Googleマップ提携店舗表示の運用ガイド|アフィリエイト住所とプロモーションピン活用

マップ提携店舗表示の運用術

自社商品を家電量販店やドラッグストア、正規ディーラーで販売しているメーカーにとって、「どこで買えるのか」を広告の中で示せるかどうかは、オンライン広告の成果を店頭売上につなげるうえで大きな分かれ目になります。Google広告のアフィリエイト住所表示(現在の名称はアフィリエイト住所アセット)は、自社が所有していない提携店舗の住所を広告に添えられる仕組みで、Googleマップ上に提携店舗を表示する用途でも使われています。

2026年9月24日にGoogleが公式ブログで発表した「September Demand Gen Drop」では、小売網やディーラーがGoogleマップ上にプロモーションピンを表示し、閲覧・検索・ナビゲーション中のユーザーへ地域の需要を取りにいけるようになったことが示されました。これにより、提携店舗の住所表示は「検索広告の補助情報」から「マップ上で販売網そのものを見せる手段」へと役割が広がりつつあります。

本記事は2026年10月2日時点の公開情報をもとに執筆しています。自社店舗への来店導線ではなく、提携先・販売網をマップ上でどう見せるかという流通連携の観点に絞り、設定の前提、販売網との合意事項、配信設計、効果測定までを運用担当者向けに整理します。

この記事の要点

  • アフィリエイト住所アセットは、自社が所有しない小売チェーンやディーラーの店舗を広告に表示する仕組みです
  • 2026年9月24日の発表で、小売網・ディーラーがGoogleマップのプロモーションピンで地域需要を狙えることが示されました
  • 設定はチェーン(一般小売業者・自動車ディーラー)の選択が基本で、マップ地点の個別追加は一度に10件までです
  • 成果を左右するのは設定よりも、取扱店舗リストの鮮度や店頭の受け入れ体制など販売網との合意です
  • 評価は来店コンバージョンだけに頼らず、ルート検索や指名検索など複数指標で行うのが現実的です

Googleマップ提携店舗表示とアフィリエイト住所の基本

Googleマップの提携店舗表示は、Google広告のアフィリエイト住所アセットを使って、自社商品を取り扱う第三者の店舗を広告やマップ上に示す機能です。Google広告ヘルプの「住所アセットについて」では、アフィリエイト住所は広告主が所有していない店舗で商品やサービスを販売している場合、つまりメーカーや集約型の事業者向けの使い方として説明されています。

アフィリエイト住所アセットとは、Googleが保有するチェーン店舗のデータベースから提携先を選び、その店舗の住所や地図情報を広告に紐づける仕組みです。自社でGoogleビジネスプロフィールを持っていなくても、販売店の情報をそのまま広告に活用できる点が最大の特徴です。

表示面について、ヘルプでは住所アセット全般が検索ネットワーク、ディスプレイネットワーク、YouTube、Googleマップに表示されると説明されています。ただし、ディスプレイ面での住所表示はローカルキャンペーンまたは店舗目標のP-MAXに限られると注記されており、どのキャンペーンタイプで提携店舗を見せるかによって表示される場所が変わる点に注意が必要です。

自社店舗の住所表示との違い

自社店舗の住所表示は、Googleビジネスプロフィールと広告アカウントを連携し、自分が管理する店舗の情報を出す仕組みです。一方でアフィリエイト住所は、他社が運営する店舗の情報を、Google側のチェーンデータを通じて参照します。店舗情報の正確さを自社で直接コントロールできない点が、運用上の最も大きな違いになります。

この違いは、施策の目的にも表れます。自社店舗の住所表示は来店予約や電話を増やすための導線づくりが中心ですが、アフィリエイト住所は「どの販売店でも買える」ことを伝えて購入の迷いを減らす、流通全体の売上を底上げする施策です。社内で評価する際も、自社店舗の来店数ではなく、販売網全体の動きを見る必要があります。

