就労継続支援B型の広告設計|見学予約を増やし定着しにくい応募を減らす導線

B型事業所の見学予約導線

就労継続支援B型の事業所で広告を始めると、問い合わせの件数は比較的早く増えます。ところが、届いた連絡を確認すると、スタッフ求人への応募、開業コンサルの営業、他県からの情報収集などが混ざり、見学に来て実際に通所を始める方は思ったほど増えないという状況が起こりがちです。B型は通所が数か月から数年続くサービスなので、最初の1件を取ることより、通い続けられる方と出会う導線を作ることが成果に直結します。

本記事は、B型事業所の運営者や法人の広報担当者に向けて、検索広告とSNS広告で見学予約を増やしつつ、定着しにくい応募を減らす設計を解説します。需要を本人・家族・支援者に分ける考え方、見学・体験・利用開始を別々のCVとして扱う方法、除外すべき流入、繁忙期の予算配分までを扱います。就労移行支援や児童向けの福祉サービスの集客は前提が異なるため、本記事の対象外とします。

この記事の要点

  • CVは見学予約に固定:問い合わせ総数ではなく、日時が確定した見学予約を主CVとして入札に学習させる
  • 需要は3つに分ける:本人・家族・相談支援専門員などの支援者では、検索語も知りたい情報も異なる
  • 評価は定着まで:見学実施率、体験移行率、利用契約率、3か月後の通所継続率を広告の成果として追う
  • 除外は最初に設定:スタッフ求人、開業・フランチャイズ、制度の一般調べは配信前に外す
  • 制度変更を訴求に反映:就労選択支援の開始で、新規利用の流れが一部変わった点をLPで説明する

B型事業所の広告は見学予約をゴールに設計する

B型事業所の広告で追うべきゴールは、問い合わせ件数ではなく、日時が確定した見学予約です。就労継続支援B型とは、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスのひとつで、一般企業での雇用契約に基づく就労が難しい方に、生産活動の機会と工賃を提供しながら就労に必要な力を身につける支援を行う事業です。雇用契約を結ばない点がA型との大きな違いで、体調や障害特性に合わせて週の通所日数や時間を調整しやすいことが選ばれる理由になります。

このサービスの特徴は、利用開始までに複数の段階があることです。利用希望者は、事業所を知ってから見学に行き、体験利用で作業や雰囲気を確かめ、市区町村で障害福祉サービス受給者証の手続きを進めてから契約に至ります。広告の役割は、この長い流れの入口で「行ってみたい」と思った方を確実に見学の日程確定まで運ぶことです。資料請求や一般的な相談をゴールにすると、入札の自動化が「連絡はするが見学には来ない層」を学習してしまう点に注意が必要です。

制度の現在地を前提に置く

広告設計の前提として、制度の動きも押さえておく必要があります。厚生労働省「令和6年度工賃(賃金)の実績について」によると、B型事業所の令和6年度の平均工賃月額は24,141円で、報告施設数は18,245か所です(2026年10月時点で確認できる最新の公表値です)。事業所数が多い地域では、利用希望者が複数の事業所を比較してから見学先を選ぶのが一般的になっています。

また、令和7年10月から就労選択支援という新しいサービスが始まり、新たにB型を利用する方は原則としてこの支援を先に利用する流れになりました。大田区の案内ページなどの自治体資料では、50歳に達している方や障害基礎年金1級を受給している方などは例外とされています。利用開始までの期間が以前より長くなるケースがあるため、見学から契約までのリードタイムを長めに見込んだ評価設計が必要です。

LPにも制度の変化を反映させておくと、問い合わせの段階での戸惑いを減らせます。「初めてB型を利用する方の手続きの流れ」として、見学、体験、相談支援事業所や市区町村での手続き、契約という順番を図や短い文章で示しておくと、本人も家族も見通しを持って見学予約に進めます。手続きの詳細は自治体によって異なるため、最終的には市区町村の窓口で確認するよう案内を添えてください。

検索需要は本人・家族・支援者の3つに分ける

B型の検索需要は、利用を考える本人、本人を支える家族、相談支援専門員や医療機関の職員などの支援者の3つに分けて受けるのが基本です。同じ「地域名+B型」という検索でも、誰が検索しているかによって知りたい情報と次の行動が大きく異なります。1本のLPですべてを受けると、どの読み手にとっても情報が足りない状態になり、見学予約まで進む割合が下がります。

