SFA導入コンサルのBing検索面は デモ依頼より前の要件整理ニーズを拾うと商談化しやすい

SFA(営業支援システム)の導入コンサルティングを提供する会社が検索広告を回すと、獲得できるコンバージョンは「デモ依頼」か「資料請求」にほぼ集約されます。ところがそこから商談に進む率を追いかけると、想定したほど伸びないことが少なくありません。理由は単純で、デモ依頼というアクションはすでに候補製品が2〜3本に絞り込まれた人の行動であり、その段階では導入支援ベンダーの選定も並行して終わりかけているからです。

一方でMicrosoft広告(Bing広告)の検索面には、まだ製品名を指名していない層のクエリが一定量残っています。業務用PCの多くがWindowsで、Microsoft Edgeの既定検索エンジンがBingであることから、社内のPCから業務課題を調べる動きがそのまま検索クエリとして表に出てきます。検索ボリュームそのものは小さい面ですが、要件が固まっていない担当者へ先回りして接触できるという意味で、導入コンサル側にとっては都合のよい在庫です。

この記事では、SFA導入コンサルがMicrosoft広告の検索面をどう設計すれば、デモ依頼より前の「要件整理ニーズ」を拾って商談化につなげられるのかを、検索意図の層分け、キャンペーン構造、オファー設計、計測、予算配分の順に解説します。2026年8月時点の実務を前提に、広告運用代行の現場で実際に判断材料として使っている基準だけに絞ってまとめました。

この記事の要点

  • SFA導入コンサルのBing検索面は、製品指名前の「要件整理層」を拾えるため商談化しやすい
  • デモ依頼だけを主コンバージョンに置くと、選定初期の見込み客を丸ごと取りこぼす
  • 検索意図は課題認知・要件整理・比較検討・製品指名の4層に分け、層ごとに受け皿を変える
  • 要件整理層のオファーはデモではなく、持ち帰れる要件定義シートや個別の壁打ちにする
  • 評価はリード単価ではなく商談単価で見る。判断は月次ではなく四半期単位が現実的

SFA導入コンサルのBing検索面が商談化しやすい理由は 要件整理段階の検索を拾えるから

SFA導入コンサルにとってBingの検索面が商談化しやすいのは、製品名を指名する前の要件整理段階のクエリを、Google広告より低いクリック単価で拾えるからです。Google広告の検索面はSaaSベンダー自身が製品指名や比較キーワードに強い入札を入れており、導入支援側が同じ土俵に上がると単価負けします。Bing側は出稿社数が少ない分、比較検討の手前にある言葉が現実的な単価で買える余地が残っています。

Microsoft広告は業務PCの標準ブラウザ経由で法人の一次調査に届く

Microsoft広告(旧Bing広告)とは、検索エンジンBingに加えてMicrosoft Edge、Outlook.com、MSNといったMicrosoftが保有する配信面に対して、検索連動型広告やオーディエンス広告を出稿できる運用型広告プラットフォームです。日本国内では検索シェアそのものは大きくありませんが、法人が支給する業務用PCではEdgeとBingが既定のまま使われているケースが多く、業務時間帯の検索に偏りが出ます。

この偏りは、SFA導入コンサルの見込み客像とかなり素直に重なります。営業企画や情報システム部門の担当者が、社内の営業報告のばらつきや案件進捗の不透明さをどうにかしたいと思ったとき、最初に検索するのは支給されたPCの標準ブラウザです。自宅のスマートフォンから業務システムの選定を調べ始める人は多くありません。つまりBing側には、業務文脈での一次調査がそのまま残りやすい構造があります。

ハーマンドットが法人向けサービスの検索広告を預かるとき、Microsoft広告を最初から外すことはまずしません。月間の獲得件数が2〜3件しか積み上がらない面であっても、その2〜3件が要件整理段階の担当者であれば、商談単価としてはGoogle広告の比較キーワードより安く済むことが珍しくないためです。件数の少なさと質の高さは、法人商材では切り分けて評価する必要があります。