比較項目住所アセット(自社店舗)アフィリエイト住所アセット(提携店舗)
対象自社が所有・運営する店舗自社商品を扱う小売チェーン・ディーラー
情報の出どころGoogleビジネスプロフィールGoogleのチェーンデータ、マップ地点
店舗情報の管理者自社販売店側(自社は直接編集できない)
主な目的来店予約・電話・ルート案内取扱店の認知と購入場所の提示
評価の視点自社店舗の来店・問い合わせ販売網全体の店頭売上・指名需要
住所アセットとアフィリエイト住所アセットの違い(2026年10月時点のGoogle広告ヘルプをもとに作成)

9月のDemand Gen Dropで加わったプロモーションピン

Googleは2026年9月24日、Google公式ブログ「September Demand Gen Drop」で、Googleマップでのアフィリエイト住所表示を発表しました。発表では、小売網やディーラーがGoogleマップのプロモーションピンを使い、ユーザーが地図を眺めたり検索したり移動したりしている場面で地域の需要を捉えられると説明されています。

プロモーションピンは、地図上に四角いピンとして表示される広告フォーマットです。Google広告ヘルプの「Googleマップで広告を掲載する方法」では、閲覧・検索・ルート案内・ナビゲーション中に表示されると説明されており、来店の直前に近い場面で接触できる点が特徴です。ただし2026年10月時点では、Demand GenのMaps配信について「提携店舗ではない住所アセットが有効な場合のみ配信される」とする記載がヘルプに残っています。発表内容とヘルプの記載に時間差があるため、実際の利用可否は自社アカウントの管理画面で確認してから計画を立てることをおすすめします。

また、日本国内での提供時期や対象業種の範囲について、公式発表の中で国別の明記は確認できていません。国内展開を前提に予算を確定させるのではなく、管理画面での選択肢の有無を確認したうえで段階的に進めるのが安全です。

自社店舗の住所アセットやビジネスプロフィール連携の基本については、以下の記事で詳しく解説しています。

提携店舗表示が向く業種と流通構造

提携店舗表示が最も効果を発揮するのは、自社では店舗を持たず、複数の小売チェーンや正規販売店を通じて商品を届けているブランドです。Google広告ヘルプでは、アフィリエイト住所の対象として一般小売業者と自動車ディーラー、さらに国ごとのグローバル店舗グループ(フランスの薬局など)が挙げられています。

反対に、ECでの直販が中心のブランドや、取扱店が限られた専門店だけのブランドでは、マップ上に表示できる店舗がそもそも少なくなります。表示できる店舗数が少ないとプロモーションピンの露出機会も限られるため、事前に「どれだけの店舗をマップに載せられるか」を見積もることが判断の出発点です。

メーカーと小売チェーンの組み合わせ

日用品、化粧品、食品、家電などのメーカーが、ドラッグストアや量販店、スーパーなどのチェーンを通じて販売しているケースは、提携店舗表示の典型的な活用場面です。新商品の発売時に「近くのこのチェーンで買える」と示せれば、広告を見た人が購入場所を調べる手間を省けます。

ただし、チェーン単位で選ぶと、そのチェーンの全店舗が対象になる点に注意が必要です。実際には一部店舗にしか商品が並んでいない場合、広告を見て来店したお客様が商品を見つけられず、ブランドへの不信感につながります。取扱率が5割を下回るようなチェーンは、チェーン単位での一括表示を慎重に判断するのが無難です。取扱率が低いチェーンは、後述するマップ地点の個別追加や、配信地域の絞り込みで対応するのが現実的です。

自動車メーカーと正規ディーラー網

自動車は購入前に試乗や見積もりのために販売店へ足を運ぶ人が多く、ディーラーの所在地を示す価値が高い商材です。Google広告の設定画面でも、アフィリエイト住所のチェーン区分として「自動車」と「一般小売業者」が分かれており、ディーラー網での活用が想定されています。

ディーラーは資本系列や販売会社ごとに運営主体が分かれていることが多く、メーカー広告で全ディーラーをまとめて表示するのか、特定の販売会社だけを表示するのかで、社内外の調整範囲が大きく変わります。販売会社ごとに独自の広告も出している場合は、同じ地域で広告が重なることを前提に役割分担を決めておくと混乱を防げます。

