事故を防げます。
オフラインCVの送信が軌道に乗ると、学科ごとに「予約から来場」「来場から出願」の通過率が月次で見えるようになります。来場率が低い学科は予約後のリマインドや当日の案内に課題があり、出願率が低い学科は体験内容や個別相談の進め方に課題があると切り分けられます。広告の改善と募集活動の改善を、同じ数字で議論できるようになることがこの仕組みの最大の価値です。
タグで取れない来場や出願をCRMや学校側のデータで補う考え方は、以下の記事で詳しく解説しています。
除外すべき流入は学校名比較・資格単体・求人目的の3系統です
専門学校の広告で早めに除外すべき流入は、学校名を並べて比べるだけの情報収集、資格単体の独学ニーズ、そして求人・転職目的の3系統です。いずれも予約や資料請求には一定数つながることがありますが、出願率が極端に低く、放置すると学科別の出願単価を押し上げます。
| 流入の系統 | 除外キーワード例 | 除外する理由 | 代わりの受け皿 |
|---|---|---|---|
| 学校名比較・評判 | ランキング、偏差値、やばい、口コミ | 比較サイト閲覧が目的で予約意欲が低い | 自然検索の比較記事、指名検索広告 |
| 資格単体・独学 | 独学、通信講座、テキスト、過去問 | 通学の意思がなく資格だけを求めている | 社会人向け短期講座がある場合のみ別導線 |
| 求人・転職 | 求人、募集、バイト、年収、派遣 | 働き口を探しており学校を探していない | 除外を徹底 |
| 教員・職員採用 | 教員募集、講師 求人、職員 採用 | 学校の採用情報を探す流入 | 採用ページへの自然検索 |
除外の判断は、学科によって変わる点に注意してください。たとえば医療事務学科で「通信講座」を一律に除外すると、通学か通信かで迷っている社会人まで取りこぼすことがあります。比較検討中の層は残し、通学の意思がない層だけを切るという線引きを、検索語句レポートを見ながら学科ごとに決めるのが現実的です。
未成年向け配信で使えない設定に注意
- Google:18歳未満と判明しているアカウントには広告のカスタマイズが無効(2022年8月15日施行)
- Meta:10代へのターゲティングは年齢と地域のみで、性別や興味関心は使えない(2023年2月から)
- 影響:高校生への配信は興味関心で絞れないため、広告文と地域設定で対象を明確にする
- 対応:保護者・社会人向けの配信と、高校生向けの配信を別キャンペーンで管理する
未成年向け配信で使えない設定
高校生は18歳未満の利用者が中心のため、媒体側の保護措置によって使えるターゲティングが限られます。Google広告ポリシーヘルプの「13歳以上の未成年者に対する広告配信の保護対策」では、18歳未満のユーザーのGoogleアカウントに対して広告のカスタマイズを無効にすることが示されています。Metaも2023年2月から、10代の利用者への広告は年齢と地域だけで配信する方針に変更しています。
そのため、高校生向けの配信では「美容に興味がある高校生」のように興味関心で絞り込む設計は成り立ちません。検索広告では学科名と地域名の組み合わせで意図を捉え、SNS広告では通学圏の地域と年齢で配信したうえで、クリエイティブの内容で対象を選別するのが基本です。どの層にも同じ広告が届く前提で、動画の冒頭数秒で学科と対象学年を明示することが、無駄なクリックを減らす近道になります。
繁忙期は高2の春から高3の秋までの3つの山で組みます
専門学校の広告の繁忙期は、高2の春から夏の情報収集期、高3の6〜8月のAO入試エントリー前、10月以降の出願締切前という3つの山で組むのが基本です。年間で一律に予算を配分すると、最も成果につながる時期に予算が足りず、反応の薄い時期に消化だけが進みます。
| 時期 | 主な対象 | 広告の役割 | 重点CV |
|---|---|---|---|
