【2026年版】Google同意モード v2 完全ガイド|Google広告・GA4の計測漏れを防ぐ設定手順とCMP連携の実務

Google同意モード v2(Consent Mode v2)は、EUのデジタル市場法(DMA)施行に伴って2024年3月から事実上の必須要件となり、2026年現在はEU圏外でも「Googleの主要広告機能を正しく使うための前提」として急速に標準化が進んでいる仕組みです。同意バナーでCookie同意を得られなかったユーザーの行動を、同意パラメータ(ad_storage、ad_user_data、ad_personalization、analytics_storage)の形でGoogle側に伝え、モデリングでコンバージョンを補完する。これが中核の考え方です。

しかし実務では「GTMテンプレートに入っているから入れた」「CMPが自動で設定してくれているはず」で止まっているケースが非常に多く、結果としてGA4のデータが欠けたまま、Google広告の入札最適化が本来の力を出していない企業が珍しくありません。同意モード v2は、入れれば終わりではなく、CMPごとの実装差、モデリングの発動条件、広告成果への接続までを運用目線で設計して初めて機能するものです。

この記事では、広告運用代行の現場で実装・検証を重ねているハーマンドットの知見をベースに、同意モード v2の基本構造、GTM・gtag・CMP連携のすべての実装パターン、GA4/Google広告への影響、よくある失敗、そして自社でやるべきか代理店に任せるべきかの判断基準までを、一気通貫で整理します。公式ドキュメントでは触れられにくい「運用実務に落ちる形」での全体像を、ここで掴んでもらえれば十分です。

Google同意モード v2とは何か

同意モード v2の基本構造

Google同意モードは、Google広告・GA4・Floodlightなどのタグが「ユーザーの同意状態」を判断して、タグの動作を自動で切り替える仕組みです。従来のv1では「ad_storage」「analytics_storage」の2パラメータしかありませんでしたが、v2では広告配信への同意を表す「ad_user_data」と、広告のパーソナライズ可否を表す「ad_personalization」が追加されました。この追加は、Googleが広告配信のためにユーザーデータを使う場合と、そのデータを使ってパーソナライズする場合を明示的に分離したことを意味します。

4つのパラメータはそれぞれ「granted(同意済み)」と「denied(未同意)」の2値で送られ、タグ発火の挙動が変わります。granted時は通常のクッキーベース計測が動き、denied時はクッキーが書かれず、代わりに「ping」と呼ばれる匿名シグナルがGoogleへ送られます。このpingこそがモデリングの燃料となる重要な情報源であり、v2導入の最大の目的のひとつです。

v1との決定的な違い

v1とv2の違いは、単なる追加パラメータではありません。v1はあくまで「GDPR文脈のCookie同意」を扱うものでしたが、v2はDMAに定義された「個人データをGoogle広告サービスに渡すことへの同意」を扱うものへと概念が拡張されました。つまり、v2を入れていないサイトは、EEA圏のユーザーについてリマーケティング、カスタマーマッチ、一部のオーディエンス機能が動かない状態に陥ります。これは技術的な選択ではなく、広告機能を使うためのチケットのような位置づけです。

2026年時点で、日本国内向けのみの事業者もv2を実装しておくべき理由は大きく2つあります。まず、EEA圏からのアクセスがゼロでなければv2未実装はそれだけで機会損失です。次に、同意を得られなかった日本ユーザーのCVモデリングによる補完がv2でさらに精度を上げており、実装の有無がそのまま広告成果の差になる局面が増えてきています。

また、日本の改正個人情報保護法、Cookie関連の電気通信事業法改正、経済産業省のガイドラインなど、国内法の動きもユーザー同意の明示化を求める方向で強まっています。つまり「海外対応のついでに国内でも効く」ではなく、「国内の法的要請とも歩調を合わせる形でv2が必要になる」という構図です。2026年以降にITP・ATTの強化が続くことを踏まえると、同意モード v2を含む同意管理基盤の整備は、広告運用を続けるすべての事業者にとって避けられない投資になります。

なぜ2026年に同意モード v2が必須化しているのか

DMA施行と広告プロダクト側の締め付け

2024年3月のDMA施行を境に、Googleは同意モード v2が実装されていないサイトに対して、段階的に広告機能の制限を強めてきました。2025年後半には新規オーディエンスの作成が実質不能になり、2026年に入ってからは既存のリマーケティングリストも更新されなくなるケースが出てきています。海外配信を前提としていないBtoB企業でも、採用広告で海外からの応募導線を設けていれば影響を受けるため、無関係と言い切れる企業はかなり限られます。