向かないケースと代わりの打ち手

取扱店舗が数店舗しかないブランドや、地域によって取扱の有無が大きく異なるブランドは、提携店舗表示の効果が出にくい傾向があります。表示できる店舗が少ないと、マップを使っているユーザーの近くに店舗がない状況が多くなり、露出の大半が来店につながらない層への表示になってしまうためです。

このような場合は、ブランドサイト内に取扱店舗検索ページを用意し、広告からそのページへ誘導する方法のほうが確実です。また、小売店側が自社でローカル在庫広告を出している場合は、メーカーとして小売店の広告費を一部支援する共同広告の形をとるほうが、店頭の在庫状況と広告の内容を一致させやすいケースもあります。

導入前に確認したい適性チェック

  • 販売形態:自社店舗を持たず、第三者の店舗が主な販売チャネルになっているか
  • 店舗数:マップに表示できる取扱店が地域ごとに十分あるか
  • 取扱率:選ぶチェーンのうち、実際に商品を置いている店舗の割合を把握しているか
  • 購買行動:購入前に店頭で実物を見る、試す、相談するニーズがある商材か

ディーラー向けの在庫連動型広告であるVehicle Adsについては、以下の記事で詳しく解説しています。

アフィリエイト住所アセットの設定と事前準備

アフィリエイト住所アセットの設定は、管理画面で「アフィリエイト店舗」を選び、対象の国とチェーンを指定するだけで完了します。手順自体はシンプルですが、どのチェーンを選び、どのキャンペーンに紐づけるかを先に決めておかないと、意図しない店舗が表示される原因になります。

Google広告ヘルプの「住所アセットの設定方法」によると、設定は「アセット」タブまたはツール内の「共有ライブラリ」にある住所マネージャーから行います。住所ソースとしては、チェーンを選ぶ方法と、Googleマップの地点を個別に検索して追加する方法の2つが用意されています。

チェーンの選択と国の指定

チェーンを使う場合は、「自動車」か「一般小売業者」の区分を選び、チェーンが存在する国を指定したうえで対象チェーンを選択して保存します。ヘルプでは、チェーンの店舗情報は店舗の開店・移転・閉店に合わせて自動で更新されると説明されており、店舗リストを自社で保守する負担がない点が利点です。

一方で、設定後に店舗が同期されて表示されるまでには時間がかかります。ヘルプでは同期まで24〜28時間かかる場合があるとされているため、新商品の発売日やキャンペーン開始日に合わせるなら、少なくとも2営業日前には設定を終えておくのが安全です。

マップ地点の個別追加は一度に10件まで

チェーンのデータベースに含まれない独立系の販売店や、チェーンの中でも一部店舗だけを対象にしたい場合は、Googleマップの地点を検索して個別に追加する方法を使います。ヘルプでは、この方法で一度に同期できるのは10地点までと明記されています。

10件という上限は、全国に数百店舗ある販売網をすべて手作業で登録する用途には向きません。旗艦店や体験型店舗など、特に送客したい少数の拠点を補完的に追加する使い方が適しています。大規模な販売網は、チェーン選択を基本に据え、対象外にしたい地域はキャンペーン側の地域設定で調整するのが運用負荷の少ない組み立てです。

キャンペーンと広告グループ単位の絞り込み

住所アセットは、アカウント全体だけでなく、キャンペーンや広告グループの単位で住所グループを使って表示する店舗を絞り込めます。ヘルプでは「住所アセットなし」を選んで特定のキャンペーンや広告グループを除外する方法も案内されています。

たとえば、ドラッグストア限定の商品と量販店限定の商品がある場合は、商品ごとにキャンペーンを分け、それぞれ取扱チェーンだけを紐づけます。こうしておけば、ある商品の広告に取扱のない店舗が表示されるミスを防げます。