SFA導入の意思決定は情報システム部門と営業企画の二人三脚で進む

SFAの導入検討は、一人の担当者が調べて決めて終わる買い物ではありません。営業現場の課題を持っている営業企画やマネージャー層と、既存システムとの接続やセキュリティ要件を見る情報システム部門が、それぞれ別の観点で情報収集を進めます。検索クエリもこの二者で明確に分かれ、前者は運用や定着の話、後者は連携仕様や権限設計の話を調べます。

導入コンサルの強みが効くのは、この二者の言語がまだ揃っていない時期です。製品比較表を作る段階まで進んでしまうと、比較軸はSaaSベンダーが用意した土俵の上に固定され、支援会社は「導入作業の下請け」として値段で選ばれます。逆に要件整理の段階で接触できていれば、比較軸そのものを一緒に作る立場に立てるため、価格競争から距離を置いた提案ができます。広告設計もこの時間差を取りに行く前提で組むべきです。

検索ボリュームの小ささはクリック単価と競合密度で相殺できる

Microsoft広告に対してよく出る反論が「日本では検索ボリュームが足りない」というものです。これは事実として正しく、同じキーワードでGoogle広告と比べればインプレッションは一桁変わることも普通にあります。ただし広告の目的が月間数百件のリード獲得ではなく、月間数件の質の高い商談創出であれば、母数の小ささは必ずしも致命傷になりません。

実務上の判断基準としては、既存のGoogle広告アカウントで比較検討層のクリック単価が上がりきっていること、そしてサイト全体の流入のうちEdge経由が数パーセント以上を占めていることを確認してから着手します。この2点が揃っていれば、Microsoft広告側で同じキーワード群を買ったときのクリック単価はGoogle広告の6〜8割程度に収まることが多く、少ない在庫でも採算が合います。逆にどちらも満たさない場合は、まずGoogle広告側の整理を優先したほうが早く成果が出ます。

Microsoft広告そのものの運用体制や外注判断については、媒体単位で整理した記事も用意しています。

デモ依頼だけを主コンバージョンに置くと 選定初期の要件未整理層を取りこぼす

デモ依頼だけを主コンバージョンに設定した検索広告は、選定プロセスの終盤しか刈り取れません。デモを申し込むという行為は、社内で予算の目処が立ち、比較する製品が決まり、日程を調整できる状態になって初めて起きます。そこに至るまでの数週間から数か月のあいだ、担当者は検索を繰り返しているにもかかわらず、広告側には何の反応も返ってこない設計になっているわけです。

デモ依頼は候補が絞り込まれた後にしか発生しない

SFAの選定は、社内の課題整理から始まり、要件の言語化、候補製品のリストアップ、比較、デモ、稟議という順に進みます。このうちデモが発生するのは後半で、しかもその時点では「どの製品にするか」が主論点になっており、「誰に導入を支援してもらうか」はベンダーが紹介するパートナーで埋まってしまうことが多くあります。導入コンサルが後半で登場すると、既に決まった枠に入りに行く戦い方になります。

加えて、デモ依頼というコンバージョンは競合との単価競争が最も激しい場所でもあります。SaaSベンダー本体が同じキーワードに広告を出しており、彼らは製品の粗利からクリック単価を逆算できるため、支援会社が同じ単価で買い続けるのは構造的に苦しくなります。ここで勝負を挑むよりも、まだベンダーが本腰を入れていない手前の層を押さえるほうが、費用対効果の面でも組み立てやすくなります。

要件未整理層の検索語には製品名が入らない

要件がまだ固まっていない担当者は、製品名で検索しません。「営業の案件管理 属人化」「日報 集計 手間」「営業 進捗 見えない 対策」といった、課題そのものを言語化しただけの言葉で検索します。この段階のクエリは検索ボリュームが分散しているうえ、SaaSベンダーの広告文とも噛み合わないため、入札競争が緩く残っていることが少なくありません。