本人の検索は、作業内容、通所日数の柔軟さ、送迎の有無、昼食、職員の雰囲気といった「自分が通えるかどうか」を確かめる内容が中心です。夜間や休日にスマートフォンで調べることが多く、電話より予約フォームやLINEでの相談を好む方もいます。家族の検索は、工賃、支援体制、体調が悪い日の対応、将来の一般就労への可能性など、安心して任せられるかを判断する材料を求めています。

支援者は、受け入れ可能な障害種別、空き状況、送迎範囲、個別支援計画の考え方など、紹介先として適しているかを短時間で確認したいと考えています。支援者向けの情報は広告で大量に集客するものではありませんが、LP内に専用の案内枠を設けておくと、紹介経由の見学予約が増えやすくなります。以下の表は、3つの需要ごとの違いを整理したものです。

需要検索語の例LPで優先する情報受けるCV
本人地域名 B型 作業内容/B型 週2日から/B型 送迎あり作業の写真、1日の流れ、通所日数の相談可否見学予約(フォーム・LINE)
家族B型 選び方/作業所 家族 相談/B型 工賃 地域名支援体制、体調不良時の対応、工賃の実績見学予約(家族同伴可)、電話相談
支援者B型 空き状況 地域名/精神障害 B型 受け入れ受け入れ条件、空き状況、送迎範囲、連絡窓口紹介見学の日程調整
B型事業所の需要の分け方と受けるCV

需要を分けるといっても、最初からLPを3本作る必要はありません。まずは1本のLPのファーストビュー直下に「ご本人の方」「ご家族の方」「支援者の方」の入口を置き、広告グループごとにリンク先のアンカーを変えるだけでも効果があります。検索語句ごとの見学予約率を比べ、差が大きい需要から専用ページに切り出す順番が現実的です。

家族向けの入口では、見学に家族が同伴できること、本人より先に家族だけで相談できることを明記しておくと予約の心理的なハードルが下がります。本人がまだ外出に不安を抱えている段階では、家族が先に下見をして判断材料を持ち帰るケースが少なくありません。家族のみの来所も見学予約として計測するように設定しておくと、こうした需要を取りこぼさずに評価できます。

支援者向けの入口には、空き状況の更新日と問い合わせ先の担当者名を載せておくのが効果的です。相談支援専門員は複数の事業所を並行して比較するため、最新の受け入れ状況がすぐにわかる事業所ほど紹介先の候補に残りやすくなります。広告から支援者が流入した場合も、電話やメールでの日程調整を見学予約と同じ扱いで記録してください。

児童向けの福祉サービスでも、需要を混ぜないことが成果を左右する点は共通しています。児童発達支援の見学獲得については、以下の記事で詳しく解説しています。

見学予約・体験利用・利用開始を別々のCVで計測する

B型の広告では、見学予約を主CVに置き、体験利用と利用開始は後から広告管理画面に戻す成果として別々に計測します。すべてを1つの「問い合わせ」としてまとめると、どの広告が定着する利用者につながったのかが見えなくなるためです。段階ごとに計測を分けておけば、件数は少なくても契約に結びつく検索語句や広告文を見つけられます。

主CVは、見学の日時が確定した時点に設定します。フォーム送信の完了だけでなく、電話で日程が決まった場合も同じ扱いにするため、電話の通話CVと、職員が日程確定後に記録するオフラインCVを組み合わせるのが実務的です。副CVには資料請求や一般的な相談を置き、入札の学習対象からは外して観測用の目標として扱います。

日程確定の記録は、職員が日々使う予約台帳や管理表に「広告経由かどうか」と「来所予定日」の列を足すだけで始められます。フォームから届いた予約には自動で識別用の番号が付くようにしておき、電話で決まった予約は受け付けた職員がその場で記録する運用にすると、月末にまとめて集計する手間が大きく減ります。

段階CVの扱い計測方法見るべき率
見学予約主CV(入札の学習対象)フォーム完了、通話CV、日程確定の記録クリックからの予約率
見学実施観測用CV来所記録をオフラインで取り込み予約からの実施率
体験利用観測用CV体験開始日を記録して取り込み見学からの体験移行率
利用契約価値の高い観測用CV契約日を記録して取り込み体験からの契約率
3か月継続広告外のKPI通所記録を月次で集計契約からの継続率
B型事業所のCV段階と計測の分け方

以下は、数字の見方をつかむための試算例です。月の広告費が10万円で見学予約が20件、そのうち14件が見学に来所し、10件が体験利用に進み、5件が契約、3か月後も4件が通所を続けた場合、予約1件あたりの費用は5,000円ですが、契約1件あたりは20,000円、継続利用1件あたりは25,000円になります。予約単価だけを見て広告を評価すると、継続しにくい流入を多く含む広告ほど優秀に見えてしまう点に注意してください。