作業内容確認ポイント
住所ソースの追加住所マネージャーで「アフィリエイト店舗」を選択自社店舗の住所ソースと混在させない
チェーンの指定「自動車」または「一般小売業者」から国とチェーンを選ぶ取扱率の低いチェーンを含めていないか
個別地点の追加Googleマップの地点を検索して追加一度に同期できるのは10地点まで
表示範囲の絞り込み住所グループでキャンペーン・広告グループ単位に設定商品ごとの取扱チェーンと一致しているか
同期の確認店舗が表示対象として反映されたかを確認反映まで24〜28時間かかる場合がある
アフィリエイト住所アセットの設定手順(2026年10月時点のGoogle広告ヘルプをもとに作成)

設定前に社内で決めておくこと

  • 対象商品:どの商品の広告に提携店舗を表示するか
  • 対象チェーン:商品ごとに紐づけるチェーンと国
  • 補完地点:個別に追加したい旗艦店や体験店(10地点単位)
  • 除外範囲:提携店舗を表示しないキャンペーン

販売網と合意しておく運用ルール

提携店舗表示の成果は、管理画面の設定よりも、販売網との事前合意の質で決まります。広告に表示される店舗は自社の店舗ではないため、店頭で起きることを自社だけでは管理できません。広告を始める前に、販売店や取引先の本部と最低限のルールを共有しておく必要があります。

特に重要なのは、取扱店舗の情報、店頭での価格や在庫の扱い、来店したお客様への対応の3点です。この3点がそろっていないと、広告が来店を生んでも購入に結びつかず、販売店側からの不満も招きます。

取扱店舗リストの鮮度を保つ仕組み

チェーンの店舗情報自体はGoogle側で更新されますが、そのチェーンのどの店舗に自社商品が並んでいるかは、Googleでは把握できません。営業部門が持つ取扱店舗リストを四半期ごとなど一定の周期で見直し、取扱率が下がったチェーンや地域がないかを広告運用側と共有する仕組みを作っておくことが大切です。営業部門と広告運用部門が別々に動いていると、取扱終了の情報が広告に反映されるまで数か月かかることも珍しくありません。

取扱率が下がった地域では、配信地域から外すか入札を弱めるなどの対応を取ります。広告担当者が流通の変化を知らないまま配信を続けると、取扱のない店舗へお客様を案内し続けることになり、広告費が無駄になるだけでなく販売店との関係も悪化します。

価格・在庫・キャンペーン表記の整合

広告の訴求内容と店頭の状態がずれることも、よくある失敗です。広告で発売記念の特典をうたっていても、店舗によっては特典を実施していない、あるいは価格が異なるということが起こります。小売店の販売価格はそれぞれの店舗が決めるため、メーカーの広告で特定の価格を断定的に示すことは避けるのが無難です。

訴求は「近くの◯◯で取扱中」「店頭で実物を試せる」など、店舗ごとの差が出にくい内容を中心に組み立てます。特典やキャンペーンを打ち出す場合は、対象店舗を明示し、その店舗だけに表示を絞る設計にしておくと、店頭でのトラブルを防げます。

店舗側の受け入れ体制の確認

広告によって来店が増えても、店員が商品の特徴を説明できなければ購入にはつながりません。広告の開始時期を販売店に事前に伝え、売り場での陳列や販促物の配置、店員向けの商品説明資料などを合わせて準備してもらうと、広告の効果を店頭で取りこぼしにくくなります。

ディーラーの場合は、試乗車や展示車の有無、予約なしで来店した場合の対応方針などを事前にすり合わせます。広告で来店を促す以上、店頭での体験までを1つの導線として設計するという考え方が欠かせません。

販売網に共有する資料の作り方

販売店や取引先の本部に広告の実施を伝える際は、配信期間、配信地域、表示される店舗の範囲、訴求内容の4点を1枚の資料にまとめておくと話が早く進みます。販売店側にとっては、自店舗がメーカーの広告に表示されること自体が知らされていないと戸惑う原因になるため、事前の説明は欠かせません。

あわせて、配信後に共有してほしい販売データの粒度や頻度も同じ資料で依頼しておきます。広告の結果を販売店にもフィードバックすることで、売り場づくりへの協力を得やすくなり、次回以降の施策でも連携が深まります。

