TikTok Smart+ Catalog Ads設定ガイド|商品動画とカタログをつなぐ手順

TikTokカタログ広告の設定手順

TikTokでECサイトの売上を伸ばしたいとき、商品カタログと動画素材をどうつなぐかで成果は大きく変わります。TikTok Smart+ Catalog Adsは、カタログの商品情報と動画クリエイティブを組み合わせ、ユーザーごとに関心の高い商品を自動で出し分ける広告です。設定画面そのものは数分で終わりますが、商品数や商品セットの切り方、動画と商品の紐づけ、計測パラメータの設計を曖昧にしたまま公開すると、学習が進まない、売れ筋以外ばかり表示される、成果の振り返りができないといった問題が起こりがちです。

本記事では、TikTok Business Help Centerの公式情報(2026年10月時点)をもとに、Smart+ Catalog Adsを公開するまでの前提条件、キャンペーンと広告セットの設定、商品選択の決め方、動画追加とSpark Ads併用の条件、URLパラメータ設計までを実装の順番で解説します。Smart+全体の自動化をどこまで任せるかという統制論ではなく、商品データと動画素材を配信へ接続する実務に絞っています。

すでにTikTokでカタログを作成済みの運用者はもちろん、これからカタログ広告を始めるEC担当者が設定前のチェックリストとして使える構成にしました。

この記事の要点

  • 前提条件:在庫あり・承認済み・有効化済みの商品が4点以上あるカタログが必要(2026年10月時点)
  • 商品選択:すべての商品・商品セット・特定の商品(最大20点)の3択で、まずは売れ筋の商品セットから始めるのが安全
  • 動画素材:公式は6本以上の動画追加を推奨し、商品20点以下なら全SKUが各動画に自動で紐づく
  • Spark Ads:オーガニック投稿を使えるが、Spark Adsとそれ以外の広告は混在できない
  • 計測設計:URLパラメータのUTMはカタログマネージャー側のルールを上書きするため、設定箇所を一本化する

TikTok Smart+ Catalog Adsの仕組みと通常のカタログ広告との違い

TikTok Smart+ Catalog Adsは、Smart+ウェブキャンペーンの中で「カタログの使用」をオンにして配信する、自動化前提のカタログ広告です。TikTok Smart+ Catalog Adsとは、カタログ内の画像・動画・商品情報を使い、AIが入札やオーディエンス、表示する商品を自動で決めてパーソナライズした広告を配信する仕組みのことです。運用者が細かい配信条件を組み立てる代わりに、商品データと素材の質を整えることが成果を左右します。

Smart+ウェブキャンペーンとの関係

Smart+ Catalog Adsは独立したキャンペーン種別ではなく、目的「売上」と販売誘導先「ウェブサイト」で作るSmart+ウェブキャンペーンの一機能として位置づけられています。TikTokの公式ヘルプ「Smart+ウェブキャンペーンについて」によると、2026年10月時点でSmart+ウェブキャンペーンのプレースメントはTikTok、Pangle、検索、Lemon8で、最適化目標はバリュー、コンバージョン、ランディングページ閲覧数、クリックから選べます。

つまり、カタログ広告を使うかどうかは広告セット側の「商品ソース」の設定で決まります。同じSmart+ウェブキャンペーンでも、カタログをオフにすれば通常の動画広告として配信され、オンにすればカタログの商品情報が広告に差し込まれます。ターゲティングは性別(制限あり)、地域、言語などに限られ、それ以外はAIに委ねる設計になっている点も押さえておく必要があります。

通常のカタログ広告と比べた違い

TikTokの公式ヘルプ「About Catalog Ads in TikTok Ads Manager」では、カタログ広告はSales目的(ウェブサイト・アプリ)、アップグレード版Smart+のトラフィック目的、Smart+キャンペーンで使えると説明されています。手動のカタログ広告は配信先や入札、オーディエンスを運用者が細かく決められる一方、Smart+ Catalog Adsは設定項目が少なく、商品ランキングをもとにAIが最適な商品を最適なユーザーへ表示します。

実務上の判断軸は、コンバージョンデータの蓄積量と、どこまで配信の手綱を握りたいかです。購入イベントが安定して計測できているアカウントであれば、Smart+で商品とユーザーの組み合わせ探索を任せるほうが効率的です。反対に、特定の閲覧者だけへリターゲティングしたい場合や検証段階のアカウントでは、手動のカタログ広告で条件を固定したほうが結果を読みやすくなります。