| 高2の3月〜高3の5月 | 高2〜高3の進路未確定層 | 学科の認知、SNSでの比較検討 | 資料請求、初回オープンキャンパス予約 |
| 高3の6月〜8月 | AO入試を検討する高3と保護者 | エントリー条件となるイベントへの誘導 | 来場、AOエントリー |
| 高3の9月〜翌3月 | 一般・推薦入試の高3、社会人 | 出願締切の告知、個別相談の獲得 | 個別相談予約、出願 |
| 通年(夜間・土日) | 社会人・既卒者 | 平日夜の説明会、学び直し制度の訴求 | 社会人説明会予約 |
AO入試エントリー前の6〜8月が最大の山
多くの専門学校では、AO入試(総合型選抜)のエントリー条件として、オープンキャンパスや説明会などの指定イベントへの参加を求めています。リクルートの進学情報サイト「スタディサプリ進路」の解説記事では、東京都の例としてAO入試のエントリー受付が6月1日以降、出願が9月1日以降に始まると紹介されています。日程は都道府県や学校によって異なるため、自校の募集要項に合わせて逆算してください。
この時期は、来場がそのままエントリーの前提条件になるため、予約単価が多少上がっても配信を強めるべき期間です。逆に、エントリー受付が始まった後に予約獲得の広告を続けても、AO入試の定員が埋まっていれば出願にはつながりません。エントリー受付の開始日と定員の充足状況に合わせて、広告の訴求をオープンキャンパスから個別相談へ切り替える判断を、入試担当と週次で共有しておくことが重要です。
10月以降は出願締切と社会人の検討が重なります
秋以降は高3の出願と社会人の検討が重なる時期です。一般入試や推薦入試で出願を考える高3と、翌年4月入学を検討し始める社会人の需要が重なります。高3向けには「出願締切」「最終の個別相談会」といった期限を示す訴求が効きやすく、社会人向けには「働きながら通える夜間部」「平日夜の説明会」のように生活との両立を示す訴求が効きます。
季節の山に合わせて予算を動かすときは、自動入札の学習が崩れないよう、予算の増減を段階的に行うことが大切です。短期間に大きく予算を動かすと学習期間に入り直し、最も重要な週に配信が不安定になることがあります。繁忙期の山と予算の動かし方を学科別に設計したい場合は、ハーマンドットの無料相談で現在のアカウントの状況から一緒に整理することもできます。
短期の繁忙期にSmart Biddingを崩さないための季節性調整の使い方は、以下の記事で詳しく解説しています。
学科別LPは予約フォームの手前で不安を一つずつ消します
学科別LPの役割は、予約フォームに入る前に、その学科の志望者が抱く不安を一つずつ消しておくことです。不安が残ったまま予約した人は当日来なかったり、来ても出願に踏み切れなかったりするため、LPの段階で迷いを解消しておくことが来場率と出願率の両方を押し上げます。
美容学科のLPで見せるべき情報
美容学科の志望者は、技術が本当に身につくのか、在校生がどんな作品を作っているのかを最も知りたがっています。LPの冒頭には在校生の作品や授業風景を置き、国家試験への対策やサロン就職の支援体制をその後に配置すると、SNS広告から来た人の期待とずれません。体験授業の内容は「ヘアアレンジ」「メイク」のように具体的に書き、何を体験できるかで予約を選べるようにしておきます。
保護者向けには、学費の総額と分納・奨学金の案内を別のブロックにまとめておくと、親子でLPを見たときに保護者が納得しやすくなります。学費を隠すとかえって比較の段階で外されるため、総額と内訳を明示する方が予約の質は上がります。
IT学科のLPで見せるべき情報
IT学科では、未経験から始めても授業についていけるかという不安が最大の壁です。1年目の時間割や最初に作る制作物の例を示し、入学時点でプログラミング経験がなくても問題ないことを具体的に伝えます。就職先は社名よりも職種の内訳で示した方が、高校生にも社会人にも将来像が伝わりやすくなります。