広告運用代行の現場では、月の広告効果レポートを作成する中で「突然オーディエンスが更新停止になった」「既存リストの新規追加が0のまま固定された」という報告が2026年前半から急増しており、原因の多くはv2未実装であると特定されています。つまり、v2は今や法対応というより広告効率の直接要因です。

EEA圏のユーザー比率が小さい日本企業でも、Google広告の配信アルゴリズムは「学習材料」としてv2対応サイトのデータを優先するため、同じ予算でも未対応サイトは配信機会が絞られやすいという観察結果が出ています。代理店としてアカウントを診断する際、最初に見るのは予算でもクリエイティブでもなく、Googleタグ側の健全性です。タグが不健全なままでどれだけ予算をつぎ込んでも、学習が進まず入札最適化が空回りするため、v2の実装状況は「運用を始める以前の前提条件」として扱う必要があります。

計測データの構造変化とモデリングの高度化

同意を得られないユーザーの行動データがクッキーとして保存されない時代において、Googleはサーバーサイドでの集計、機械学習ベースのモデリング、プライバシーサンドボックスなど複数の手段でCVを推定する方向に完全に舵を切りました。同意モード v2はそれらに「匿名pingを供給する」役割を担っており、v2を入れていない企業はその供給源を自ら絶ってしまっていることになります。

実務で観測している範囲では、v2を正しく実装したGoogle広告アカウントでは、同意率が50〜70%のECサイトで観測CVが1〜2割増加するケースが一般的です。これは新規予算を追加せずに観測値が増えるため、tROASや目標CPAの入札で機械学習が学ぶ材料が増え、その後さらに成果が伸びるという複利効果があります。

モデリングは「ユーザーの同意が取れなかったので計測できない」という穴を、Google側が機械学習で埋める仕組みです。その穴埋めの精度は、同意ありユーザーから得られる学習データの厚みに比例するため、サイトの計測イベントがきちんと設計されているかどうかも間接的にモデリングの精度を左右します。購入完了、カート追加、商品詳細、検索といった主要イベントを正しく送信できているサイトは、同じ同意率でもモデリングCVの発動量が1.5倍近く多くなる傾向が見られます。計測設計の上流工程を含めて見直すと、v2導入の投資対効果はさらに膨らみます。

同意モード v2を実装しない場合の主なリスク

  • EEA圏ユーザーのリマーケティングリスト更新が事実上停止
  • カスタマーマッチ・類似オーディエンスの機能制限
  • CVモデリング補完が効かず、広告効率が1〜2割低下
  • GA4のデータ欠損が拡大し、経営指標が歪む
  • DMA対象地域からのトラフィックで法的リスクが残存

同意モード v2の動作フローと2つのモード

基本モードと高度モードの選択

同意モード v2には「基本モード(Basic)」と「高度モード(Advanced)」があり、どちらを選ぶかで計測のロジックが根本から変わります。基本モードは、同意が得られるまでGoogleタグを一切ロードしません。よってdeniedユーザーはそもそもpingも送られず、モデリングの材料になりません。シンプルかつ法務的に最も保守的な実装ですが、計測の観点では不利です。

一方、高度モードはタグは最初からロードされ、同意状態に応じてパラメータを送り分けます。deniedユーザーでも匿名pingが送られるため、Googleはそのシグナルを使ってモデリングCVを提供します。広告成果の観点では高度モードが圧倒的に有利で、実務では高度モードを採用するのが主流です。ただし、プライバシーレビューが厳しい業界や、社内法務の判断で基本モードを選ぶ企業も一定数存在します。

pingとモデリングの仕組み

高度モードで同意を得られなかったユーザーがCVに至った場合、Google側は「このページビューはdeniedユーザーによるものだった」というシグナルと、デバイス・地域・時間帯などの非個人情報を受け取ります。それを同様の条件で同意があったユーザーのCV率と突き合わせて、統計的に推定CVを出すのがモデリングCVです。モデリングが動くには1日あたり1,000以上のイベント、十分な多様性、ある程度の期間にわたる安定した同意率などの条件が必要で、ECや集客ページでは比較的発動しやすい一方、BtoBのリード獲得サイトでは発動のハードルが高い傾向があります。

