【2026年版】Google→Microsoftキャンペーン複製ガイド|初回インポートで崩れやすい設定差分と立ち上げ手順

Google広告のキャンペーンをMicrosoft広告(Bing広告)に複製したいが、「インポートしただけで配信を始めて大丈夫か」「何が引き継がれて、何が引き継がれないのか」「UETタグ・CV計測はどう作り直すのか」など、判断ポイントが多すぎて踏み出せない。これがGoogle→Microsoftの初回移行で一番多い相談です。
この記事は、Google広告のキャンペーンをMicrosoft広告に複製するための実務手順書です。Microsoft Learnで明示されている仕様、Google側の制約、現場で起きやすい事故、そして移行後に再設計すべき項目を、ハーマンドットのBtoB広告運用代行の現場ノウハウで補強しています。
読み終わったときには、「Google Adsからインポート→2週間以内に整える設定」「3か月以内に作り直す要素」「代理店に頼むべき領域」が判断軸つきで整理できる状態になります。Microsoft広告は日本市場でも露出が伸びており、Googleと組み合わせた配信が必須化しつつあります。経営者層・意思決定者層が利用するEdgeブラウザの存在感が増す中で、Microsoft広告を後回しにする判断は、機会損失と分散戦略の観点で、Microsoft後回しのリスクは確実に高まっています。
目次
Google→Microsoftインポートの全体像
Microsoft Advertisingでは、Google Adsのキャンペーンを資格情報ID(Google Ads Customer ID)経由でインポートできます。インポートはワンタイム実行のほか、毎日・毎週などの定期同期も設定可能で、Google Adsで行った変更がMicrosoft側に追従されます。これにより、Google Adsを「正」として扱い、Microsoftを「複製先」として運用するパターンが組めます。
インポート機能には、Google MCC(マネージャーアカウント)配下のサブアカウント単位での取り込み、Microsoft Advertising Editorのデスクトップアプリ経由での差分取り込み、API経由での自動化、という3つのアクセス手段が用意されています。中規模以上の運用では、API経由で社内のBIツールと連携しながらインポートを管理する設計が定着し始めています。代理店契約がある場合は、誰がAPIキー・アクセス権を保有するかも契約段階で取り決めておくと、後々の移管事故が減らせます。
ただし、「インポート完了=配信準備完了」ではありません。GoogleとMicrosoftで仕様が異なる項目(CV計測、オーディエンス、入札戦略、拡張機能、配信面の特徴)は、インポート後に手動で再設計する必要があります。インポートは「設定の輸入」であり、「成果の保証」ではない、という前提を共有しないまま運用すると、Microsoft側のCPAだけが悪化する事故が起きます。
そのまま引き継がれる項目
Microsoft Learnの公式ドキュメントによれば、インポートでそのまま反映される代表的な要素は、キャンペーン構造(キャンペーン・広告グループ・キーワード)、広告クリエイティブ(テキスト広告・レスポンシブ検索広告)、入札単価、予算、配信スケジュール、地域・言語ターゲティングです。最低限の構造は手間なくMicrosoft側に立ち上がります。
Microsoft広告側では、Googleが提供していない独自機能(LinkedIn Profile Targeting・Microsoft Audience Network・Bing独自のRSAバリエーションなど)も存在します。インポートでこれらは自動付与されません。これらは「Google複製+Microsoft独自オプション」という二段構えで配信設計するのが基本です。
引き継がれない/再設計が必要な項目
引き継がれない代表項目は、CV計測(UETタグの設置とゴール設定が必要)、リマーケティングリスト(UET経由で別途構築)、拡張コンバージョン相当のEnhanced Conversion for Leads、ストアビジット計測、顧客マッチに相当するCustomer Match、入札戦略のうちGoogle独自仕様、Performance Maxに該当するPerformance Maxキャンペーン(Microsoft側にも同名がありますが仕様差が大きい)です。これらは「インポート後に必ず再設計する」項目として、移行プロジェクトのスコープに最初から含めます。
特にUETタグ(Universal Event Tracking)はGoogleのGoogle Tagに相当する計測タグですが、設置や同意モード、サーバーサイドGTM対応はMicrosoftの別仕様で動きます。Googleで動いている計測がそのままMicrosoftで動くことはなく、ここを軽視するとCV計測がゼロのまま予算だけ消化される最悪の立ち上げになります。