ここを取りに行くとき、広告文で製品名を出す必要はありません。むしろ出さないほうが反応します。伝えるべきは「その課題は要件整理の順番を間違えると導入後に定着しない」という論点であり、次のアクションとして提示すべきものはデモではなく、要件を整理するための材料です。この設計を取ると、リード獲得数そのものは増えなくても、商談化率が明確に変わります

主コンバージョンをデモに固定したときの機会損失

デモ依頼のみを計測対象にすると、広告プラットフォームの自動入札は「デモを申し込む人に似た人」だけを学習します。要件整理層はデモを申し込まないため、そのクラスタは学習データから排除され、配信は加速度的に後半層へ寄っていきます。つまりコンバージョン定義そのものが、拾いたい層を配信対象から締め出す方向に働きます。

この構造は、コンバージョンポイントを増やすだけで一定は改善します。要件整理向けのオファーを別コンバージョンとして計測に載せ、キャンペーン単位で目的を分ければ、自動入札の学習も分岐します。ただし増やしすぎると評価軸が崩れるため、コンバージョン定義は最大3種類までに留め、それぞれの商談化率を別々に追える状態を作っておくことが前提になります。

要件が固まっていない層と相見積もり層を分けて拾う考え方は、システム開発会社の商談獲得でも同じ論点になります。

検索意図の分解は 課題認知・要件整理・比較検討・製品指名の4層で行う

SFA導入コンサルのキーワード設計は、課題認知・要件整理・比較検討・製品指名という4層に分けたうえで、層ごとに広告文と着地点を変えるのが基本形です。ひとつのキャンペーンに全部を混ぜると、単価の高い製品指名系にクリックを吸われ、拾いたかった要件整理層の露出が確保できません。層を分けることは、予算配分を守るための仕組みでもあります。

4層のキーワード群と受け皿の対応関係

層の分け方は理屈より運用のしやすさを優先します。実務では下の表のように、クエリの型と提示するオファー、そして期待する次のアクションをセットで定義しておくと、広告文の修正やLPの差し替えを迷わず進められます。層をまたいだクエリが出たときの振り分けルールも、この表を基準に決めていきます。

検索意図の層クエリの型提示するオファー次のアクション
課題認知営業 案件管理 属人化/日報 集計 手間課題の構造を説明する解説記事資料ダウンロード
要件整理SFA 導入 進め方/営業支援システム 要件定義要件定義シート・個別の壁打ち個別相談の申し込み
比較検討SFA 比較/CRM SFA 違い選定軸の整理と中立的な比較観点比較資料の請求
製品指名製品名 導入支援/製品名 設定代行導入支援の実績と工数の目安デモ依頼・見積依頼

この表で重要なのは、要件整理層に対してデモを提示していない点です。要件がまだ言語化されていない相手にデモを見せても、判断材料が増えないまま「よく分からないが便利そう」で終わります。逆に要件定義のたたき台を渡せば、その資料を社内で回覧してもらえる可能性があり、意思決定プロセスの内側に自社の考え方を先に置けます。

層ごとにコンバージョンポイントを変える

層を分けたら、コンバージョンポイントも合わせて分けます。課題認知層に個別相談を求めるのは早すぎますし、製品指名層に解説記事のダウンロードを出すのは遅すぎます。同じフォームを全層で使い回している状態は、どの層に対しても最適化されていないことを意味するため、まずここを整理するだけで商談化率が動きます。

そのうえで、各層のコンバージョンを同じ重みで評価しないことが大切です。課題認知層の資料ダウンロードは商談化まで距離があるため、獲得単価が安く見えても即座に予算を寄せるべきではありません。層ごとに「獲得単価」と「商談化率」を並べて管理し、掛け合わせた商談単価で初めて比較する運用に切り替えます。

除外キーワードで守るべき範囲

法人向けの検索広告では、除外キーワードの整備が配信品質を左右します。SFA関連のクエリには、就職や転職の情報収集、無料ツールの探索、学習目的の調べもの、既存ユーザーの操作方法確認といった、商談につながらない意図が大量に混ざります。これらを放置すると、限られた予算が学習ノイズに消えていきます。