BtoBサイトでイベント数がモデリングの閾値に届かない場合は、Micro CV(資料ダウンロード、ウェビナー申込、特定記事の閲覧)を広告側のコンバージョンに組み込み、学習材料の母数を増やすアプローチが有効です。実際に、月間セッション数が5万前後のBtoB SaaSサイトでモデリングが動いていなかったケースでも、Micro CV設計を入れ直すことで1週間ほどで「同意モード対応」ステータスがONに切り替わった事例があります。モデリング発動の有無は運用実績で左右できる部分が多く、単に「タグを入れたのに効かない」で終わらせず、イベント設計とセットで見直すのが鉄則です。

モデリングCVは100%正確なわけではなく、推定ロジック自体の限界はあります。ただ、それを理由にv2を諦めるのは短絡的です。重要なのは「モデリングCVを鵜呑みにしてレポートする」のではなく、「モデリングCVによって取り戻した配信効率を、最終的な売上・受注でクロスチェックする」という運用文化を持つことです。Google広告のレポートとCRMの商談データを毎月突き合わせる簡易的なダッシュボードを整備しておけば、モデリングの恩恵と現実の受注との乖離を定量的に監視できます。

Google同意モード v2の動作フロー図
図1:同意モード v2の基本フロー。同意取得前の挙動が基本モードと高度モードで分岐する。

実装パターン別の設定手順

GTMで実装する場合

Google Tag Manager経由の実装は、既にGTMを導入しているサイトであれば最もスムーズな選択肢です。GTMのコンテナ設定で「同意設定」を有効化し、各タグに対して必要な同意タイプを紐づけます。さらに同意初期化タグをOther All Pagesよりも先に発火させ、CMPからの同意イベントを受けて同意状態を更新するタグを用意します。ここで重要なのは、「初期化時点でdenied」をデフォルトにし、CMPのイベントで明示的にgrantedへ切り替えるフローを徹底することです。デフォルトをgrantedにしてしまう事故は実装後の監査で最も多く見つかる不具合です。

GTM経由実装のもう一つの利点は、コンテナを環境ごとに分けてテストできることです。本番・ステージング・開発の3環境をGTMワークスペースで分離し、同意モード v2の設定変更は必ずステージングで検証してから本番に公開するフローを確立しておくと、設定ミスが本番に直撃するリスクを抑えられます。

GTMプレビューモードでは「同意(Consent)」タブから各タグが発火した時点での同意状態を可視化できます。実装直後はこのタブで全タグが意図した同意状態で動いているかを必ず確認してください。ad_user_dataとad_personalizationがgrantedになっていない状態でGoogle広告タグが発火していても、広告機能側では「同意なし」として処理されるため、現場では見落とされやすい落とし穴です。

GTM実装では、同意タイプをタグ単位で上書きできる機能がありますが、これを濫用するとCMPが管理しているはずの同意状態が個別タグで上書きされ、監査時に不整合が検出される原因になります。例外的に必要なタグに限定して上書きを許可し、基本はコンテナ全体のデフォルト設定と同意初期化タグで一元管理する設計が、運用しやすく事故も起きにくい構成です。社内で複数のマーケター・開発者がGTMを触る環境では、同意モード関連のタグにカスタム命名規則(例:[CMP]_Consent_Init)を入れて、触ってよいタグと触ってはいけないタグを識別できるようにしておくと安全です。

gtag.jsで実装する場合

GTMを使わずにgtag.jsを直接埋め込んでいる構成では、headタグの先頭付近で同意状態を初期化し、CMPからのコールバックでgtag(‘consent’, ‘update’, {…})を呼び出す設計になります。この方式はコードの制御権が開発チームにあり、細かい条件分岐もしやすい一方、サイトリニューアル時に同意モードの記述が漏れるリスクが高く、長期運用ではメンテナンスコストが膨らみやすい特性があります。中大規模サイトではGTM集約を推奨し、ランディングページ単体の小規模構成でのみgtag直埋め込みを選ぶのが現実的です。

gtag直接実装のもう一つのリスクは、広告タグが先にロードされて同意状態が未定義のままイベントが送信される競合事故です。これを避けるには、gtag(‘consent’, ‘default’, {…})を必ずgtag(‘config’, ‘G-XXXX’)より前に記述し、かつCMPスクリプト自体もhead内で最優先ロードする順序を徹底します。Next.jsやNuxt.jsなどのフレームワークを使うSPAサイトでは、サーバーサイドレンダリング時にタグ注入の順序が意図と逆転する事故が起きやすく、CI上でのエンドツーエンドテストを組むのが安全策です。