店舗在庫を広告に表示して店頭受取につなげる方法については、以下の記事で詳しく解説しています。

プロモーションピン運用のクリエイティブと配信設計

プロモーションピンの運用では、地図を見ている人に「この店でこの商品が買える」と一瞬で伝わる設計が最優先です。マップを使っているユーザーは移動や店舗探しの途中にいることが多く、長い説明文やブランドイメージだけの訴求は読まれにくい傾向があります。

9月の発表でプロモーションピンがDemand Genの文脈で示されたことは、ブランドの認知施策と店頭への送客を同じ運用の中で組み立てやすくなったことを意味します。YouTubeやDiscoverで商品を知ってもらい、マップで購入場所を示すという流れを、1つの運用計画として設計するのが基本の考え方です。

マップ面で伝わる訴求の作り方

マップ上の広告では、商品名と「近くで買える」という事実を最初に伝えるのが効果的です。新商品であれば発売中であること、季節商品であれば今の時期に必要な理由を短く添えます。画像は商品そのものが判別できるカットを優先し、背景の情報量を抑えると小さな表示でも識別しやすくなります。パッケージが店頭で目印になる商品は、売り場で見かける姿のままの画像を使うと、来店後に商品を探す手間も減らせます。

ブランド全体の世界観を伝える動画やビジュアルは、YouTubeなど他の面に任せ、マップでは購入行動の最後のひと押しに役割を絞ります。面ごとに役割を分けておくと、どの面のクリエイティブを改善すべきかも判断しやすくなります。

商圏と予算配分の考え方

配信地域は、取扱店舗の密度に合わせて設計します。都市部のように取扱店が密集している地域では、ユーザーの近くに店舗がある確率が高く、マップでの露出が来店につながりやすくなります。反対に、取扱店がまばらな地域では、近くに店舗がないユーザーにも広告が表示されやすく、費用対効果が下がりがちです。

実務では、まず取扱店舗の多い都市圏から配信を始め、来店に関する指標が確認できた地域から予算を広げる段階的な進め方が安全です。最初の4〜8週間はテスト期間と位置づけ、地域別の反応を比較してから本格的な予算を決めると、社内での説明もしやすくなります。

他キャンペーンとの役割分担

提携店舗表示は単独で完結する施策ではなく、検索広告やP-MAX、YouTube広告など既存のキャンペーンと組み合わせて効果を発揮します。検索広告では商品名で検索した人に取扱店を示し、YouTubeやDiscoverでは商品の魅力を伝え、マップでは近くの購入場所を示すという形で、面ごとの役割を明確にしておくと重複配信による無駄を抑えられます。

同じ地域で小売店自身も広告を出している場合は、メーカーの広告と小売店の広告が同じユーザーに重ねて表示される可能性があります。オークションで競合しないよう、メーカーはブランド訴求と取扱店の提示、小売店は在庫や価格の訴求といった具合に、事前に役割を分けておくのが望ましい形です。

販売網の構造に合わせた配信設計や予算配分に迷う場合は、株式会社ハーマンドットの無料相談で、現在のアカウント構成をもとに進め方を整理することもできます。

提携店舗表示の成果の測り方と評価軸

提携店舗表示の評価は、来店コンバージョンだけに頼らず、ルート検索や指名検索など複数の指標を組み合わせて行うのが現実的です。自社が所有していない店舗での購入は、広告管理画面からも自社のPOSデータからも直接は見えないため、1つの指標で効果を判断すると誤った結論につながります。

評価軸は、広告管理画面で取得できる指標、自社で取得できる指標、販売網から提供してもらう指標の3層に分けて整理するとわかりやすくなります。どの層の数値を最終的な判断に使うかを、配信前に関係者で合意しておくことが重要です。

来店コンバージョンの前提を理解する

Google広告ヘルプでは、アフィリエイト住所アセットを適切に設定し、アカウントが一定の条件を満たしている場合に、来店コンバージョンが自動的に計測されると説明されています。ただし、条件を満たすには十分な来店データ量が必要であり、すべてのアカウントで利用できるわけではありません。来店コンバージョンが計測できないことを前提に、代わりの評価指標を最初から用意しておくと、配信開始後に評価が止まる事態を避けられます。