  • 採用・転職系:「SFA 求人」「営業支援システム 転職」など人材文脈のクエリ
  • 無料志向:「SFA 無料」「営業管理 エクセル テンプレート」など内製前提の探索
  • 学習目的:「SFAとは 簡単に」「SFA 資格」など知識取得で完結する語
  • 既存利用者:「◯◯ ログイン」「◯◯ 使い方」などサポート目的の語
  • 個人事業向け:「一人 営業管理 アプリ」など予算規模が合わない語

除外を入れる際は、完全一致で範囲を絞るのか、フレーズ一致でまとめて止めるのかを毎回判断します。Microsoft広告は検索ボリュームが少ないため、広く止めすぎると配信が立ち上がらなくなります。四半期に一度は検索クエリレポートを見直し、止めすぎている語を戻す作業まで含めて運用サイクルに組み込んでおくと安全です。

リードの質そのものを指標としてどう管理するかは、BtoB全般に共通する論点として別途まとめています。

Microsoft広告の配信設計は 少ないインプレッションを前提に組む

Microsoft広告のキャンペーン設計は、Google広告と同じ粒度で作ると必ず失敗します。データ量が一桁少ない面で広告グループを細かく割ると、どのグループにも学習に足るクリックが溜まらず、自動入札が機能しないまま予算だけが分散します。設計思想としては「意図の層では分けるが、キーワードの粒度では分けない」が出発点になります。

キャンペーンは意図層で分け 広告グループは束ねる

推奨する構造は、キャンペーンを課題認知・要件整理・比較検討・製品指名の4つに切り、その配下の広告グループは各2〜3個までに抑える形です。キャンペーンを分ける理由は予算とコンバージョン定義を別々に守るためであり、広告グループを束ねる理由はデータを集約して学習を成立させるためです。この二つの目的は方向が逆なので、どちらの層で分けるかを意識的に決めます。

広告文は広告グループごとに3本前後を用意し、レスポンシブ検索広告のアセットを埋めます。ここで気をつけたいのは、Google広告からコピーした広告文をそのまま使わないことです。Bing側のクエリは業務文脈に寄るため、成果や導入社数を押す訴求より、検討プロセスの不安に触れる訴求のほうが反応します。同じキーワードでも読み手の温度が違う前提で書き分けます。

Google広告からのインポートで壊れやすい設定

Microsoft広告にはGoogle広告のキャンペーンをインポートする機能があり、立ち上げ工数を大幅に削減できます。ただしインポートは万能ではなく、移行時に意図しない設定へ書き換わる項目がいくつかあります。特にBtoBでは配信地域と除外設定の崩れが致命的になりやすいため、インポート直後は必ず全キャンペーンの設定を目視で確認します。

インポート後に必ず点検する項目

  • 配信地域:「地域内の人」指定が「地域に関心を示した人」に変わっていないか
  • 除外キーワード:アカウント階層の除外リストは引き継がれないため手動で再登録する
  • 入札戦略:目標CPAの数値がそのまま移り、データ量に対して厳しすぎないか
  • 広告表示オプション:サイトリンクや電話番号の紐づけが外れていないか
  • コンバージョン設定:UETタグ側の目標と広告側の目標が一対一で対応しているか

インポートを定期同期に設定している場合は、Microsoft広告側で加えた個別の調整が次回同期で上書きされる事故にも注意が必要です。運用を分岐させると決めた時点で自動同期は切り、以後は独立したアカウントとして扱うほうが管理が安定します。二重管理の手間よりも、意図しない巻き戻しのほうが損失が大きいためです。

入札戦略は手動寄りから始めて段階的に移す

コンバージョン数が月間10件に満たない状態で目標コンバージョン単価などの自動入札を使うと、学習が収束せず配信が不安定になります。立ち上げ期は拡張クリック単価または手動クリック単価で始め、キーワードごとの単価を人の判断で調整するほうが結果的に早く安定します。自動入札への移行は、コンバージョンが月間15件前後で安定してからが目安です。