CMP経由で実装する場合

OneTrust、Cookiebot、Usercentrics、Piano、TrustArcなどの主要CMPは、いずれも同意モード v2テンプレートを提供しています。原則としてCMPの設定画面で「Google Consent Mode v2」をONにし、マッピングを適切に設定すれば、同意取得時に自動でgtagにアップデートが伝わります。ただし、CMPによっては「ad_user_data」「ad_personalization」の分離がまだ半自動で、一部のバージョンでは手動マッピングが必要です。導入時には必ずCMPのリリースノートで最新対応状況を確認してください。

CMPを選定する際は、単に費用や対応言語だけでなく、Google広告・GA4・Floodlight・Meta広告・LINE広告といった主要タグへの一括マッピング機能が揃っているかを重視するのが実務的です。広告運用代行の現場では、CMPの機能差で月次の運用工数が大きく変わります。Cookiebotは中小規模サイトでの費用対効果が高く、OneTrustはエンタープライズで法務チームが関与する場合の柔軟性が強みです。Usercentricsは欧州拠点を含む多言語サイトで便利で、Pianoはサブスクリプション課金サイトとの親和性が高いといった特徴があり、自社の事業モデルと合わせて選ぶことが失敗しない選定の鍵になります。

CMP導入後は、Cookie分類(Strictly Necessary、Performance、Marketing等)のラベリングを社内で統一し、各タグがどの分類に属するかのマスターを作ることが重要です。CMP上の分類と、実際に発火するタグの紐付けがズレたまま運用されると、監査時に「Marketingタグが同意なしで発火している」と指摘される典型的な事故につながります。タグマスターをスプレッドシートで管理し、毎月の棚卸しプロセスに組み込むのが最も現実的な運用です。

CMPv2自動対応ad_user_data分離実装の難易度年間費用目安
OneTrust◎ 完全対応自動マッピング50万〜300万円
Cookiebot◎ 完全対応自動マッピング5万〜30万円
Usercentrics○ 設定必要半自動20万〜100万円
Piano○ 設定必要半自動中〜高100万〜500万円
TrustArc○ 設定必要手動マッピング100万〜500万円
表1:主要CMPの同意モード v2対応状況(2026年4月時点・一般的な運用事例からの推定)

GA4・Google広告への影響の確認方法

GA4での確認ポイント

GA4管理画面の「レポート > ライフサイクル > 集客」で、同意モード v2が正しく動いていれば「モデル化済み」データが表示されるようになります。Google広告と連携している場合は、広告レポートに「同意モード済みデータ」の有無が付与されるため、ここがOFFのままなら計測連携に問題があります。また、GA4の管理 > プロパティ > データ設定 > データ収集から、同意モードの有効化状況を確認できます。ここに異常値が出ている場合、pingが正しく届いていない可能性があるため、GTMプレビューでの再検証が必要です。

Google広告側での検証

Google広告のアカウントで「ツール > 測定 > コンバージョン」を開き、各CVアクションの診断列に「同意モード対応」の表示が出ているかを確認します。ここで警告が出ているCVは、モデリングが効かない状態になっているため、実際のCV数はレポート値より過小評価されている可能性が高いです。さらに、オーディエンスマネージャのリマーケティングリストで、過去30日の追加ユーザー数が落ちている場合、v2未実装あるいは誤実装のシグナルとして扱うのが経験則です。

検証作業は公開直後だけでなく、CMPのアップデート後やサイトリニューアル後にも必ず再実施してください。CMPベンダーは定期的にGoogle同意モード連携のロジックをアップデートしており、バージョン差で一時的にad_user_dataのマッピングが外れるといった事故が過去に複数回報告されています。月次のモニタリング運用に「同意モード対応チェック」を組み込み、異常値を検知したら即座にGTMプレビューで原因特定に入れる体制を用意しておくのが理想です。

実務的には、Google広告のスクリプト機能を使って毎日「同意モード対応」のステータスを自動チェックするスクリプトを動かし、Slackに通知する運用が効果的です。異常を24時間以内に検知できれば、仮に設定ミスが発生しても被害を最小限に抑えられます。ハーマンドットで支援している企業の多くがこの自動監視を導入しており、v2関連の不具合を最長でも翌営業日までに解消する体制を築いています。

同意モード v2 実装直後の必須検証チェックリスト

  • GTMプレビュー:全Googleタグで意図した同意状態となっているか
  • Cookie検査:同意前に_gaや_gclがセットされていないか
  • ネットワーク検査:deniedユーザーでpingリクエスト(gcs=G111等)が送信されているか
  • GA4:モデル化済みデータが表示されるか
  • Google広告:各CVアクションの診断が「対応済み」になっているか
  • リマーケティングリスト:過去7日の追加ユーザーが増加傾向か