契約や継続のデータを広告に戻す際は、個人を特定できる情報を広告媒体に送らないことが前提です。障害の種別や診断名といった情報は、広告の計測用データには含めず、「契約あり」「継続あり」という成果の有無と日時だけを扱います。計測の仕組みを決める段階で、法人の個人情報保護方針と照らし合わせておくと、後から設定をやり直す手間を避けられます。

電話で見学日程が決まるケースが多い事業所では、通話の計測精度が評価の正確さを左右します。電話CVの計測方法については、以下の記事で詳しく解説しています。

除外すべき流入を配信前に決めておく

B型事業所の検索広告では、スタッフ求人、開業・フランチャイズ、制度の一般的な調べものの3種類を、配信開始前に除外しておくことが必須です。B型に関連する検索語には、利用希望者以外の検索が多く含まれます。とくに「生活支援員 求人」や「作業所 開業」などは広告のクリック単価が高くなりやすく、放置すると予算の多くが利用者獲得と無関係なクリックに使われます。

求人系の流入は、事業所の名前や地域名と組み合わさって検索されるため、部分一致の広告に入り込みやすい点が厄介です。法人として職員採用の広告も出している場合は、利用者向けと採用向けのキャンペーンを完全に分け、互いの検索語を除外し合う設定にします。開業系の検索は、B型の新規参入を検討する事業者によるもので、フランチャイズ本部の広告と競り合う形になるため、利用者獲得の目的では一切受ける必要がありません。

除外候補として見直す検索語

  • 求人系:求人、生活支援員、職業指導員、サービス管理責任者、パート
  • 開業系:開業、フランチャイズ、指定申請、報酬改定、加算
  • 制度調べ:とは、違い、法律、廃止、厚生労働省
  • 他サービス:放課後等デイ、児童発達支援、グループホーム(併設がない場合)
  • 商圏外:通所できない他県・遠方の地域名

一方で、機械的に除外すると機会を失う検索語もあります。「B型 やめたい」「作業所 合わない」「事業所 変えたい」といった検索は、一見ネガティブに見えますが、今の事業所から移りたいと考えている方の転所の相談であることが多く、見学予約につながる可能性があります。こうした語は除外せず、専用の広告文で「今の作業所が合わないと感じている方の見学も受け付けています」と伝えるほうが効果的です。

「A型」「就労移行支援」を含む検索の扱いは、事業所の状況によって変わります。同じ法人でA型や就労移行支援を運営しているなら、それぞれのページに振り分ければ法人全体の利用者獲得につながります。B型単独の事業所であれば、雇用契約を望む方や一般就労を急ぐ方とは条件が合わないことが多いため、除外するか入札を下げて様子を見る判断が妥当です。

商圏の設定も除外と同じくらい重要です。B型は週に複数回の通所が前提になるため、送迎範囲や公共交通で無理なく通える範囲の外からの予約は、契約に至っても継続しにくい傾向があります。地域指定は市区町村単位や半径指定で絞り込み、送迎範囲の外にある地域名を含む検索は除外語に加えておくと、予約の質が安定します。

除外語は一度決めて終わりではなく、検索語句レポートを週次で確認しながら更新していく運用が欠かせません。検索語句の分類と除外の進め方については、以下の記事で詳しく解説しています。

広告文とLPは通所のイメージと注意事項を先に伝える

B型の広告文とLPでは、通所したときの1日の様子と、利用に必要な手続きを先に伝えることが見学予約率を高めます。利用希望者が最も不安に感じるのは、自分がその場所で過ごせるかどうかです。作業内容の写真、休憩の取り方、昼食の有無、送迎の範囲、通所日数の相談ができることなど、具体的な情報が見学に踏み出すきっかけになります。

工賃の訴求は慎重に扱う必要があります。工賃の高さは家族にとって重要な判断材料ですが、平均値だけを大きく掲げると、通所日数が少ない方が「自分もその金額をもらえる」と誤解し、契約後に不満が生じる原因になります。工賃を掲載する場合は、算出の基準となる期間と、通所日数によって金額が変わることを併記してください。

LPの構成は、ファーストビューで「どんな作業を、週何日から、どこで行う事業所か」を一目で伝え、その下に1日の流れ、作業の写真、職員の紹介、見学の流れ、よくある相談の順に並べるのが基本です。見学予約のボタンは画面下部に固定し、フォームとLINE、電話の3つの手段を選べるようにしておくと、連絡手段の好みが分かれる本人と家族の両方に対応できます。