また、Microsoft広告には検索面だけでなくオーディエンスネットワークへ自動的に配信を広げる設定があります。BtoBの立ち上げ期はこれを切り、検索面だけで意図の取れ方を確認してから広げるほうが判断を誤りません。面を混ぜたまま数字を見ると、検索面のクリック単価が高いのか、オーディエンス面の無駄打ちが多いのかを切り分けられなくなります。

要件整理層の受け皿は デモ依頼ではなく持ち帰れるオファーにする

要件整理層に提示すべきオファーは、社内に持ち帰って使える成果物です。デモは「見て終わる」体験であるのに対し、要件定義のたたき台や比較軸のチェックリストは、担当者が上長や情報システム部門に共有するための道具になります。共有されるということは、意思決定の場に自社の整理の仕方が持ち込まれるということであり、そこから先の会話は圧倒的に有利になります。

オファーは社内で回覧できる成果物として設計する

実務で効果が出やすいのは、SFA導入の要件を洗い出すためのワークシート、現行の営業プロセスを図解するためのテンプレート、そして選定時に確認すべき質問リストの3種類です。いずれも製品を売り込む内容にせず、中立的な整理の道具として作り切ることが条件になります。売り込みが混ざった瞬間に社内共有されなくなるため、そこは徹底します。

あわせて、資料ダウンロードの後に「30分の個別相談」を任意で案内する導線を置きます。ここで重要なのは順番で、先に相談を求めるのではなく、資料を渡したうえで相談を選べる形にすることです。ハーマンドットが法人向けサービスで見ている限り、この順番を入れ替えるだけで相談申込率が変わるケースは珍しくありません。先に価値を渡してから接触機会を求めるという原則は、要件整理層ほど強く効きます。

LPは製品比較表から始めない

要件整理層が着地するLPを、製品比較表から始めるのは悪手です。比較表は「候補が決まっている人」向けの情報であり、まだ課題を言語化している最中の担当者にとっては、判断できない情報が並んでいるだけの画面になります。ファーストビューで提示すべきは、その担当者が抱えている状況の言い当てです。

構成としては、課題の描写、導入がうまくいかない典型的な原因、要件整理の進め方の概要、提供するワークシートの中身、支援の流れ、という順に並べます。実績や導入社数はこの後ろで構いません。検討の初期にいる人が知りたいのは「この会社が信頼できるか」より先に「自分の状況が整理できそうか」であり、順番を間違えると離脱します。

フォーム項目は3つに絞り 後追いで補う

要件整理層のフォームは、会社名・氏名・メールアドレスの3項目に絞ります。電話番号や従業員規模、導入予定時期といった項目は、営業側にとっては有用でも、まだ社内で話を通していない担当者にとっては入力の心理的ハードルになります。項目を1つ増やすごとに完了率が落ちる前提で設計するのが安全です。

不足する情報は、資料送付後のフォローメールやサンクスページのアンケートで段階的に取ります。特に導入予定時期と社内の推進体制については、最初のメール返信のなかで自然に確認できる質問を仕込んでおくと、無理なく精度を上げられます。フォームの短さと情報量は、時間差で両立させるものだと考えておくと設計が楽になります。

無料トライアルを主軸に置いたSaaS側の広告設計とも比較すると、支援会社側が取るべき立ち位置がより明確になります。

計測は デモ依頼で止めず商談化と受注まで戻す

SFA導入コンサルの広告計測は、フォーム送信で止めずに商談化と受注まで戻すべきです。ここで扱う商材は自社がSFAを扱う会社である以上、案件の進捗データは社内に揃っているはずで、それを広告側に返す仕組みを作らない理由がありません。むしろ自社が提供するサービスの実践例として、計測基盤の整備は提案材料そのものになります。

