人間ドック集客は 企業健診と個人受診を同じ広告で追わない

人間ドックや健診センターの集客をリスティング広告で伸ばそうとすると、多くの施設が「個人受診も企業健診も、まとめて一つの広告で追う」という設計に陥ります。予約フォームは一つ、キャンペーンも一つ、キーワードも「人間ドック 予約」を中心にざっくり束ねる。一見効率的に見えますが、これが受診者数も受診単価も伸び悩む最大の原因になっています。
個人が自費で人間ドックを申し込む検討と、企業の担当者が従業員数十人分の健診をどこに委託するか選ぶ検討は、検索する言葉も、比べる基準も、意思決定にかかる時間もまったく別物です。同じ広告で追いかけると、どちらのメッセージも中途半端になり、クリック単価だけが上がっていきます。
この記事では、個人向け人間ドックと企業健診・法人契約の検討導線をどう分けて広告設計するか、そして予約件数ではなく受診単価・リピート・企業契約化まで含めて成果を測る考え方を、医療広告ガイドライン上の表現注意とあわせて整理します。
この記事の要点
- 個人向け人間ドックと企業健診は検討導線が別物のため、同じ広告・同じLPで追うと双方のコンバージョンが伸びない
- 個人は料金・日程・メニューで比較し、法人担当者は見積もり・団体対応・請求方法で比較するため、キーワードも訴求も分離する
- 評価指標は予約件数ではなく、受診単価・オプション追加率・翌年リピート・企業契約化まで含めたLTVで設計する
- 医療広告ガイドラインにより「No.1」「最高水準」などの最上級表現や治療効果の保証表現は使えないため、広告文とLPの両方で回避する
- 2つの検討導線を別アカウント・別計測で回せる運用体制があるかが、代理店選びの分かれ目になる
目次
人間ドックのリスティング広告は企業健診と個人受診を分けて設計する
結論から言えば、人間ドックのリスティング広告は個人受診と企業健診で別々に設計するのが正解です。人間ドック リスティング広告とは、検索エンジンで「人間ドック 予約」「企業健診 見積もり」などと検索した瞬間に、検索結果の上部や下部へテキスト形式で表示する広告のことで、受診意図がはっきりした顕在層に絞ってアプローチできる手法です。だからこそ、誰に何を届けるかを混ぜてしまうと効果が急激に落ちます。
個人受診と企業健診は、同じ「健康診断」という言葉でくくられがちですが、広告の観点ではまったく異なる二つの市場です。ここを一つのキャンペーンに押し込むと、キーワードもランディングページ(LP)も最大公約数的な当たり障りのない内容になり、どちらの見込み客も「自分向けではない」と感じて離脱します。
同じ広告で追うと双方のコンバージョンが伸びない構造
一つの広告アカウントで個人と法人を同時に追うと、予算とキーワードの奪い合いが起きます。個人向けの「人間ドック 料金」と法人向けの「企業健診 委託」は検索意図がまるで違うのに、同じ広告グループに同居させると、表示される広告文がどちらつかずになり、クリック率も品質スコアも下がります。結果として、同じ予算でも表示回数が減り、クリック単価だけが上がるという悪循環に入ります。
さらに深刻なのは、着地先のLPが分かれていないケースです。料金プランと予約カレンダーを前面に出した個人向けのページに法人担当者を着地させても、知りたい「団体での見積もり」や「請求書払いの可否」が載っておらず、そのまま離脱します。広告文だけでなくLPまで分離しないと、クリック課金だけが発生して問い合わせに結びつかないという事態が起きるのです。
検討導線がまったく違う二つの顧客
個人が人間ドックを申し込むときは、自分の健康不安や年齢の節目がきっかけで、料金・所要時間・土日対応・オプション検査の内容を比較しながら、多くは数日から数週間で自己完結的に決めます。検索する言葉も「人間ドック 40代 費用」「土日 人間ドック 東京」のように、自分の都合を軸にした具体的なものになります。
一方、企業の総務・人事担当者が健診の委託先を探すときは、従業員数十人から数百人分の枠を確保できるか、請求はまとめられるか、労働安全衛生法で定められた定期健診の項目を満たせるかを重視します。検索語は「企業健診 クリニック 地域名」「法人健診 見積もり」「団体健診 対応可能人数」といった、組織としての要件を軸にしたものになり、決裁のために社内調整を挟むぶん検討期間も長くなります。個人は自分のために数日で決め、法人は組織のために数週間かけて決めるという時間軸の違いも、広告の追い方を変える理由になります。