| カテゴリ | インポートで反映 | 移行後に必要な追加作業 |
|---|---|---|
| キャンペーン構造 | ○ そのまま反映 | Microsoft独自のサブ機能を上書き |
| 広告クリエイティブ | ○ テキスト広告・RSA | RSA強度の再チューニング |
| キーワード・マッチタイプ | ○ そのまま反映 | 除外キーワードの上書き再設計 |
| CV計測(UET) | × 別途設置必須 | UETタグ設置・ゴール定義・同意設定 |
| オーディエンス | × 再構築 | UET経由で再構築・Customer Match再登録 |
| 入札戦略 | △ 一部のみ | Microsoft仕様の入札戦略に再選択 |
| 拡張機能 | △ 一部のみ | サイトリンク・コールアウトを再点検 |
インポート前にGoogle側で整えるべきこと
Microsoftにインポートする前に、Google Ads側を整理しておくと、インポート後の事故が大幅に減ります。逆に、Google側の構造が複雑なままインポートすると、Microsoft側でも同じ複雑性が再現され、改善時のレバーが効きにくくなります。インポートは「Google側の構造を見直す絶好の機会」と捉えるのが現場の常識です。
準備の優先順位は、キャンペーン構造の整理(不要キャンペーンの停止)、除外キーワードの統合、コンバージョン定義の主要/副次の整理、地域ターゲティングのレビュー、レスポンシブ検索広告の見出し・説明文の重複削除、です。これらをGoogle側で先に整えてからインポートすると、Microsoft側でも軽量に立ち上がります。
キャンペーン構造の前処理
Google側で「使われていないキャンペーン」「過去テストの残骸」「学習中のまま放置されているキャンペーン」が混ざっていると、それも全部Microsoft側にインポートされます。インポート前に必ず「過去90日で配信実績ゼロ」「過去30日でCV0件かつ表示数500未満」のキャンペーンを停止または削除候補にします。
BtoBで月間CV数が少ない場合、Google側ではCVシグナルがまとまっているキャンペーンを優先してインポートし、シグナルが薄いキャンペーンはMicrosoft側でいったん作らない判断もあります。Microsoftの自動入札もCVシグナル量に依存するため、Google側で結果が出ていないキャンペーンをそのまま持ち込んでも、Microsoft側でさらに学習が回らない事態になります。
除外キーワード・配信先除外の整理
Google側の除外キーワードはインポートで持ち込まれますが、Microsoftの検索ネットワークには、Google検索とは異なる検索行動傾向があります。BingやYahoo!(米国)、Microsoft Edge検索バー、Outlook、LinkedIn検索など、Microsoft独自の流入経路が含まれます。Googleの除外キーワードだけでは取りこぼし・誤配信が発生するため、Microsoft特有の検索クエリパターンに対応した除外を後追いで追加します。
例えば、Microsoft AudienceネットワークではMSN・LinkedIn等の配信面が含まれ、Google Display Networkとは性質が異なります。インポート直後の数日は検索語句レポート(Search Term Report)を毎日確認し、Microsoft特有のクエリで除外が必要なものを順次追加していく運用が必要です。
UETタグとCV計測の再設計
Microsoft広告の計測はUET(Universal Event Tracking)タグで行います。GoogleのGoogle Tagに相当するもので、Webサイト全ページに1つのスクリプトを設置し、ゴール(CV)を別途定義する仕組みです。Google AdsからUETタグの内容はインポートされないため、Microsoft広告管理画面の「ツール→UETタグ」で自前で発行・設置する必要があります。
UETタグの設置方法は、GTM経由・直接ベタ貼り・サーバーサイドGTM経由の3パターンが現実的です。GTMで管理しているサイトなら、Microsoftが提供するGTMテンプレートでUETを設置するのが最短ルートです。Webhub-mediaの計測関連記事で詳しく解説しているサーバーサイドGTMを採用しているサイトでは、UETも同等の設計でサーバー側に寄せることが可能です。
UETタグを設置したら、必ず「UETタグヘルパー」ブラウザ拡張機能で発火状況をリアルタイム確認します。ヘルパーで「Loaded(読み込み完了)」のステータスが出ない場合、タグの場所や非同期読み込み設定に問題があります。設置後24時間以内にMicrosoft広告管理画面に「アクティブ」ステータスが反映されない場合、配信開始は延期します。