来店コンバージョンは、位置情報をもとにした推計値です。実際の購入数ではないため、店頭売上との関係は別途確認する必要があります。来店数が増えていても購入率が低い場合は、店頭の在庫や陳列に課題がある可能性を疑います。

ルート検索や指名検索など間接指標の活用

来店コンバージョンが使えない場合でも、広告経由の経路案内の操作や、ブランド名・商品名の指名検索数の推移は確認できます。配信地域と非配信地域で指名検索の伸びを比較すれば、広告の影響を大まかに推し量れます。

さらに精度を上げたい場合は、販売網から地域別・店舗別の販売データを提供してもらい、配信期間と比較期間の差を見る方法があります。販売データの共有は広告開始前に依頼しておかないと、後から比較用の期間を確保できないため、契約や商談の段階で相談しておくのが理想です。

指標の層代表的な指標注意点
広告管理画面表示回数、クリック、経路案内の操作、来店コンバージョン来店コンバージョンは推計値で、利用条件がある
自社データ指名検索数、ブランドサイトの店舗検索ページ閲覧広告以外の施策の影響も含まれる
販売網データ地域別・店舗別の販売数、取扱店の売上推移開始前に共有の合意と比較期間の確保が必要
提携店舗表示の評価に使う指標の整理(2026年10月時点)

評価の頻度は、店頭売上の動きが反映されるまでの時間を考慮して決めます。広告管理画面の指標は週単位で確認し、販売データとの照合は月単位で行うといったように、指標の層ごとに確認の周期を変えると、短期的な数値の揺れに振り回されずに判断できます。

Demand Genでクリック以外の貢献をどう評価するかについては、以下の記事で詳しく解説しています。

提携店舗表示で起きやすいつまずきと注意点

提携店舗表示で最も多いつまずきは、取扱のない店舗が広告に表示されることと、自社店舗用の住所設定と混在して意図しない表示になることの2つです。どちらも設定画面上ではエラーにならないため、配信後に気づくケースが少なくありません。

また、新しく発表された機能は、公式ブログでの発表と、ヘルプの記載や管理画面への反映に時間差があることがよくあります。今回のGoogleマップでのアフィリエイト住所表示についても、2026年10月時点でヘルプ側に従来の条件が残っているため、発表内容だけを根拠に配信計画を確定させないことが重要です。

運用中は、検索広告やP-MAXなど他のキャンペーンでも同じ住所アセットが使われていないかを定期的に確認します。アカウント単位で設定した住所ソースは、絞り込みをしない限り複数のキャンペーンに影響します。提携店舗を表示したくないキャンペーンには「住所アセットなし」を明示的に設定しておくと安心です。

配信前に必ず確認したい注意点

  • 取扱率:チェーン単位で選ぶと、商品を置いていない店舗も表示対象になる
  • 住所ソースの混在:自社店舗とアフィリエイト店舗の設定が同じキャンペーンで重ならないか
  • 公式情報の時差:発表内容とヘルプ・管理画面の記載が一致しているか
  • 価格表記:店舗ごとに異なる価格や特典を断定的に広告していないか

こうした確認項目を社内だけで運用し続けるのが難しい場合は、広告運用の専門家への相談も選択肢の1つです。販売網の構造と広告アカウントの両方を見ながら、表示範囲と評価方法を一緒に整理できます。

まとめ 提携店舗表示を流通連携の武器にする

Googleマップの提携店舗表示は、自社店舗を持たないメーカーやブランドが、販売網そのものを広告の資産として活用するための手段です。2026年9月の発表でプロモーションピンへの活用が示されたことで、その役割はさらに大きくなりつつあります。

  • 流通連携として設計する。アフィリエイト住所アセットは自社店舗の来店施策ではなく、提携店舗を含む販売網全体の売上を底上げする施策として位置づけます。
  • 設定より販売網との合意が成果を決める。取扱率、価格や特典の表記、店頭の受け入れ体制を事前にすり合わせることで、来店を購入につなげられます。
  • 評価は複数の指標を組み合わせる。来店コンバージョン、経路案内、指名検索、販売網の販売データを組み合わせ、段階的に予算を広げます。

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