比較項目Smart+ Catalog Ads手動のカタログ広告
作成場所Smart+ウェブキャンペーンの広告セットでカタログをオン売上目的の手動キャンペーン
ターゲティング性別(制限あり)・地域・言語以外はAIカスタムオーディエンス等を細かく指定
プレースメント自動(TikTok・Pangle・検索・Lemon8)手動選択が可能
商品の出し分け商品ランキングをもとに自動商品セット単位で運用者が設計
向いている状況購入データが溜まり探索を広げたい段階検証段階・リターゲティング重視
Smart+ Catalog Adsと手動カタログ広告の比較(TikTok Business Help Centerをもとに作成・2026年10月時点)

どちらを選ぶ場合でも、カタログの品質が配信精度の上限を決めるという点は変わりません。Smart+に切り替えれば成果が自動で上がるわけではなく、商品データの欠損や価格のずれがあればAIは誤った商品を推し続けます。Smart+全体の自動化範囲をどう統制するかについては、別記事で詳しく整理しています。

Smart+で任せる設定と残す制御の切り分けについては、以下の記事で詳しく解説しています。

配信前に揃えるカタログと計測の前提条件

Smart+ Catalog Adsを作成するには、在庫があり承認済みで有効化されている商品が4点以上あるカタログが必要です。この条件は2026年10月時点のTikTok公式ヘルプ「Smart+カタログ広告の作成方法」に明記されており、満たしていないと広告セットでカタログを選択しても配信できません。あわせて、カタログ内の画像や動画を使ったクリエイティブ素材と、購入まで計測できるPixelの準備も欠かせません。

最低商品数と現実的な推奨規模

公式の最低ラインは4点ですが、4点ぴったりのカタログではAIが商品とユーザーの組み合わせを試す余地がほとんどありません。業界メディアの解説では20点以上、できれば50点以上の商品を用意したほうが最適化が進みやすいとする意見が多く見られます。単品通販や商品数の少ないD2Cブランドでは、色違いやセット商品をSKUとして分けて登録し、選択肢を増やす工夫が有効です。

一方で、商品数を増やすために在庫の薄い商品や利益率の低い商品まで無差別に入れると、AIがクリックされやすい安価な商品ばかりを推す結果になりがちです。カタログ全体には商品を広く登録しておき、広告で使う範囲は後述する商品セットで絞るという二段構えにすると、データの網羅性と配信の狙いを両立できます。

必須パラメータと価格・在庫の整合

TikTokの公式ヘルプ「Catalog Product Parameters」では、sku_id、title、description、availability、condition、price、link、image_link、brandの9項目が必須とされています。画像はJPGまたはPNGで、正方形(1:1)なら最低500×500ピクセルが条件です。Googleドライブ、Dropbox、Pinterestなどにホストした画像は使えないため、自社サーバーかECプラットフォームの画像URLを指定してください。

特に注意したいのは、カタログの価格とランディングページの価格を必ず一致させることです。セール価格を広告だけに反映した、在庫切れ商品がavailabilityで「in stock」のまま残っている、といったずれは審査落ちや配信停止の原因になります。フィードの自動更新頻度をECの在庫更新に合わせ、少なくとも1日1回は同期される状態を作っておきましょう。

公開前に確認したいカタログの注意点

  • 商品数:在庫あり・承認済み・有効化済みが4点以上あるか
  • 価格:カタログとLPのセール価格・税込表示が一致しているか
  • 在庫:availabilityがEC側の在庫と同期しているか
  • 画像:1:1で500×500ピクセル以上、対応外のホスティングを使っていないか
  • SKU:既存商品の更新に同じsku_idを使っているか

購入まで追える計測の準備

Smart+ Catalog Adsはバリューやコンバージョンで最適化するため、PixelまたはEvents APIで購入イベントを正しく受け取れていることが前提です。カタログ広告では、イベントに含まれる商品IDとカタログのsku_idが一致していないと、どの商品が見られ、どの商品が買われたかをAIが学習できません。ViewContent、AddToCart、Purchaseの各イベントで同じ商品IDが送られているかを、テストイベントツールで事前に確かめておくと安心です。

商品IDの欠損や一致率の低下は、カタログ広告の成果を静かに落とす代表的な原因です。設定画面ではエラーが出なくても、イベント側の値がずれているだけで商品の出し分け精度は大きく下がります。content_idとSKUの設計を点検する手順については、以下の記事で詳しく解説しています。