ゴール(CV)定義の作法
Microsoft広告のゴールは、宛先URL(特定のサンクスページ到達)・イベント(クリックやスクロール)・継続時間・閲覧ページ数の4タイプから選びます。BtoBの問い合わせ完了は「宛先URL」、ECの購入は「イベント+値(売上)」、アプリのDLは「カスタムイベント」が基本パターンです。Google側で複数CVを定義している場合、対応するゴールをMicrosoftでも作成して紐づけます。
ゴールには「コンバージョントラッキング有効化」「再訪設定」「変数の引き継ぎ」「重複の扱い」の設定があり、初回設定で間違えるとCV数が二重カウントされたり、逆にゼロのまま出ない事故が起きます。最低でもテスト購入・テストフォーム送信を1回実施し、リアルタイムレポートでCVが計上されることを確認してから本配信に移ります。
同意モード(Consent Mode)への対応
Microsoftも同意モード相当の仕組みを提供しており、ユーザーがCookie同意を拒否した場合のシグナル収集を制御できます。GoogleのConsent Mode v2と同様、UETタグに同意状況をパラメータとして渡すことで、コンプライアンスを保ちながら計測欠損を抑える運用が可能です。同意モード設定が未対応の状態でUETを設置すると、EU/UKユーザー由来のCVが大幅に欠損するリスクがあります。
日本市場が主要な事業でも、Cookie同意管理(CMP)導入が進んでおり、Microsoft広告も同意モード対応の必要性は今後高まります。GoogleのConsent Mode v2と一緒にMicrosoft側の同意設定も整える設計が、2026年以降のスタンダードになります。
入札戦略・予算の再設計
インポート時、Google Adsの入札戦略のうち「コンバージョン数の最大化」「コンバージョン値の最大化」「拡張CPC」などはMicrosoft側でも同名の戦略にマッピングされます。ただし、Microsoftの自動入札はCV件数のシグナルが少ない段階で安定しにくく、Googleと同じ感覚で運用するとCPAが想定外に動くケースがあります。
Microsoftで自動入札を安定させるためには、最低でも過去30日のCV件数が15件以上ある状態が望ましいとされます。日本市場のMicrosoft広告は配信機会がGoogleより少ないため、配信開始直後は手動入札(CPC上限設定)または拡張CPCで立ち上げ、CVシグナルが溜まってきたら自動入札に移行する段階運用が安定します。
Microsoftで入札戦略を選ぶ判断基準
- 過去30日のCV件数が15件以上なら、コンバージョン数の最大化(tCPA併用)が候補
- CV件数が月10件未満の場合は、拡張CPC+CPC上限で慣らし運転
- EC・売上重視ならコンバージョン値の最大化(tROAS併用)
- 立ち上げ初期2〜4週間は手動入札で配信機会を実測してから自動化に切替
予算配分の再評価
Googleでの予算をそのままインポートすると、Microsoft側で予算が余るケースが多いです。日本市場のMicrosoft広告は、検索クエリ量がGoogleの数分の一規模になるため、Google予算の20〜30%程度から始めて、CV創出効率と予算消化率を見ながら拡大していく運用が現実的です。
逆に、BtoB系のキーワード(経営者層・意思決定者層が使う指名検索や業界用語)では、Microsoftの方が決裁権限を持つユーザーの割合が高いとされ、Google予算と同等またはそれ以上の予算をMicrosoftに振ったほうが商談化率が良い、というケースもあります。事業特性で予算配分は変えるのが正解です。
レスポンシブ検索広告(RSA)の再チューニング
GoogleのRSAはインポートでMicrosoft側にも反映されますが、Microsoftの広告強度判定はGoogleとは別アルゴリズムで動きます。Googleで「優良」評価のRSAが、Microsoftでは「平均」になることは珍しくありません。インポート直後にMicrosoft側で広告強度をチェックし、平均以下になっている広告は見出し・説明文の入れ替えを実施します。
Microsoftの広告強度を上げるためのコツは、見出しに「数値」「実績」「期限」を入れること、説明文に「ベネフィット」「行動喚起」を必ず1つは入れること、そして「Microsoftユーザー特有の文脈」(ビジネスユーザー、Edge利用者、Office連携を想定する層)を意識した訴求を1〜2件混ぜることです。Google向けに作ったクリエイティブをそのまま使うのではなく、Microsoft向けにリライトするのが成果分岐点になります。