表現面では、「必ず就職できる」「誰でも高工賃」のような断定は避けるのが原則です。障害福祉サービスの指定基準には、広告の内容が虚偽や誇大であってはならない旨の規定があるため、所管の自治体の指導内容とあわせて確認しておく必要があります。一般就労への移行実績を載せる場合も、対象期間と人数を明記し、実績を誇張しない書き方にします。

SNS広告で避けるべき配信設定

SNS広告や動画広告で認知を広げる場合は、配信設定に関するポリシーにも注意が必要です。Google広告のパーソナライズド広告ポリシーでは、「健康」がターゲティングを制限するデリケートなカテゴリとして扱われています。障害や疾患に関する関心を推測して配信するような設定は避け、地域と年齢の範囲、事業所の活動を伝える動画の視聴者を中心に組み立てるのが安全です。

広告文でも、「あなたは障害をお持ちですか」のように閲覧者の個人的な属性を断定・示唆する書き方は、媒体の審査で否認される原因になります。主語を事業所側に置き、「週2日から通える作業所です」「体調に合わせて通所時間を相談できます」のように、サービス内容を説明する形で表現すると審査上の問題を避けやすくなります。

定着しにくい応募を減らす見学と体験の運び方

定着しにくい応募を減らすには、見学の段階で通所の条件をすり合わせ、体験利用で実際の作業と生活リズムを確かめてもらうことが最も効果的です。広告から来た見学者は、紹介経由の方に比べて事前の情報が少ない状態で来所するため、期待と実際のギャップが生じやすくなります。このギャップを契約前に埋めることが、3か月後の通所継続率を高める近道です。

見学予約のフォームには、希望する通所日数、通所の手段、現在の通院状況や利用中のサービスの有無など、最低限の確認項目を入れておくと当日の案内がスムーズになります。ただし、入力項目を増やしすぎると予約率が下がるため、必須項目は氏名・連絡先・希望日程程度に抑え、そのほかは任意にするのが目安です。診断名などの詳細は見学当日に対面で伺う形にすると、フォームの離脱も防げます。

見学の当日は、作業の見学だけで終わらせず、1日の流れ、休憩や体調不良時の対応、送迎の時刻、工賃の支払い方法などを説明します。そのうえで体験利用の日程をその場で決められるようにしておくと、見学から体験への移行率が安定します。体験の回数や期間は事業所によって異なりますが、複数日の体験を案内し、午前だけ・午後だけといった短い時間から試せるようにしておくと、本人が無理なく判断できます。

体験利用の最終日には、本人と職員で振り返りの時間を設け、通所日数や作業の種類、通所の時間帯について希望を確認しておくと契約後のミスマッチを防げます。この段階で通所が難しいとわかった場合は、無理に契約へ進めず、ほかのサービスや事業所を案内する判断も必要です。結果として契約数が少し減っても、継続しにくい契約を減らすことは事業所の安定した運営と評判の向上につながります。

相談支援専門員との連携を広告の成果につなげる

広告から見学に来た方でも、利用開始までには相談支援専門員による計画の作成や、市区町村での手続きが必要になります。見学後に本人の同意を得たうえで担当の相談支援専門員と情報を共有すると、手続きの遅れによる離脱を減らせます。まだ相談支援事業所とつながっていない方には、地域の窓口を案内する一言を添えるだけでも、契約までの道のりが短くなります。

就労選択支援の対象となる方の場合は、その利用を経てからB型の契約に進むことになります。この期間に連絡が途切れると、ほかの事業所に決まってしまうことがあるため、見学後のフォロー連絡の時期をあらかじめ決めておくことが大切です。フォロー連絡の実施状況も記録しておけば、広告の成果を評価する際に、離脱の原因が広告側にあるのか、受け入れ側の対応にあるのかを切り分けられます。

繁忙期と予算配分は年度の流れから逆算する

B型事業所の広告予算は、年度替わりに向けた進路検討が進む秋から冬と、新年度の生活が落ち着く初夏に厚めに配分するのが基本です。特別支援学校の高等部では、在学中に実習を重ねながら卒業後の進路を検討し、4月からの利用開始に向けて準備を進めるのが一般的な流れです。在校生と家族の検索は、実習や進路面談の時期に合わせて増える傾向があります。

学校経由の需要は広告だけで取るものではなく、進路担当の教員や実習の受け入れを通じた関係づくりが土台になります。広告は、学校から紹介を受けた家族が事業所名で検索した際に、見学予約のページへ確実に案内する役割を担います。事業所名での指名検索の広告は、予算が少なくても通年で出しておく価値があります。