オフラインコンバージョンで学習の対象をずらす

フォーム送信を最終地点にした計測では、自動入札は「フォームを送る人」を増やす方向にしか動きません。商談化した案件のIDを広告のクリックIDと紐づけて戻すオフラインコンバージョンの取り込みを行えば、学習の対象を「商談になった人」に寄せられます。Microsoft広告でもオフラインコンバージョンのインポートは可能で、UETタグで取得したクリックIDを起点に突合します。

運用としては、SFA側で商談化ステータスに移った案件を週次で書き出し、広告側へ取り込む流れを固定します。日次にしても学習速度は変わらないため、週次で十分です。取り込む対象は商談化と受注の2段階に分け、それぞれに異なるコンバージョン価値を設定しておくと、後から予算配分の判断に使えます。

SFA側で保持しておくべき項目

広告に戻すためには、SFA側のデータ設計を先に整えておく必要があります。最低限、リードの流入元、クリックID、初回接触日、商談化日、受注日、受注金額の6項目が揃っていれば、広告側の評価は成立します。逆にこれらが手入力の自由記述で散らばっていると、突合作業が毎回手作業になり、続きません。

計測基盤で起きやすい事故

  • クリックIDをフォームの隠しフィールドで受け取っておらず、後から紐づけられない
  • 流入元がプルダウンではなく自由記述で、表記ゆれにより集計不能になる
  • 商談化の定義が営業担当ごとに異なり、同じ指標を比較できない状態になる

特に商談化の定義は、広告運用を始める前に社内で言葉を揃えておくべき部分です。「一度打ち合わせをした」を商談とするのか、「課題のヒアリングを終えて提案予定が立った」を商談とするのかで、数字の意味が完全に変わります。定義が揺れたまま数か月運用すると、遡って比較できないデータだけが残ります。

評価指標はリード単価ではなく商談単価に置く

層を分けて配信している以上、評価もリード単価では成立しません。課題認知層のリード単価が5,000円、要件整理層が20,000円だったとしても、商談化率がそれぞれ3%と35%であれば、商談単価は前者が約167,000円、後者が約57,000円となり、判断は逆転します。この計算を毎月やらずに単価だけを見ていると、確実に誤った方向へ最適化が進みます。

レポートの形式としては、キャンペーン別にクリック数・コンバージョン数・獲得単価・商談化率・商談単価を横に並べ、直近3か月の推移を添えるだけで十分です。日次の変動を追う必要はありません。件数が少ない面では、短期の数字は誤差のほうが大きいためです。広告アカウントの見方に不安があれば、ハーマンドットの無料診断で現状の指標設計から確認することもできます。

広告データとCRM側のデータをつなぐ具体的な手順は、ツール連携の観点でも整理しています。

予算配分と検証期間は 四半期単位で判断する

Microsoft広告を含むBtoBの検索広告は、月次ではなく四半期単位で判断するのが現実的です。SFAの導入検討は初回接触から受注まで3か月から半年かかることが普通で、月次で数字を締めても、その月の広告費とその月の受注はまったく別の案件を指しています。短い期間で良し悪しを決めると、伸びかけた施策を止めてしまいます。

初期テスト予算の考え方

立ち上げ時の予算は、Google広告の既存アカウントに対する追加投資として設計します。既存予算を削ってMicrosoft広告に回すのではなく、検証枠として別に確保するほうが判断がぶれません。規模感の目安は下の表のとおりで、いずれも3か月継続することを前提にしています。

既存の検索広告費(月額)Microsoft広告の検証予算検証期間判断の主指標
30万円未満月5万円3か月クリック単価と検索クエリの質
30〜100万円月10〜15万円3か月コンバージョン単価
100万円以上月20〜30万円6か月商談単価と受注件数

この表の予算はあくまで検証段階のものです。要件整理層から実際に商談が生まれることを確認できたら、そこから先はGoogle広告との合計予算のなかで配分を組み替えていきます。逆に3か月回してクエリの質が期待と違った場合は、キーワードを絞って予算を半分に落とし、様子を見ながら継続する判断のほうが、完全撤退より回収できます。