キャンペーンと広告セットの設定手順

Smart+ Catalog Adsの作成は、キャンペーン作成、広告セットでのカタログ選択、広告での素材と遷移先の設定という3段階で進みます。公式ヘルプでは18の手順に分かれていますが、運用者が判断を求められるのは商品ソース、商品の範囲、素材、URLの4か所です。ここではTikTok広告マネージャーの画面順に沿って、各段階で決めることを整理します。

キャンペーン作成で選ぶ項目

TikTok広告マネージャーで「キャンペーン」から「+作成」をクリックし、目的に「売上」、販売誘導先に「ウェブサイト」を選びます。キャンペーンタイプで「Smart+キャンペーン」を選択して続行すると、Smart+ウェブキャンペーンの設定画面に進みます。公式ヘルプによると、売上目的でウェブサイトを選ぶとSmart+のトグルがデフォルトでオンになるため、手動で作りたい場合はここでオフにする必要があります。

予算は、キャンペーン単位でまとめて配分するか、広告セット単位で配分するかを決めます。アップグレード版Smart+では完全自動・部分自動・手動を選べますが、キャンペーン予算最適化を使う場合はすべての広告セットで最適化ロケーション、目標、イベント、目標CPAを揃える必要があります。カタログ広告とカタログを使わない動画広告を同じキャンペーンで比較したい場合は、広告セット単位の予算にしておくと検証しやすくなります。

商品ソースと広告セットの設定

広告セットの「商品ソースの詳細」セクションで「カタログの使用」をオンにし、使うカタログを選択します。カタログがまだない場合はこの画面から新規作成もできますが、商品の承認には時間がかかることがあるため、事前にカタログマネージャーで作成と審査を済ませておくのが確実です。TikTok Shopの設定は不要で、カタログをソースにするだけでウェブサイトへの送客型カタログ広告として配信できます。

最適化目標は、購入データが十分に溜まっているならバリュー、そうでなければコンバージョンから始めるのが無難です。ターゲティングは地域と言語を中心に指定し、年齢や興味関心で絞り込みすぎないことが、Smart+の学習を止めないための基本になります。商品の範囲をどう決めるかは、次のセクションで詳しく扱います。

設定段階主な設定項目判断のポイント
キャンペーン目的「売上」・販売誘導先「ウェブサイト」・Smart+予算をキャンペーン単位にするか広告セット単位にするか
広告セットカタログの使用・商品の範囲・最適化目標商品セットの切り方とバリュー最適化の可否
広告Spark Ads・クリエイティブ・遷移先URL・トラッキング動画本数と商品の紐づけ、パラメータの一本化
Smart+ Catalog Adsの設定段階と判断ポイント(TikTok Business Help Centerをもとに作成・2026年10月時点)

設定に迷った段階で、自社カタログの状態とアカウントの計測状況を第三者に確認してもらうのも一つの方法です。ハーマンドットでは、TikTokを含む広告アカウントの無料診断を受け付けています。広告アカウント診断の申し込みはこちらから可能です。

商品の選び方と商品セットの設計

Smart+ Catalog Adsで広告に含める商品は、「すべての商品」「商品セット」「特定の商品」の3つから選びます。どれを選ぶかで、AIが探索できる商品の幅と、運用者が狙った商品を売れる確度が変わります。初回の配信では、売れ筋や在庫の厚い商品をまとめた商品セットから始め、成果が安定してから範囲を広げる進め方が安全です。

3つの選択肢の使い分け

「すべての商品」はカタログ全体を対象にするため、AIの探索範囲が最も広くなります。商品数が多く、どの商品にも一定の利益が見込めるアパレルや雑貨のECであれば、この設定でAIに組み合わせを探させる価値があります。ただし、在庫処分品や低単価品が多いカタログでは、それらに配信が偏るリスクがあることも理解しておく必要があります。

「特定の商品」は最大20点まで個別に選べる設定で、新商品のローンチやキャンペーン対象商品の訴求に向いています。選べるのは最大20点までなので、21点以上を対象にしたい場合は商品セットを使うことになります。特定の商品を少数だけ選ぶとAIの探索余地が狭まるため、予算を絞った短期施策として使うのが現実的です。