社会人向けのLPでは、プログラミングスクールとの違いを正面から説明することが欠かせません。学習期間、取得できる資格、就職支援の範囲、学費と給付制度の対象かどうかを並べて示すと、短期スクールとの価格比較だけで判断されるのを防げます。
医療事務学科のLPで見せるべき情報
医療事務学科では、資格は通信講座でも取れるのになぜ通学するのかという疑問に答える必要があります。病院実習の有無、医療機関への就職支援、複数の関連資格をまとめて目指せるカリキュラムなど、通学でしか得られない価値をLPの前半に置きます。合格率や就職率を載せる場合は、対象年度と算出方法を必ず併記し、誇大な表現にならないよう注意してください。
この学科は保護者の関心も高く、安定した就職先かどうかを重視する傾向があります。説明会は「保護者同伴可」と明記し、予約フォームで同伴者の人数を選べるようにしておくと、当日の受け入れ準備もしやすくなります。
学科別LPと予約フォームの点検項目
- ファーストビュー:広告文と同じ学科名・同じ体験内容が表示されているか
- 不安の解消:学科特有の不安(技術・未経験・資格の価値)に答えるブロックがあるか
- 学費:総額と内訳、奨学金や給付制度の案内が載っているか
- 予約フォーム:日程と体験内容を選べ、入力項目が必要最小限か
- 計測:予約IDとクリックIDを受け取り、来場・出願と突き合わせられるか
3つの学科に共通して言えるのは、LPのファーストビューと広告文の約束をそろえることの重要性です。広告で「メイク体験」と書いたのにLPの冒頭が学校全体の紹介になっていると、志望者はその場で離脱します。広告文で示した学科名と体験内容を、LPの最初の画面にそのまま表示することが、予約率を落とさないための最低条件です。
予約フォームも学科ごとに見直す余地があります。入力項目が多すぎると高校生はスマートフォンで途中離脱しやすく、反対に項目が少なすぎると来場後の個別対応に必要な情報が不足します。学年・希望学科・同伴者の有無の3点程度を必須にし、それ以外は当日の受付で確認する形にすると、予約率と来場後の対応品質を両立しやすくなります。
予算配分は学科ごとの出願単価から逆算します
専門学校の広告予算は、学科ごとの募集目標と出願単価から逆算して配分するのが合理的です。学校全体の予算を学科数で均等に割ったり、前年の予約数に比例させたりすると、出願率の違いが反映されず、募集の厳しい学科ほど不利になります。
以下は、ある学科で広告経由の出願を30件確保したい場合の試算例です。数値はあくまで計算の流れを示すための仮定であり、実際の通過率は学校や学科、地域によって大きく異なります。自校の過去データで置き換えて使ってください。
| 項目 | 試算例の仮定 | 計算 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 広告経由の出願目標 | 30件 | ― | 30件 |
| 来場から出願への通過率 | 30%と仮定 | 30件÷30% | 必要な来場100件 |
| 予約から来場への通過率 | 60%と仮定 | 100件÷60% | 必要な予約約167件 |
| 予約単価 | 8,000円と仮定 | 167件×8,000円 | 広告費約134万円 |
| 出願単価 | ― | 約134万円÷30件 | 約4.5万円 |
試算例の読み方
この試算例で注目したいのは、予約単価を下げるよりも、来場率や出願率を改善した方が出願単価への効き目が大きい点です。仮に来場から出願への通過率が30%から40%に上がると、必要な来場は75件、予約は約125件になり、同じ予約単価でも広告費は約100万円まで下がります。予約単価を2割下げて6,400円にした場合の広告費は約107万円なので、この仮定のもとでは出願率を10ポイント上げる改善のほうがわずかに効果が大きいことになります。