一方、一般就労をしていた方が体調を崩して離職した後や、医療機関での治療が一段落した後にB型を探すケースは、季節を問わず発生します。こうした需要は年間を通じて一定の検索があるため、通年で最低限の配信を続け、検索語句の傾向を観察するのが望ましい運用です。配信を完全に止めると、再開時に入札の学習がやり直しになる点にも注意してください。

時期主な需要配分の目安強める訴求
4〜6月新年度後の生活の見直し、転所の検討標準途中からの利用開始、転所の相談
7〜9月在校生と家族の進路検討、夏休みの見学やや厚め家族同伴の見学、長期休暇中の体験
10〜12月4月利用に向けた見学先の比較厚め体験利用の日程、手続きの流れ
1〜3月年度内の契約準備、手続きの確認標準からやや厚め受け入れ枠の状況、手続きの支援
B型事業所の時期別の需要と予算配分の目安(地域や学校によって異なります)

予算の上限は、受け入れ可能な人数から逆算して決めます。定員に余裕がない状態で見学予約を増やしても、体験や契約に進めない方が増えるだけで、事業所の評判にも影響します。前章の試算例のように、契約1件あたりの許容費用を先に決め、月の受け入れ可能人数を掛けた金額を広告費の上限とすると、無理のない計画になります。

広告運用を外部に任せる場合の費用の考え方については、以下の記事で詳しく解説しています。

運用の振り返りは月次で定着まで確認する

B型事業所の広告の振り返りは、月に1回、見学予約から3か月後の通所継続までを一続きで確認するのが適切な頻度です。週次では検索語句と除外の調整、月次では段階ごとの率の確認と予算の見直しという形で、確認する内容を分けると負担が増えません。利用開始までに時間がかかるサービスのため、短期間の数字の上下だけで広告を止めたり増やしたりしない姿勢が重要です。

月次の振り返りでは、見学予約率、見学実施率、体験移行率、契約率の4つを広告グループや検索語句の単位で比べます。予約率は高いのに見学実施率が低い場合は、広告文やLPの情報と実際の事業所に差があるか、予約後の連絡が遅れている可能性があります。体験移行率が低い場合は、見学当日の案内内容や体験日程の提示方法を見直す必要があります。

契約後の継続率は、広告の改善だけでは動かしにくい指標ですが、広告経由と紹介経由で比べることには意味があります。広告経由の継続率が紹介経由より大きく低い場合は、広告文やLPが事業所の実態より期待を高めすぎている可能性があるため、訴求の表現を実際の通所の様子に近づける方向で見直します。

月次で確認する項目

  • 予約の質:見学予約のうち実際に来所した割合
  • 移行の状況:見学から体験、体験から契約へ進んだ割合
  • 定着の状況:契約から3か月後の通所継続の割合
  • 流入の内訳:除外漏れの求人・開業系の検索語の有無

事業所の職員だけでこの運用を続けるのが難しい場合は、計測の設計と検索語句の管理を外部に任せ、見学対応と記録は事業所側で行う分担が現実的です。ハーマンドットでは、広告アカウントの無料診断を通じて、現在の配信設定と除外語、CVの定義を確認し、見学予約から契約までをつなぐ改善点を整理しています。

広告運用を外注する際の判断基準については、以下の記事で詳しく解説しています。

まとめ B型の広告は見学予約と定着で評価する

就労継続支援B型の広告は、問い合わせの件数を増やすことよりも、通い続けられる方と出会うための導線づくりが成果を左右します。最後に、本記事の要点を3つに整理します。

  • 主CVは日時が確定した見学予約に固定する。体験利用・契約・3か月継続は観測用の成果として別々に計測し、予約単価だけで広告を評価しない
  • 需要を分け、除外を先に決める。本人・家族・支援者で入口を分け、求人・開業・制度調べの検索は配信前に除外する。転所の相談は除外しない
  • 年度の流れと受け入れ枠から予算を逆算する。秋から冬の進路検討期に厚く配分し、就労選択支援を含む手続きの期間を見込んでフォローを続ける

まずは無料で広告アカウント診断を

B型事業所の広告で「問い合わせは来るのに見学や契約につながらない」と感じている場合、多くはCVの定義や除外語の設定、LPの情報の出し方に改善の余地があります。設定を少し見直すだけで、同じ広告費でも見学予約の質が変わることは珍しくありません。

ハーマンドットでは、現在の広告アカウントを確認し、見学予約率や契約率をどう改善できるかを具体的にお伝えしています。求人や開業系の流入が混ざっていないか、電話の予約が正しく計測されているかなど、自社だけでは気づきにくい点もあわせて点検します。お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。

初回相談は完全無料・所要時間30分・オンライン対応可能です。

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