Microsoftには独自のRSA拡張機能(マルチメディア広告、Audience Adsバナーなど)があり、Google AdsのRSAだけでは活用しきれません。BtoB向けにはMicrosoftが推奨するLinkedIn統合機能(職種・業界・会社規模ターゲティング)も活用すると、検索広告以上のリーチを取れます。Microsoftの独自機能を1つも使わないのは「インポートだけして放置」と同じです。
動的キーワード挿入・カウントダウンの差分
Google Adsの動的キーワード挿入({KeyWord})や、カウントダウン機能({COUNTDOWN})はMicrosoftでもサポートされていますが、構文の互換性に差があります。GoogleでDKI(Dynamic Keyword Insertion)を多用しているキャンペーンは、Microsoftインポート後に表記が崩れていないかを必ずチェックします。
特に日本語の場合、カタカナ・ひらがな・漢字の表記揺れがDKIで再現される際にレイアウトが崩れるケースがあります。プレビューツールで実際の表示を確認し、おかしな表記が出ていないかをインポート初日に必ず点検します。
オーディエンス・リマーケティングの再構築
Google Adsで使っているリマーケティングリスト(過去訪問者・カート放棄・購入者など)はインポートされません。Microsoftで同等のリストを作るには、UETタグが正しく動作していること、過去30日以上のデータが蓄積されていること、リスト最低人数の要件を満たすこと、が条件です。立ち上げ初期はリマーケティングが使えないことを前提に、検索広告中心で組み立てます。
Microsoftのリマーケティングリスト最低人数は配信面によって異なり、検索広告では1,000人以上、Audience Networkでは300人以上が一般的な目安です。日本市場の中規模サイトでは、立ち上げから2〜3週間でこの最低人数に到達するペースが多く、それまでは新規獲得型の配信に絞る計画になります。「最低3週間はリマーケティングなし」と社内合意してから配信を始めると期待値ズレが減ります。
Customer Match(顧客リストの広告ターゲティング)も、Microsoftで別途登録が必要です。Googleで登録した顧客リスト(メールアドレスや電話番号のハッシュ)を、Microsoft Advertising Audience機能で再アップロードします。ハッシュ化・正規化はGoogleと同等の手順ですが、CRM側からCSVを書き出すフローは別個に整えます。
LinkedIn Profile Targetingの活用
Microsoft広告独自のLinkedIn Profile Targetingは、職種・業界・会社規模で配信を絞れる、BtoB特化型のオーディエンス機能です。Google Adsには対応する機能がないため、これがMicrosoft広告を併用する最大の理由のひとつになります。BtoB企業ならインポート後にまずLinkedIn統合機能を試す価値が高いです。
LinkedInプロファイルターゲティングは「観察」または「ターゲティング」として設定でき、観察モードで配信パフォーマンスを比較してから、効果が高いプロファイルにのみ配信を絞る運用が定番です。Google→Microsoft複製で「同じ配信を二重展開しただけ」にならず、Microsoftならではの成果を出すための差別化レイヤーになります。
同期設定とインポート頻度の選び方
Microsoftインポートは、ワンタイム・毎日・毎週・カスタムスケジュールの4パターンから選べます。Google側で変更が多いアカウントでは「毎日同期」が便利ですが、毎日同期にすると、Google側の事故(広告停止・予算変更)がMicrosoftにも瞬時に伝播するリスクがあります。誰がGoogle側を触っているかで同期頻度を決めるべきです。
同期の制御では「自動上書きを許可するか」「Google側で削除した項目をMicrosoft側からも削除するか」という2つの設定が特に重要です。デフォルト設定では「Google側で削除された項目はMicrosoftでも削除」になっていますが、これをオフにしておくと、Google側の事故的な削除がMicrosoftまで波及するリスクを抑えられます。運用の安全装置として、削除の自動伝播は基本オフで運用するのが推奨です。
運用判断としては、立ち上げ初期は「ワンタイム+手動再インポート」で慎重に進め、運用が安定してからは「毎週同期」、Google側を頻繁に触る代理店契約があるなら「毎日同期」へ段階的に切り替える進め方が安全です。同期は便利な機能ですが、ノーチェックで使うと事故の伝播経路になります。
同期で起きやすい事故と回避策