学科ごとにこの逆算を行うと、どの学科に予算を厚くすべきか、どの学科はLPや来場後のフォローの改善を先にすべきかが見えてきます。予約単価が高くても出願率の高い学科は配信を強める価値があり、予約単価が安くても出願率の低い学科は、まず導線の見直しを優先する判断になります。
学科間の配分を決めるときは、出願単価だけでなく学科ごとの残り定員も合わせて見ます。出願単価が高めでも定員充足が遠い学科は、募集期間の終盤に配信を絞ると目標に届かなくなるため、月ごとに残り定員と出願単価の両方を確認して配分を見直す運用が現実的です。逆に、早い時期に定員の見通しが立った学科は予算を減らし、その分をほかの学科へ回すことで、学校全体の募集効率を高められます。
学科別の出願単価を整理したうえで配分を見直したい場合は、ハーマンドットへのご相談で、アカウントの現状から予算の組み直し案を作成することも可能です。
広告運用を外部に任せる場合の費用の考え方と手数料の相場は、以下の記事で詳しく解説しています。
運用を外部に任せるときは出願データの扱いを最初に決めます
専門学校が広告運用を外部に任せる場合、最初に決めるべきは媒体や手数料ではなく、出願データを誰がどの単位で受け渡すかです。予約までしか見ない運用者に任せると、どれだけ管理画面の数字が改善しても、出願が伸びたかどうかを判断できません。
委託先を選ぶ際は、学科別の出願単価で報告できるか、来場や出願のオフラインCVを実装した経験があるか、未成年向けの配信制限を踏まえた設計ができるかを確認しておくと安心です。月次の報告で予約単価しか出てこない運用は、出願率の改善につながりにくいため、報告項目は契約前に取り決めておくことをおすすめします。
学校側にも準備が必要です。入試担当が持つ出願データを、予約IDと紐づけて定期的に共有できる体制がなければ、どれほど優れた運用者でも学科別の評価はできません。広報と入試の担当が分かれている学校では、両者が同席する月次の振り返りの場を設けることが、学科別導線を機能させる最も確実な方法です。
契約形態の面では、繁忙期に合わせて予算が大きく増減する専門学校の特性を踏まえ、手数料の計算方法や最低契約期間を確認しておくことも欠かせません。広告費に連動する手数料体系であれば、6〜8月の山で手数料も増えるため、年間の総額で比較することが大切です。初期設定の段階でオフラインCVの実装まで含めるのか、別料金になるのかも、見積もりの時点で確かめておきましょう。
まとめ 学科別導線で予約から出願までを一本につなぐ
専門学校の広告は、オープンキャンパス予約の件数を増やすだけでは募集目標に届きません。学科と入学者層で需要を分け、4段のCVで通過率を追い、繁忙期と出願単価に合わせて予算を動かすことで、予約から出願までを一本の導線として改善できるようになります。
- 成果は学科別の出願単価で見る。予約単価が安い学科に予算が偏る逆転を防ぎ、募集の厳しい学科にも配信を確保します。
- CVは予約・来場・エントリー・出願の4段で置く。主CVは1つに絞り、来場以降はオフラインCVとして広告へ戻します。
- 繁忙期は3つの山で予算を動かす。AO入試エントリー前の6〜8月を最大の山とし、エントリー開始後は個別相談の訴求へ切り替えます。
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ハーマンドットでは、専門学校をはじめとする教育分野の広告アカウントについて、学科別の導線や主CVの置き方、除外キーワードの設計を無料で診断しています。オープンキャンパスの予約は取れているのに出願が伸びない、学科ごとの成果が見えないといったお悩みがあれば、現在の配信データをもとに改善の優先順位を整理します。
予約・来場・出願をどう広告に戻すか、どの学科に予算を厚くすべきかといった判断も、学校ごとの募集目標と入試日程に合わせて具体的にご提案します。広報と入試の担当者が同席する形でのご相談も歓迎しています。
初回相談は完全無料・所要時間30分・オンライン対応可能です。