分けることで生まれる運用上のメリット
個人と法人を別キャンペーン・別LP・別計測に分けると、それぞれの検索語に対して最適な広告文とページを当てられるようになり、品質スコアが上がってクリック単価が下がります。予算配分も、繁忙期の異なる二つの市場に対して機動的に振り分けられるようになり、無駄打ちが減ります。
また、成果の見え方が正確になります。個人受診は自費のため受診単価やオプション追加率で評価し、企業健診は一度の契約で長期の受診枠を確保できるため契約社数や契約継続率で評価する、というように、まったく異なるKPIで別々に管理できるようになります。混在したアカウントでは、この二つの成果が合算されて実態が見えなくなり、正しい改善判断ができません。
個人向け人間ドックの検索導線と広告のつくり方
個人向け人間ドックの広告は、料金・日程・検査メニューという「自分の都合で比較できる情報」を前面に出すのが基本です。個人の受診者は費用対効果とスケジュールの柔軟さで施設を選ぶため、広告文とLPの両方でこの三点を明確に示せているかどうかが、予約獲得率を大きく左右します。
個人受診はそのまま予約に直結しやすい反面、比較検討されやすく、料金やアクセスがひと目でわからない施設は候補から外れます。だからこそ、検索段階で得たい情報を先回りして提示する設計が重要になります。
個人が検索する言葉と検討の起点
個人の検索は「人間ドック 費用」「人間ドック 土日 地域名」「婦人科検診 追加」のように、費用・日程・追加したい検査という具体的な軸で構成されます。健康診断の結果で再検査を勧められた、家族が病気になった、年齢の節目を迎えた、といった個人的なきっかけが起点になるため、広告文もその不安や目的にそっと寄り添う語り口が効きます。
この層は「今すぐ検索・比較している顕在層」であり、受診意図が明確なぶん、リスティング広告と相性が良いのが特徴です。ただし競合も同じキーワードに入札しているため、料金の明示やアクセスの良さといった具体的な差を広告文で示せないと、クリックされても比較の途中で離脱されます。個人受診の広告は、検索した人が抱く不安や目的に具体的な情報で応えられるかどうかが勝負になります。
また、個人の検索には「人間ドック とは」「胃カメラ 費用」のように、受診前に情報収集をしている準顕在層の語も混ざります。こうした語は今すぐの予約には結びつきにくいものの、比較の候補に入る入口になります。予約に近い顕在語と、情報収集段階の準顕在語を分けて扱い、それぞれに合った広告文と着地先を用意することで、取りこぼしを減らしながら無駄なクリックも抑えられます。
メニュー・料金・日程を軸にした広告文とLP
個人向けLPは、コースごとの料金と検査内容、所要時間、予約可能な曜日・時間帯を上部にわかりやすくまとめるのが鉄則です。とくにオプション検査は受診単価を押し上げる要素になるため、基本コースにどのオプションを追加できるかを整理して見せると、単価と満足度の両方が上がります。料金・日程・メニューの三点が上部で即座にわかるLPは、比較される個人受診で選ばれる確率が大きく上がります。
広告文では、料金の明示、土日対応、駅からの近さ、予約のしやすさといった、個人が比較で気にする点を端的に打ち出します。ただし後述の医療広告ガイドラインにより、根拠のない「業界最安」「地域No.1」といった表現は使えないため、事実として提示できる情報(対応曜日、コース数、アクセス分数など)で差別化する設計が求められます。
地域ターゲティングと商圏設計
個人向け人間ドックは、自宅や勤務先から通える範囲で選ばれるローカルビジネスです。そのため、Google広告の地域ターゲティングで商圏を半径3〜10km程度に絞り、圏外への無駄な配信を止めるだけで費用対効果が大きく改善します。都市部と地方でニーズが異なる点も踏まえ、配信エリアごとに広告文を調整すると効果的です。
商圏設計は、キーワードに地域名を組み合わせる「人間ドック 地域名」の運用とセットで考えます。地域名付きの検索は受診意図と来院可能性がともに高く、限られた予算を効率よく使えるため、個人向けアカウントの主力に据える価値があります。クリニックの広告運用全体をどう組み立てるかは、次の記事で体系的に解説しています。