選択肢対象範囲向いている用途注意点
すべての商品カタログ全体商品数が多く利益構造が均一なEC低単価品への偏り
商品セットセット内の商品を動的に掲載売れ筋・カテゴリ・価格帯別の配信セット条件の定期見直しが必要
特定の商品最大20点を個別選択新商品・期間限定キャンペーン探索範囲が狭く学習が遅れやすい
商品選択の3つの選択肢(TikTok Business Help Center「Smart+カタログ広告の作成方法」をもとに作成・2026年10月時点)

商品セットの作り方と切り口

TikTokの公式ヘルプ「About Product Sets within your catalog」によると、商品セットはフィルター、手動選択、SKUリストのCSVアップロードの3つの方法で作成できます。CSVアップロードは1ファイルあたり最大5,000SKUまでで、作成にはカタログ管理の権限が必要です。フィルターで作ったセットは、カタログに条件を満たす商品が追加されると自動で対象に入るため、運用の手間を抑えられます。

切り口として実務で使いやすいのは、売れ筋、粗利の高い商品、カテゴリ、価格帯の4つです。たとえば「直近30日の販売上位」と「新作」のセットを分けて広告セットを作れば、どちらが広告経由で売れるかを比較できます。セットの条件は月に1回程度見直し、季節商品や在庫切れが続く商品が残っていないかを確認する運用にしておくと、配信の質を保ちやすくなります。

動画素材をカタログへ接続する手順

Smart+ Catalog Adsの成果を最も大きく左右するのは、カタログに紐づける動画素材の量と質です。公式ヘルプでは6本以上の動画を追加することが推奨されており、Smart+ウェブキャンペーンでは最大30件の動画または画像を追加できます。商品画像だけのカタログ広告よりも、実際の使用シーンを見せる動画を商品へ紐づけたほうが、TikTokの視聴環境に馴染みやすくなります。

カタログクリエイティブと動画の追加

広告の設定画面で「クリエイティブアセットを編集」を開き、「カタログクリエイティブ」を選ぶと、カタログの商品画像から自動生成された素材を確認できます。鉛筆アイコンから編集し、「プレビュー」で表示を確かめたうえで、「アップロード」から新しい画像や動画を追加します。自動生成の素材だけに頼ると見た目が似通いやすいため、ブランド側で撮影した縦型動画を必ず数本混ぜることをおすすめします。

動画は商品ごとに作り分けるより、商品カテゴリや使用シーンごとに作るほうが効率的です。たとえば「通勤コーデ」「部屋着」「ギフト」のように文脈で動画を分けておけば、後述する自動マッピングで複数の商品を同じ動画に紐づけられます。冒頭2秒で商品と使用シーンが伝わる構成にしておくと、カタログの商品情報との組み合わせでも訴求がぶれにくくなります。

動画と商品の自動マッピングの仕組み

「動画をカタログに追加して商品を紐づける」をオンにすると、追加した動画とカタログの商品が自動で紐づけられます。公式ヘルプによると、対象商品が20点以下の場合はすべてのSKUが各動画にマッピングされ、20点を超える場合は最も関連性の高い商品が自動で検出されて各動画にマッチングされます。紐づけ結果は「リンクされた商品を表示」から確認・編集できます。

ここで見落としやすいのが、自動マッピングの結果を公開前に必ず目視で確認することです。20点を超えるカタログでは、動画に映っていない商品が紐づくことがあり、ユーザーが動画で見た商品と商品カードが一致しない状態は離脱の原因になります。紐づけの誤りを見つけたら手動で外し、動画に実際に映っている商品だけを残してください。

ダイナミックアドオンの扱い

カタログ動画またはシングル動画のフォーマットでは、広告パフォーマンスを高めるためにダイナミックアドオンが自動で選ばれます。商品カードや価格表示などのインタラクティブな要素が動画に重なる形になるため、動画の下部や右側に重要なテキストを置くと隠れてしまうおそれがあります。素材を作る段階でアドオンが重なる領域を避けて文字を配置しておくと、表示崩れを防げます。

動画素材を短期間で量産したい場合は、TikTokのAI制作ツールで初稿を作り、人の手で商品の見せ方を整える方法も選択肢になります。AI動画の初稿を量産して検証速度を上げる方法については、以下の記事で詳しく解説しています。