現場で頻発する失敗パターンと対処法

デフォルトがgrantedになっている

最も多く、最も深刻な失敗です。同意取得前からgrantedになっていると、法的にはGDPR・DMAの違反、実務的にはモデリングが一切発動せず、かつGoogle広告側の「同意モード対応」判定もONにならないという二重の損害を生みます。GTMの同意初期化タグで明示的にdeniedにし、CMPイベントで更新する構造を必ず採用してください。CMP側でテンプレートをONにするだけでは、サイトの他のスクリプトが先にgrantedを書き込むケースがあります。

ad_user_data・ad_personalizationのマッピング漏れ

v1からv2へアップグレードした企業で頻発します。旧実装のad_storage・analytics_storageだけが更新され、新規パラメータが未定義のままになると、Google側は「同意が明示されていない=denied扱い」と処理します。結果としてCVモデリングが動かず、リマーケティングも機能しません。必ずtagassistantやGTMプレビューで4つすべてのパラメータが更新されていることを確認してください。

Cookieバナーの動作とタグ発火のタイミング不整合

Cookieバナーを閉じる動作で同意状態が変わる仕組みの場合、バナー表示中にページ遷移が発生すると同意なしのまま計測が走り、その後の同意が反映されないケースがあります。SPA構成のサイトではページ遷移イベントで同意状態を再確認するカスタムタグが必要です。地味ですが、直帰率の高いLPほどこの不整合が積み上がり、全体のCV観測率を押し下げます。

SPA以外にも、ヘッドレスCMSや多言語サブドメイン構成のサイトでは、同意状態がドメイン間で引き継がれない問題が頻発します。example.comとjp.example.comを同一サイトとして運用している場合、クロスドメインで同意を共有するためにはCMP側のクロスドメイン設定と、GTMのUniversal Linkerの両方が正しく構成されている必要があります。ここを怠ると、日本語ページで同意を取った後に英語ページへ遷移した時点で再同意画面が出てしまい、ユーザー体験も悪化します。

サードパーティスクリプトが独自にCookieを書き込む

チャットボット、ヒートマップ、A/Bテストツール、レコメンドエンジンといったサードパーティタグは、それぞれ独自にCookieを書き込む設計になっていることが多く、同意モード v2の制御下から外れてしまう場合があります。この場合、CMPのCookie分類で該当ツールを明示的に管理下に置き、各ツール側の「同意取得済みでロード」「同意なしでもロード」の挙動を見極めて組み込むことが必要です。ベンダーがConsent Mode v2対応を謳っていても、実態はv1相当の同意パラメータしか読めないケースが2026年前半でも散見されるため、導入時にネットワークインスペクタでpingの中身まで確認するのが安全策です。

レポート上の観測値が減った/変わったことへの社内説明不足

技術的な失敗ではありませんが、運用上は最も尾を引く落とし穴です。v2を正しく実装するとCVレポートに「モデリングCV」が加わるため、従来の観測値と比べて見かけのCV数が増えたり、媒体別の内訳が変わったりします。事前に社内のマーケ責任者・経営層に「モデリングCVとは何か」「なぜ増えるのか」「どうKPI評価に組み込むか」を共有しておかないと、レポートが変わった時点で誤解を生み、せっかくの改善施策が疑念の対象になる事故が起きます。技術導入とセットで、レポーティングのガイドラインと社内勉強会までをパッケージで進めるのが理想です。

同意モード v2と並行して運用すべき拡張コンバージョンの詳細は、以下の記事で解説しています。

代理店に依頼すべきケースと自社でやるべきケース

自社で完結できるケースの条件

GTMの構造を自社の開発チームが完全に把握しており、かつCMPを既に導入済みで、設定変更と検証のスピードが自社内で回る体制があるなら、同意モード v2の実装自体は自社で十分可能です。特にCookiebotやOneTrustの標準テンプレートを使える場合、実装作業そのものは半日〜1日で終わります。ただし、GA4・Google広告側の検証と、モデリングが機能するレベルまでの調整は継続的な運用になるため、自社でやりきるなら少なくとも月1回のモニタリング運用の確立が前提です。