個人向けの広告設計をさらに詳しく詰めたい場合は、クリニック広告運用の全体像をまとめた解説記事も参考になります。
企業健診・法人契約の検索導線と広告のつくり方
企業健診の広告は、見積もり・団体対応・請求方法という「組織としての要件」に応える導線を用意するのが正解です。法人担当者は個人とは別の言葉で検索し、決裁のために比較資料や見積もりを求めるため、予約フォームではなく問い合わせ・見積もり依頼をゴールに据えた設計が必要になります。
企業健診・法人契約は、一度の契約で数十人から数百人分の受診枠を確保できる安定収益チャネルです。個人受診のように件数を積み上げるのではなく、一社との関係を長期で継続することが売上の土台になるため、広告の役割は「最初の問い合わせを生む」ことに集中します。
法人担当者が検索する言葉
法人担当者の検索は「企業健診 クリニック 地域名」「法人健診 見積もり」「団体健診 対応可能人数」のように、規模・費用・請求方法を軸にしたものが中心です。個人の「料金」検索が一人あたりの費用を指すのに対し、法人の「見積もり」検索は総額と請求条件を指しており、同じ費用系の言葉でも意味がまったく異なります。
また、新年度が始まる4月前後は企業健診の手配が集中し、法人系キーワードの検索が急増します。定期健診の実施は事業者の義務であり、年度替わりに委託先を見直す企業が多いためです。この季節性を踏まえ、法人向けアカウントは繁忙期に予算を厚くする設計が有効になります。
見積もり・団体対応を軸にした問い合わせ導線
法人向けLPは、対応可能人数、実施できる健診項目、出張健診や巡回健診の可否、請求書払いへの対応、見積もりの流れを明確に示すのが基本です。個人向けの料金表や予約カレンダーではなく、「まず見積もり・相談から」という問い合わせ導線を主役に据えます。決裁のために社内へ持ち帰る担当者を想定し、資料請求やメールでの問い合わせも受けられるようにしておくと取りこぼしが減ります。
法人の問い合わせは、フォーム送信だけでなく電話で入ってくる比率が高いのも特徴です。担当者は不明点をその場で確認したいことが多く、電話からの相談が実際の契約につながるケースが少なくありません。電話での問い合わせを計測できていないと、広告の本当の成果を過小評価してしまうため、電話コンバージョンの計測は法人向けアカウントで必須の設定になります。
繁忙期の予算配分と通年の関係づくり
企業健診は4月前後に需要が集中する一方、契約自体は通年で動きます。そのため、繁忙期に予算を集中投下して新規の問い合わせを最大化しつつ、閑散期は関係構築や既存契約の継続に軸足を移す、というメリハリのある予算配分が効果的です。年間の需要カーブを前提に予算計画を立てることで、限られた広告費を無駄なく使えます。
また、法人契約は一度獲得すれば翌年以降も継続しやすいため、広告で獲得した問い合わせを確実に契約化し、契約後は継続してもらう営業・フォロー体制まで含めて設計することが重要です。広告は入り口にすぎず、契約後のリレーションが安定収益を生みます。電話問い合わせをどう計測して成果に含めるかは、次の記事で具体的な実装手順を解説しています。
予約件数ではなく受診単価とLTVで広告を設計する
人間ドックの広告は、予約件数ではなく受診単価と生涯価値(LTV)で設計するのが正しい考え方です。健診事業の売上は「受診者数 × 受診単価」で構成され、さらに翌年リピートや企業契約化まで含めると、一件の獲得がもたらす価値は初回の予約金額をはるかに超えます。件数だけを追うと、単価の低い予約ばかりが積み上がり、広告費に見合わない結果になりかねません。
とくに個人向け人間ドックは自費のため、オプション追加で単価が大きく変わります。同じ一件でも、基本コースだけの受診と複数オプションを追加した受診では売上が数倍違うことも珍しくありません。だからこそ、広告のゴールを「予約数」から「単価を含めた受診価値」に引き上げる必要があります。
オプション追加率で受診単価を上げる
受診単価を上げる最初の一手は、オプション検査の追加率を高めることです。来院済みの受診者へのオプション提案は追加の広告投資なしで単価を改善できるため、費用対効果が非常に高い施策になります。広告とLPの段階から、基本コースに追加できるオプションを整理して見せておくと、予約時点での追加が増えます。