同期で頻発する事故は、Google側で除外した広告がMicrosoftで再投入される、Google側の予算変更がMicrosoftにも反映されて予算超過、入札戦略の変更が伝播してMicrosoftの学習がリセットされる、というパターンです。同期設定の詳細画面には、「特定の項目を除外する」設定があり、CV計測やUET関連の項目は同期から除外しておくのが鉄則です。
同期実行のログはMicrosoft Advertisingの管理画面で確認できます。週次で同期ログを点検し、想定外の上書きが起きていないかを必ずチェックします。代理店に運用を任せている場合、この点検フローを契約上の責任範囲に明示しておくと事故が減ります。
| 同期頻度 | 向くケース | 事故リスク |
|---|---|---|
| ワンタイム | 立ち上げ初期、構造を固めるまで | 低(手動なので事故しにくい) |
| 毎日 | Google側を高頻度で触るアカウント | 高(伝播スピードが速い) |
| 毎週 | 運用が安定したアカウント | 中(週次で点検できる) |
| カスタム | 特定項目だけ同期したいとき | 低(除外項目を明示できる) |
立ち上げ後2週間のチェックリスト
Microsoftで配信開始から2週間は「立ち上げ期」と捉え、毎日確認すべき項目があります。インポート直後の2週間で発見できる問題は、3か月後に同じ問題が起きると改修コストが10倍に膨らみます。立ち上げ期の点検は仕組みで回すのが、現場での鉄則です。
具体的な毎日点検項目は、UETタグの発火状況、CV計測の漏れ、検索語句レポート、広告強度、配信予算の消化ペース、Microsoft独自配信面(Audience Network、MSN、LinkedIn)のCV寄与の6項目です。これらをGoogle Sheetsで点検テンプレート化し、日次で担当者が記入する運用が現実解になります。
立ち上げ2週間の毎日点検
- UETタグ:管理画面の「UETタグの状態」で過去24時間のイベント受信を確認
- CV計測:Google AdsとMicrosoftで同じ期間のCV件数を比較し、極端な差がないか
- 検索語句:Microsoft特有のクエリパターンで、除外すべきものを毎日追加
- 広告強度:平均以下のRSAを翌日までに改善
- 予算:日割り消化が想定の80〜120%に収まっているか
- 配信面別:Audience Network・MSN・LinkedInからのCV寄与をレポート化
2週間目で再評価する論点
立ち上げ2週間後、CV件数とCPAの両方を Google Adsと比較します。Microsoftの方がCPAが低い領域があれば、その領域に予算を寄せる判断が早いです。逆にMicrosoft側のCPAが極端に悪い場合、配信面別レポートでMicrosoft Audience Network(MSAN)からの低品質流入が混ざっていないかを点検します。MSANは便利な配信拡張ですが、配信先によってはCV確率が低いケースもあります。
2週間時点で「CV計測が動かない」「広告強度が改善しない」「予算消化が安定しない」のどれか1つでも未解消なら、運用代行の活用やセカンドオピニオン依頼を検討する分岐点です。Microsoft広告は日本市場で運用ノウハウが少ない分、内製と外注の判断は早めに済ませた方が機会損失が少なくなります。
3か月以内に再設計したい項目
立ち上げが落ち着いたら、3か月以内に「インポート時の構造」を見直します。GoogleとMicrosoftはユーザー層・配信面・アルゴリズムが違うため、Googleのまま運用するとMicrosoftの強みを活かし切れません。3か月で「Microsoft用に最適化した構造」に作り替える前提で運用設計を組むのが、成果を最大化する基本姿勢です。
3か月のタイミングで必ず再評価したいのは、Microsoftで成果が出ているキャンペーンとそうでないキャンペーンの仕分け、Audience Network流入のCV寄与、LinkedIn Profile Targetingでの観察データの本配信化、Customer Matchベースの顧客リスト配信、Vertical Ads(業種特化型キャンペーン)の導入可否、です。3か月の見直しを飛ばすと、Microsoft広告は「Google複製のまま」止まり、永続的にGoogleの劣化版として推移します。
具体的には、Microsoft独自配信面(Audience Network、LinkedIn)を活かしたキャンペーンを別途切り出す、Customer Matchベースのリードナーチャリング配信を構築する、BtoB向けのLinkedIn Profile Targetingを観察モードから本配信化する、Shopping AdsをMerchant Center連携で立ち上げる、などです。Microsoft広告は「Googleの劣化版」ではなく、独立して育てる価値のあるチャネルです。
Microsoft独自のキャンペーンタイプ