Spark Adsを併用するときの条件と注意点

Smart+ Catalog AdsではSpark Adsを併用でき、承認済みのオーガニック投稿やTikTokアカウントのコンテンツをカタログ広告の素材として使えます。ただし、2026年10月時点の公式ヘルプでは、Spark AdsとSpark Ads以外の広告を同じキャンペーン内で混在させることはできないと明記されています。この制約を知らずに素材を組むと、広告の作り直しが発生します。

Spark Adsを有効にする設定

広告の設定画面で「TikTokアカウントを使用してSpark Adsを配信」を有効にすると、承認済みの投稿や、承認済みのTikTokアカウントのコンテンツを素材として選べるようになります。自社アカウントの投稿だけでなく、クリエイターから投稿の利用許可を受けたコンテンツも使えるため、ユーザー目線の紹介動画をカタログの商品と組み合わせられます。

Spark Adsはプロフィールへの導線やいいね・コメントが自社アカウントに積み上がる点が強みです。カタログ広告と組み合わせると、商品カードから購入ページへ進むユーザーと、アカウントをフォローして後日購入するユーザーの両方を取り込めます。クリエイターの投稿を使う場合は、利用許可の期間が配信期間をカバーしているかを必ず確認しておきましょう。

Spark Ads併用で起きやすい失敗

  • 素材の混在:Spark Adsと通常のアップロード動画を同じキャンペーンで使おうとして作り直しになる
  • 許可期限切れ:クリエイター投稿の利用許可が配信途中で切れて広告が止まる
  • 商品の不一致:投稿に映っていない商品が自動で紐づき、商品カードと内容がずれる
  • 投稿の削除:元投稿が削除・非公開にされ、配信中の広告が停止する

Spark Adsと通常素材の分け方

混在できないという制約があるため、Spark Adsを使うキャンペーンと、アップロード動画を使うキャンペーンは最初から分けて設計するのが基本です。たとえばクリエイター投稿が十分に集まっている商品群はSpark Ads用のキャンペーン、ブランド撮影の動画で訴求したい商品群は通常素材用のキャンペーンとし、それぞれに合った商品セットを割り当てます。

両者の成果を比べるときは、同じ商品セットと同じ最適化目標で揃えておかないと、素材の違いなのか商品の違いなのかが判断できません。比較期間は最低でも2週間を確保し、学習が安定してからCPAとROASを並べて評価すると、どちらの素材に予算を寄せるべきかを判断しやすくなります。

URLパラメータとトラッキングの設計

Smart+ Catalog AdsのURLパラメータは、広告の「遷移先URL」欄の「URLパラメータを作成」から設定し、設定箇所を一本化することが最も重要です。公式ヘルプ「How to build URL Parameters for Catalog ads」によると、広告側で設定したUTMパラメータは、カタログマネージャーのルールや手動で付けたパラメータを上書きします。広告とカタログの両方でパラメータを付けていると、意図しない値で計測されてしまいます。

マクロを使ったパラメータの組み方

TikTokでは、URLにキャンペーンや広告の情報を動的に差し込めるマクロが用意されています。公式ヘルプ「About UTM Parameters」では、キャンペーンIDを表す__CAMPAIGN_ID__、広告グループIDを表す__AID__、クリエイティブIDを表す__CID__、プレースメントを表す__PLACEMENT__などが案内されています。アップグレード版Smart+キャンペーンでは、広告IDとして__ADID_V2__と__ADID_V2_NAME__を使う点に注意が必要です。

GA4などで流入を分析する場合は、utm_sourceにtiktok、utm_mediumにpaid_social、utm_campaignに__CAMPAIGN_ID__、utm_contentに__CID__を入れる構成が扱いやすいです。名前系のマクロは日本語や記号が含まれると集計時に崩れやすいため、IDで受け取り、管理画面のレポートと突き合わせて名称を補う運用をおすすめします。

マクロ差し込まれる値用途の例
__CAMPAIGN_ID__キャンペーンIDutm_campaign
__AID__広告グループ(広告セット)ID商品セット別の比較
__ADID_V2__アップグレード版Smart+の広告ID広告単位の分析
__CID__クリエイティブIDutm_content・動画別の比較
__PLACEMENT__プレースメントTikTokとPangleの比較
TikTok広告で使える主なURLマクロ(TikTok Business Help Center「About UTM Parameters」をもとに作成・2026年10月時点)

パラメータ設定で避けたいミス

公式ヘルプでは、自社サイトのURLを貼り付ける場合、UTMパラメータの値に「?」「&」「=」などの特殊文字を含めないよう注意喚起されています。商品ごとのURLはカタログのlinkから自動で使われるため、パラメータは広告側で一括付与し、カタログのURLにはパラメータを含めない形に揃えると重複を防げます。