広告側でも、オプション検査を訴求軸にしたキーワードや広告文を用意することで、単価の高い受診者を狙って集めることができます。単に「人間ドック」で広く集めるのではなく、特定の検査に関心のある層に届く設計にすると、結果として一件あたりの売上が上がります。
翌年リピートまで含めたLTVで考える
人間ドックは本来、年に一度の継続受診が理想とされるサービスです。つまり一人の受診者を獲得できれば、翌年以降も受診してもらえる可能性があり、その生涯価値は初回の受診金額の何倍にもなります。受診後のフォローと翌年予約の案内を仕組み化できれば、リピート率が上がり、広告で新規を獲得し続けなくても売上が積み上がっていきます。
この視点に立つと、初回の顧客獲得単価が多少高くても、翌年以降のリピートで十分に回収できるケースが見えてきます。広告の採算はLTVで判断し、初回獲得コストだけで高い・安いを決めないことが、健診事業の広告運用では重要です。逆に、リピートの仕組みがないまま新規獲得だけを広告で追い続けると、常に高い獲得コストを払い続けることになります。
リピートを設計に組み込むには、受診後のフォローや翌年の予約案内といった、広告の外側の仕組みまで含めて考える必要があります。広告運用と受診後のフォローを切り離さず、一連の流れとして設計することで、獲得した一人ひとりを長期の受診者へと育てられます。新規獲得とリピート育成を両輪で回す発想こそが、健診事業の広告を長期にわたって安定させます。
企業契約化による安定収益
企業健診は、一社との契約で数十人から数百人分の受診枠を確保できる安定収益チャネルです。個人受診の積み上げと違い、一度関係を築けば年間を通じて継続的な受診が見込めるため、法人契約の獲得は経営の安定に直結します。健診事業では法人契約で売上の相当割合を占めることが安定経営の目安とされます。
したがって、広告で法人の問い合わせを一件獲得することの価値は、その一件が契約化して数年続くことまで含めて評価すべきです。法人一件の獲得単価は個人よりはるかに高くても、契約後の受診枠と継続性を考えれば十分に採算が合うことが多く、個人と同じ基準で費用対効果を判断すると機会を逃します。クリニック全体の広告運用の考え方は、以下の記事でも整理しています。
個人と法人で異なるキーワードと訴求軸の整理
個人と法人では、狙うキーワードも、広告で見せるべき情報も、成果を測る指標もすべて異なります。ここを一覧で整理しておくと、なぜ二つの導線を分けるべきかが明確になり、アカウント設計の指針にもなります。以下の表は、両者の違いを軸ごとに比較したものです。
実際のアカウント設計では、この表をベースにキャンペーンを分け、それぞれに専用のLPと計測を用意します。共通しているのは「地域」と「医療広告ガイドラインの遵守」だけで、それ以外はほぼ別物と考えて設計するのが安全です。
| 比較軸 | 個人向け人間ドック | 企業健診・法人契約 |
|---|---|---|
| 主な検索語 | 人間ドック 費用/土日 人間ドック 地域名 | 企業健診 見積もり/団体健診 対応可能人数 |
| 検討のきっかけ | 健康不安・年齢の節目・再検査 | 定期健診の義務・委託先の見直し |
| 検討期間 | 数日〜数週間(自己完結) | 数週間〜(社内決裁あり) |
| 広告のゴール | 予約・来院 | 問い合わせ・見積もり依頼 |
| 主な繁忙期 | 通年(結果通知後にやや増) | 4月前後に集中 |
| 評価すべきKPI | 受診単価・オプション追加率・リピート率 | 契約社数・契約継続率・受診枠数 |
キーワードは意図ごとに広告グループを分ける
個人と法人でキャンペーンを分けたうえで、さらに広告グループを検索意図ごとに細かく分けるのが効果的です。個人向けなら「料金比較」「土日対応」「特定の検査」のように意図を分け、それぞれに合った広告文を当てることで品質スコアが上がります。法人向けも「見積もり」「団体対応」「出張健診」のように分け、担当者の要件に直接答える広告文を用意します。
この細分化により、検索語と広告文とLPの一貫性が高まり、クリック単価が下がって問い合わせ率が上がります。逆に、意図の異なる語を一つの広告グループに詰め込むと、平均的で当たり障りのない広告文しか作れず、成果が頭打ちになります。
除外キーワードで無駄なクリックを止める