代理店に任せるべきケースの条件

複数媒体(Google、Meta、LinkedIn等)で並行して計測設計が必要なケース、GA4のカスタムイベントと同意モードの連動が必要なケース、あるいは法務と連携した高度モードの導入可否判断が必要なケースは、外部のプロに任せる方が結果的に早く、かつ広告成果への接続も安定します。ハーマンドットで支援している企業では、同意モード v2実装後の3ヶ月で観測CVが1.3倍、tROAS達成率が15%改善したBtoB SaaS企業の実例があります。単なる実装作業ではなく、広告運用成果に直結する設計をセットで考えられるかが代理店選びの軸です。

特に、計測と運用を別々の会社に分けている企業で事故が起きやすい印象があります。計測実装はITベンダー、広告運用は広告代理店、という分業構成は一見効率的に見えますが、同意モード v2のような「計測と運用がダイレクトにつながる」領域では、両者の認識ズレが広告成果を押し下げる最大の要因になります。計測基盤と広告運用を同じパートナーに任せるか、少なくとも定例会で計測実装者と運用担当者が同席する体制を作るのが、事故を防ぐ現実解です。

代理店選定時にチェックすべき具体的な質問としては、「御社は同意モード v2のCMP別実装事例をいくつ持っているか」「モデリングCVが発動していないことをどう検知し、どう対処するか」「GA4と広告アカウントの両方で同意モード対応ステータスを監視する仕組みを提供できるか」の3点が有効です。回答が曖昧、あるいは実装作業だけで運用監視は別料金という場合、長期的には割高になる可能性が高いと考えて良いでしょう。

代理店選びのより詳細な判断基準は以下の記事を参照してください。

カスタマーマッチを同意モード v2と組み合わせた運用は、以下の記事で詳しく解説しています。

また、広告運用全体の効果測定やKPI設計との連動を考えるなら、以下の記事もあわせて読むと全体像がつかみやすいです。

まとめ:同意モード v2は2026年の広告計測の土台

Google同意モード v2は、もはや法対応ではなく広告計測と成果最大化の前提条件です。正しく実装されたサイトでは、モデリングCVの補完により観測値が1〜2割増え、入札の機械学習が進化し、さらに成果が伸びる複利構造が生まれます。逆に未実装あるいは誤実装のサイトは、その機会を丸ごと失い続けています。2026年は、この差が広告ROASの格差として目に見える形で現れる年になります。

2026年以降の広告運用は、Cookie前提の時代と比べて「計測の精度と広告の運用品質が一体化する」方向にさらに進みます。同意モード v2はその第一歩に過ぎず、今後はプライバシーサンドボックスのAttribution Reporting API、GoogleのEnhanced Conversions、Metaの高度なマッチング(AEM)、サーバーサイドGTMといった次のレイヤーと連動しながら、広告運用の基盤全体を再設計していく必要があります。まずは同意モード v2を整え、モデリングCVの恩恵を最大化し、その先の計測基盤整備に進んでいくのが、2026年以降の標準的なロードマップです。

  • 同意モード v2は2026年の広告配信・計測の前提インフラ。EEA圏外でも影響が大きい
  • 高度モードを採用し、4パラメータすべてが更新される実装にすることで、モデリングCV補完の恩恵を最大化できる
  • 実装は半日〜1日で終わるが、広告成果への接続は継続運用。単発で終わらせないことが成果差を決める

まずは無料で広告アカウント診断を

同意モード v2は入っているはずだが、本当に正しく動いているか分からない。GA4やGoogle広告の観測CVが落ちているが、モデリングの問題なのか設計の問題なのか判断がつかない。こうした状態で悩んでいる企業は非常に多く、ハーマンドットでは無料で広告アカウントと計測設計を診断する「広告アカウント診断」を提供しています。同意モード v2の実装状況チェックから、モデリングCVの発動状態確認、広告成果との接続改善まで、運用経験豊富なコンサルタントが一気通貫で診断します。

ハーマンドットは広告運用代行100社以上の実績を持ち、同意モード v2を含む計測基盤の設計から、Google広告・Meta広告・LINE広告の運用最適化まで、広告運用の全工程をワンストップで支援しています。自社のGA4・Google広告の生データを30分でレビューし、同意モード v2の実装状況、モデリングCVの発動有無、改善余地の大きい箇所を、具体的な改善アクションとしてフィードバックします。

初回相談は完全無料・所要時間30分・オンライン対応可能です。自社サイトの計測が本当に機能しているか確認したい、代理店のレポートで見えていない部分を第三者の目で見てほしい、そうしたニーズにフラットにお応えします。診断後に営業色の強い提案を繰り返すことはせず、診断結果と改善案の共有で一度区切りをつけるスタンスなので、気軽にご活用ください。

一覧へ戻る