第三者の計測ツールを使う場合は、広告の「トラッキング」セクションで「編集」をクリックし、サイトに設定済みのトラッキングを追加します。公開前にプレビューで最終URLを確認する習慣をつけ、パラメータが二重になっていないか、商品ページへ正しく遷移するかを数商品分チェックしてください。計測の欠損を補う仕組みとしては、PixelとEvents APIの併用も検討する価値があります。

Pixel単独の計測で生じる欠損をEvents APIでどこまで埋められるかについては、以下の記事で詳しく解説しています。

公開後の審査と初期運用のチェックポイント

Smart+ Catalog Adsは、公開するとカタログ広告と商品のすべてが審査対象になり、承認後に選択した目標に沿って自動で最適化が始まります。公開直後の数日は、配信量よりも審査状況と商品の表示状況を確認することが優先です。一部の商品が不承認になっていると、商品セットの実質的な商品数が減り、4点の最低条件を下回ることもあります。

公開直後に確認すること

まず、カタログマネージャーで不承認や警告が出ている商品がないかを確認します。不承認の理由が価格の不一致や画像の問題であれば、フィード側を修正して再審査に回します。次に、広告のプレビューで動画と商品カードの組み合わせを確認し、紐づけの誤りや、ダイナミックアドオンでテキストが隠れていないかを見ておきましょう。

配信が始まったら、イベントマネージャーで購入イベントの受信状況と商品IDの一致を確認します。広告経由の購入が管理画面に反映されているのに、商品別のレポートで特定の商品しか成果が出ていない場合は、イベントの商品IDが一部欠けている可能性があります。計測の問題は配信を止める前に直しておくと、学習のやり直しを避けられます。

学習期間中の判断基準

Smart+は設定変更のたびに学習がリセットされやすいため、公開から最低7日間は予算や商品セットを大きく動かさないのが基本です。この期間に見るべき指標は、商品別のインプレッションの偏り、クリック率、カート追加率で、CPAやROASだけで早期に判断すると、学習途中の揺れを失敗と取り違えてしまいます。

7日から14日が経過したら、商品セット別・動画別にCPAとROASを比較し、成果の低い商品セットの条件を見直します。成果が上がらない場合でも、すぐに手動キャンペーンへ戻すのではなく、商品データの欠損、動画本数の不足、パラメータの重複といった前提条件から順に点検するのが近道です。アトリビューション期間の設定によっても成果の見え方は変わるため、評価のルールをチームで揃えておきましょう。自社だけで原因を切り分けられない場合は、広告運用の無料相談もご活用ください。

クリック計測とビュー計測を分けてアトリビューション期間を決める手順については、以下の記事で詳しく解説しています。

まとめ TikTok Smart+ Catalog Adsは商品データと動画の接続で決まる

TikTok Smart+ Catalog Adsは設定項目が少ない分、商品データと動画素材の準備、そして計測設計の丁寧さが成果をそのまま左右します。本記事の内容を、公開前のチェックリストとして活用してください。

  • 前提条件を満たしてから設定する。在庫あり・承認済み・有効化済みの商品を4点以上揃え、価格と在庫をLPと同期させたうえで、購入イベントの商品IDとsku_idの一致を確認します。
  • 商品セットから始めて範囲を広げる。売れ筋や粗利の高い商品セットで学習させ、成果が安定してからすべての商品へ広げると、低単価品への偏りを防げます。
  • 動画は6本以上用意し紐づけを確認する。自動マッピングの結果を目視で確認し、Spark Adsと通常素材はキャンペーンを分け、URLパラメータは広告側に一本化します。

まずは無料で広告アカウント診断を

TikTokのカタログ広告は、カタログの品質、イベントの商品ID、動画素材、計測パラメータが一つでもずれると、Smart+の自動化が本来の力を発揮できません。設定画面ではエラーが出ないまま成果だけが伸び悩むケースも多く、原因の切り分けには広告アカウントとカタログ、計測の三方向からの点検が必要です。

株式会社ハーマンドットでは、TikTok広告をはじめとするSNS広告・検索広告の運用代行を行っています。カタログの設計から動画素材の作り分け、計測環境の整備まで、成果につながる改善点を具体的にお伝えします。

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