個人と法人を分けるうえで欠かせないのが、相互の検索語を除外キーワードに設定することです。個人向けアカウントでは「企業」「法人」「団体」を除外し、法人向けアカウントでは「個人」「一人」といった語を除外することで、意図の異なる検索での無駄なクリックを止められます。これだけで費用対効果が目に見えて改善するケースは少なくありません。
除外設定は一度作って終わりではなく、実際の検索語レポートを見ながら継続的に追加していく運用が前提です。求人系や無料系など、受診につながらない検索語も定期的に洗い出して除外することで、限られた予算を本当に受診・契約につながる検索に集中させられます。
個人と法人でアカウントを分けると、検索語レポートの読み方も変わります。個人向けアカウントに法人系の検索語が混ざって表示されていれば、それは除外が漏れているサインですし、逆もまた同じです。二つのアカウントを並べて検索語の流入を見比べることで、どちらの導線に無駄が生じているかがひと目でわかり、改善のスピードが上がります。混在した一つのアカウントでは、この見比べができないため、無駄の発見そのものが難しくなります。
医療広告ガイドラインに配慮した広告表現
人間ドックや健診の広告は、厚生労働省の医療広告ガイドラインを必ず遵守する必要があります。医療広告ガイドラインとは、病院や診療所に関する広告で用いてよい表現の範囲を定めた国の指針で、根拠のない最上級表現や治療効果の保証などを禁止するものです。リスティング広告の広告文もLPも規制の対象になるため、集客を急ぐあまりガイドライン違反の表現を使うと、行政指導のリスクを負うことになります。
とくに競合との差別化を狙う場面で表現が過激になりやすいため、広告文とLPの両方で表現を事前にチェックする体制が欠かせません。ここでは、健診・人間ドックの広告で特に注意すべき点を整理します。
No.1・最上級表現の回避
「日本一」「地域No.1」「最高水準」といった、他院より優れていると誤認させる比較優良広告は、客観的な事実であることを証明できる場合を除いて認められません。根拠のない最上級表現は優良誤認を招くとして禁止されており、健診の集客広告でありがちな「業界最安」「圧倒的な実績」といった煽り文句も同様に避ける必要があります。
差別化は、証明できる事実で行うのが原則です。「No.1」ではなく、対応できる検査項目やアクセスの良さといった、事実として示せる情報で差をつけるのが安全かつ効果的です。事実の提示は誇大表現にあたらず、しかも受診者が本当に知りたい情報でもあるため、コンプライアンスと訴求力を両立できます。
誇大表現と効果の保証の禁止
誇大広告とは、必ずしも虚偽ではなくても、施設の規模や医療の内容を事実以上に誇張したり、人を誤認させたりする広告を指します。健診の文脈では「必ず見つかります」「◯%の確率でがんが発見できます」といった、検査で確実に病気を発見できるかのような保証表現が典型的な禁止例です。検査には限界があるため、断定的な効果の保証は行えません。
また、患者の体験談や、治療効果を暗示させるビフォーアフター的な表現も、原則として広告では制限されます。受診をあおる断定表現や効果の保証は使わず、提供できる検査内容を正確に伝えることが、規制を守りながら信頼を得る唯一の道です。
広告文でよくあるNG表現と注意点
- 「地域No.1」「日本一の実績」など、根拠を証明できない比較優良・最上級表現
- 「必ず見つかる」「がんを確実に発見」など、検査効果を保証する断定表現
- 「業界最安」「圧倒的低価格」など、事実の裏付けがない誇大な価格訴求
- 患者個人の体験談や、治療効果を暗示させる表現
- 「今だけ」を過度にあおる、受診の必要性を誤認させる不安喚起
限定解除要件と正確な情報提供
医療広告では、通常は広告できない一部の内容も、問い合わせ先の明示や自由診療の費用・リスクの記載といった「限定解除要件」を満たせば掲載できる場合があります。自費の人間ドックでは、料金だけでなく、検査に伴う負担やリスク、標準的な費用の範囲まで正確に示すことが求められます。都合の良い情報だけを載せると、限定解除の要件を満たさず違反となる可能性があります。
広告表現のチェックは、専門知識がないと判断に迷う場面が多いため、医療広告ガイドラインに沿ったチェックリストを用意しておくと安全です。個別の表現がガイドラインに抵触するかどうかの判断基準は、以下の記事で具体的に整理しています。
成果を左右する運用体制と代理店の選び方