Microsoftには検索広告以外に、Microsoft Audience Ads(MSANネットワーク向けディスプレイ広告)、Performance Maxキャンペーン(Microsoft版P-MAX相当)、Vertical Ads(自動車・不動産など業種特化型)、Multimedia Adsが用意されています。Google→Microsoftインポートで作られるのは検索広告のみで、これらの拡張キャンペーンはMicrosoftで別途立ち上げます。
特にPerformance Max(Microsoft版)は、Googleと類似した自動化機能を提供しますが、配信面・シグナル・在庫の取り扱いがGoogle P-MAXとは異なります。Google P-MAXで成果が出ている商材を、そのままMicrosoft P-MAXに横展開しても同じ成果は出ないため、商材ごとの検証が必要です。
代理店を活用するべき領域
Google→Microsoftの初回移行は、Google Adsの運用知識だけでは穴埋めできない領域が多くあります。UETタグの設置設計、Microsoft独自配信面の特性、LinkedIn統合機能の活用、Microsoft向け広告クリエイティブの最適化、Customer Matchの再構築、これらはGoogle運用とは別のスキルセットです。「Google運用ができる=Microsoft運用もできる」とは限らないのが現実です。社内の運用担当者がGoogle専任なら、Microsoft立ち上げの数ヶ月は外部の知見を取り込んで、内部に知識を残していく進め方が現実的です。
ハーマンドットでは、Google→Microsoft移行プロジェクトを「インポート前のGoogle構造監査」「UET設置・CV設計」「立ち上げ2週間の毎日伴走」「3か月での再設計」という4フェーズで支援しています。内製チームがGoogleを運用しながら、Microsoft立ち上げ部分だけ代理店伴走、という組み合わせも対応可能です。BtoB領域での実績データをもとに、業種別の配信設計テンプレートを提供できる点も強みのひとつです。
Microsoft移行で代理店伴走を検討すべき兆候
- UETタグの設置・GTM対応を社内で実装できる担当者が不在
- Microsoft Audience Network・LinkedIn統合の運用経験がない
- Customer Match・1st partyデータ連携を整える体制がない
- 立ち上げ2週間で発生する事故の対処に割けるリソースがない
- 3か月以内のMicrosoft独自構造への再設計まで含めて伴走してほしい
まとめは「複製」ではなく「再設計」を前提に
Google→Microsoftキャンペーン複製は、インポート機能を使えば構造の輸入は数十分で完了します。ただし、その後のUET設置、CV計測、入札戦略、オーディエンス、配信面、これらは全てMicrosoft側で別途設計が必要です。「インポート=完了」と捉えると、Microsoft広告は配信されるだけで成果が出ない箱になります。立ち上げ時のチェックリスト・3か月の再設計計画・誰が運用するかの体制設計、これらを社内で合意してからインポート機能を実行することで、Microsoft広告を本来の戦力にできます。Google一極集中からの分散戦略としても、Microsoft広告は2026年以降のBtoB・指名検索領域で重要度が上がり続けると見られます。
- インポートは出発点。2週間の立ち上げ期と3か月の再設計期を必ずセットで計画する。
- UETタグ設置とCV設計が最大のハードル。Google Tagと別物だと最初から認識して設計に時間を割く。
- Microsoft独自機能を必ず使う。LinkedIn統合・MSANなど、Googleにない武器を活かす設計が成果分岐点。
まずは無料で広告アカウント診断を
「Google→Microsoft移行を検討しているがUET設置が不安」「インポート後に何から手を入れるべきかわからない」「Microsoft独自機能を活かしたい」といった課題を、ハーマンドットの広告アカウント診断で整理できます。Google・Microsoft両方の運用実績を持つメンバーが、移行プロジェクトの全体設計から、配信開始2週間後の改善まで一緒に伴走します。診断のアウトプットは「Google構造の前処理」「UET設置とCV設計」「Microsoft独自機能の活かし方」「3か月後の再設計タスク」の4セクションで、社内に持ち帰ってそのまま展開できる粒度でお渡しします。
初回相談は完全無料・所要時間30分・オンライン対応可能です。Google Adsの現状アカウント情報、Microsoftで狙いたいターゲット、CV計測の現状をヒアリングし、移行プロジェクトに必要なタスクと所要期間をその場で整理してお返しします。