拡大と縮小の判断基準

拡大を判断する条件は、商談単価がGoogle広告の同等キャンペーンを下回っていること、そして獲得したリードの役職や企業規模が想定と合っていることの2点です。件数が少なくてもこの2点が満たされていれば、予算を増やす価値があります。逆に件数が出ていても、リードの中身が個人事業主や学生に寄っているなら、キーワードとオファーの設計に戻ります。

縮小や停止を検討するのは、3か月で商談が1件も生まれず、かつ検索クエリレポートに意図の合う語がほとんど現れていない場合です。この場合は媒体の相性ではなく、そもそも狙っているキーワード群の検索需要が小さすぎる可能性が高いため、ディスプレイやオーディエンス面、あるいは別チャネルへの振り替えを検討します。判断材料が揃わないまま延長するのが最も避けたい状態です。

Google広告との役割分担を先に決める

両媒体を並行して回すなら、役割を先に決めておきます。Google広告は比較検討層と製品指名層を面で押さえる主戦場、Microsoft広告は要件整理層を拾う補助線、という分担が導入コンサルには噛み合います。同じキーワードを両方で買って単価を比べる使い方は、検証としては意味がありますが、恒常的な運用としては予算を薄めるだけです。

役割を分けたら、レポートも分けて読みます。Google広告側は件数と獲得単価、Microsoft広告側は商談化率と商談単価を主指標に置くと、それぞれの強みを潰さずに評価できます。国内企業のデジタル活用の実態はIPA(情報処理推進機構)が公表する「DX動向2026」(https://www.ipa.go.jp/digital/chousa/dx-trend/dx-trend-2026.html、2026年7月公表)にまとまっており、DXに取り組む企業が広がる一方で成果実感には差がある状況が読み取れます。要件整理を支援する立場の需要は、当面なくなりません。

まとめは 要件整理層を主戦場に据えた設計が商談化を決める

SFA導入コンサルの検索広告は、デモ依頼という後半のアクションを追いかけている限り、SaaSベンダー本体との単価競争から抜け出せません。Microsoft広告の検索面に残っている要件整理段階のクエリを拾い、持ち帰れるオファーで受け止め、商談化まで戻した計測で評価する。この3点が揃って初めて、件数の少なさが弱点ではなく強みに変わります。

  • 意図の層で分ける。課題認知・要件整理・比較検討・製品指名の4層でキャンペーンを分け、層ごとにオファーとコンバージョン定義を変える
  • デモの前に成果物を渡す。要件定義シートやチェックリストなど社内で回覧できるものを提示し、そのうえで個別相談を任意で案内する
  • 商談単価で判断する。リード単価ではなく商談化率を掛けた商談単価で比較し、四半期単位で拡大と縮小を決める

設計の順番を守れば、月間の獲得件数が数件でも事業として成立します。逆に順番を間違えたまま予算だけを増やすと、フォーム送信は増えても商談は増えないという状態に固定されます。まず自社のアカウントがどちらの状態にあるのかを、数字で確かめるところから始めてください。

まずは無料で広告アカウント診断を

ハーマンドットでは、BtoB商材の検索広告アカウントを対象に無料の診断を行っています。SFAや業務システムの導入支援のように、検討期間が長く意思決定者が複数いる商材では、キーワードとオファーの噛み合わせを一度整理するだけで商談化率が変わることが少なくありません。現在の獲得単価が適正なのか、拾えていない層がどこにあるのかを、実際のアカウントデータをもとにお伝えします。

診断では、キャンペーン構造とコンバージョン定義の点検、検索クエリの質の確認、Microsoft広告を含む媒体追加の妥当性判断までを行い、優先順位をつけた改善案としてお渡しします。運用を任せるかどうかは、その内容を見てから判断していただければ十分です。初回相談は完全無料・所要時間30分・オンライン対応可能ですので、まずは現状の把握からお気軽にご相談ください。

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