人間ドックの広告で成果を出せるかどうかは、個人と法人という二つの導線を別々に運用できる体制があるかにかかっています。片方の設計しかできない、あるいは医療広告の知見がない状態で運用すると、せっかく分離した意味がなくなり、コンプライアンスのリスクも抱えることになります。自社で運用するにせよ代理店に委託するにせよ、この観点でチェックすることが重要です。
とくに医療分野は表現規制が厳しく、成果指標も予約件数だけでは測れないため、一般的な広告運用のノウハウだけでは不十分です。健診・人間ドックの事業構造を理解した運用ができるかどうかを見極める必要があります。
2つの導線を別々に回せるか
個人向けと法人向けを別キャンペーン・別LP・別計測で運用し、それぞれに最適な広告文とキーワードを当て、除外設定まで作り込めるかどうかが最初のチェックポイントです。この分離を「手間がかかる」と敬遠する運用体制では、双方のコンバージョンが伸び悩む構造から抜け出せません。二つの市場をそれぞれ独立して改善できる体制が理想です。
あわせて、繁忙期の異なる二つの市場に対して、予算を機動的に振り分けられるかも重要です。4月前後に法人予算を厚くし、通年で個人を安定的に回すといった配分を、データを見ながら柔軟に調整できる運用力が求められます。
医療広告の知見と計測体制
医療広告ガイドラインを理解し、広告文とLPの表現をチェックできる知見があるかは、健診・人間ドックの広告では必須条件です。規制を知らない運用者に任せると、成果は出ても行政指導のリスクを抱えることになりかねません。過去に医療分野の運用実績があるか、ガイドラインに沿った表現のチェック体制があるかを確認しましょう。
さらに、電話・フォーム・来院までを正しく計測し、受診単価やリピートまで含めて成果を可視化できる計測体制も欠かせません。予約件数だけを報告する運用ではなく、受診単価・企業契約化・LTVまで追える体制かどうかが、本当に成果を出せる代理店かを見分ける決め手になります。数字の裏付けがある改善提案を継続的に出せるパートナーを選ぶことが、長期的な集客の安定につながります。
代理店・運用体制を選ぶ際のチェックポイント
- 個人向けと法人向けをキャンペーン・LP・計測まで分けて運用できるか
- 医療広告ガイドラインを理解し、広告文とLPの表現をチェックできるか
- 電話コンバージョンを含めた計測ができ、受診単価まで可視化できるか
- 繁忙期の異なる二つの市場に対し、予算を機動的に配分できるか
- 予約件数だけでなく、企業契約化やリピートを含めた成果を報告できるか
まとめは企業健診と個人受診を分けた広告設計
人間ドックのリスティング広告は、個人受診と企業健診という検討導線がまったく異なる二つの市場を、同じ広告で追わないことが成果の分かれ目です。個人は料金・日程・メニューで比較し、法人は見積もり・団体対応・請求方法で比較するため、キャンペーン・LP・計測をすべて分離して設計する必要があります。そのうえで、評価軸を予約件数から受診単価・リピート・企業契約化まで含めたLTVへ引き上げることで、広告費に見合った本当の成果が見えてきます。あわせて、医療広告ガイドラインに沿った表現を広告文とLPの両方で徹底することが、リスクを避けながら集客を伸ばす前提になります。
- 個人向けと企業健診は別キャンペーン・別LP・別計測で設計し、除外キーワードで相互の無駄クリックを止める
- 成果は予約件数ではなく、受診単価・オプション追加率・翌年リピート・企業契約化まで含めたLTVで評価する
- 「No.1」「最高水準」などの最上級表現や効果の保証は使わず、事実として示せる情報で差別化する
まずは無料で広告アカウント診断を
個人と法人を混在させたまま運用していて成果が伸び悩んでいる、あるいはこれから人間ドック・健診の集客を強化したいという段階であれば、まず現状の広告アカウントを一度診断してみることをおすすめします。どこで予算が無駄になり、どの導線を分ければ改善できるかは、実際のアカウントを見れば具体的に見えてきます。
株式会社ハーマンドットは、医療広告ガイドラインを踏まえた表現設計と、個人・法人の導線を分けたアカウント構築、受診単価やLTVまで含めた成果設計を得意としています。予約件数だけでなく、企業契約化やリピートまで見据えた広告運用で、健診事業の売上そのものを伸ばす支援を行います。
初回相談は完全無料・所要時間30分・オンライン対応可能です。



