AI Brief指示文の作り方ガイド|AI Maxに事業情報と禁止表現を伝える書き方

AI Max for Searchを使い始めた広告主の多くが、検索語句の広がり方や自動生成される広告文が「自社らしくない」と感じた経験をお持ちだと思います。これまでは除外キーワードや語句の除外、ブランド設定を組み合わせて外側から枠をはめるしかなく、事業の背景や訴求の優先順位そのものをAIに伝える手段はほとんどありませんでした。
Googleは2026年4月30日にAI Max向けの新機能としてAI Briefを発表し、2026年9月23日の公式ブログでは、そのクローズドベータを日本語を含む7言語へ広げると明らかにしました。自社・顧客・主要メッセージを自分の言葉でAI Maxに渡せるようになる一方で、「何をどう書けば効くのか」という指示文の設計が新しい運用スキルとして問われ始めています。
本記事ではAI Maxの制御機能の総論には踏み込まず、事業情報・禁止表現・訴求優先度をどのような自然文に落とし込んでAI Briefへ渡すかに絞って解説します。仕様や数値は2026年10月時点の公式情報にもとづいており、公式に確認できない事項は確度を明示して記載しています。
この記事の要点
- AI Briefの位置づけ:Geminiを使い、自社の事業・顧客・主要メッセージを自然文でAI Maxに伝える機能(2026年10月時点でクローズドベータ)
- 指示の受け皿:メッセージング・マッチング・オーディエンスの3種類のガイドラインに分けて書く
- 書き方の原則:一文一指示で、禁止と必須を分け、理由と範囲を添えて言い切る
- 役割分担:法令表記や絶対に出せない語は語句除外や開示文など確実な仕組みで担保する
- 運用の型:プレビューと配信後の検索語句・アセット・LPの照合で指示文を更新し続ける
AI Briefは自社の方針を自然文でAI Maxに渡す入力欄です
AI Briefとは、Geminiを用いて広告主が自分の言葉でAI Maxの動きを方向づけるための機能です。Googleの公式ブログでは、事業・オーディエンス・主要メッセージについての詳しい文脈を自分の言葉でAI Maxに伝えられる機能として紹介されており、キーワードや設定項目だけでは表現しにくかった「方針」を文章で渡せる点が最大の特徴です。
公式発表で確認できるAI Briefの範囲
最初の発表は2026年4月30日のGoogle公式ブログ「Steer performance with new AI Max features」で、AI Maxの提供開始から1年の節目に公開されました。この時点では英語の検索キャンペーンから数か月かけて提供を始め、その後にP-MAXとショッピング向けにも広げる計画が示されています。
続く2026年9月23日のGoogle公式ブログでは、AI Briefのクローズドベータをオランダ語・フランス語・ドイツ語・イタリア語・日本語・ポルトガル語・スペイン語の7言語へ拡大すると発表されました。ただし提供時期や対象アカウントの詳細は年内に追って案内するとされており、2026年10月時点ですべての日本の広告主が使える状態ではない点に注意が必要です。
そのため現時点で取り組むべきなのは、ベータの案内を待つことではなく、指示文の材料になる事業情報と既存のテキストガイドラインを整えておくことです。後述するとおり既存のテキストガイドラインはAI Briefへ引き継がれるため、今のうちに書いた指示文はそのまま資産になります。日本語で利用できるようになった時点ですぐに入力と検証を始められるよう、本記事の手順で下書きを用意しておくことをおすすめします。
3種類のガイドラインが受け持つ領域
AI Briefに書く内容は、公式発表で示された3種類のガイドラインに整理されます。広告文で何を言うかを決めるメッセージング、どの検索に出るかの境界を決めるマッチング、誰にどの訴求を届けるかを決めるオーディエンスの3つです。
指示文の設計で最初に意識したいのは、ひとつの文章に3つの領域を混ぜないことです。たとえば「健康志向の主婦向けに価格を出さずに無添加を訴求したい」という1文には、オーディエンスとメッセージングの指示が混在しています。領域ごとに分けて書いておくと、プレビューで意図とずれた出力が出たときに、どの指示を直せばよいかをすぐに特定できます。
| ガイドライン | 受け持つ領域 | 公式発表の例(要旨) | 書き方の軸 |
|---|---|---|---|
| メッセージング | 広告文で言うこと・言わないこと | 価格には決して触れない | 禁止と必須を分ける |
| マッチング | 表示したい検索・避けたい検索の境界 | 健康的な常備食材の検索を優先する | 優先と回避を対で書く |
| オーディエンス | 顧客像と、その顧客に届ける訴求 | 健康志向の人には無添加商品を強調する | 顧客像と訴求を組にする |
テキストガイドラインとの関係
AI Briefは、既存のテキストガイドラインを包含する形で設計されています。4月30日の公式発表では、すでに設定しているテキストガイドラインはAI Briefのメッセージングガイドラインへ自動で移行すると説明されており、これまでの語句除外やメッセージ制限が無駄になるわけではありません。
一方で、テキストガイドラインの公式ヘルプでは、メッセージ制限はオーディエンスやキーワードのターゲティングに関する指示には対応しないと明記されています。広告文の表現だけでなく検索の範囲や顧客像まで自然文で伝えられるようになった点が、AI Briefで新しく増えた部分だと理解すると整理しやすくなります。
AI Maxの検索語句拡張や最終URL展開、ブランド制御といった設定面の全体像については、以下の記事で詳しく解説しています。
指示文を書く前に事業情報を棚卸しします
指示文の質は、書き始める前の棚卸しでほぼ決まります。AI Briefは自由記述で書ける分、担当者の頭の中にある前提がそのまま抜け落ちやすく、事実・顧客像・訴求の優先順位を先に文書化しておかないと、毎回書く人によって内容がぶれてしまいます。
自社情報は事実と根拠をセットで集めます
最初に集めるのは、広告文の材料になる自社の事実です。取扱商品やサービスの範囲、対応エリア、価格帯、提供条件、実績、保証、第三者評価などを洗い出し、それぞれについてLPや公式サイトのどこに根拠が書かれているかを併記しておきます。
根拠の場所まで控えておく理由は、AI Maxが生成するアセットはLPやアセット、広告主の提供情報をもとに作られるためです。指示文で「創業30年の実績を伝えて」と書いても、LPにその記載がなければ根拠のない表現として扱いにくくなりますし、審査や景品表示法上のリスクも残ります。指示文に書く事実は、必ずLP上に同じ記載がある状態にしておくことを棚卸しの前提にしてください。
顧客像は検索した瞬間の状況で描きます
顧客像は、年齢や性別といった属性だけでなく、検索した瞬間に何に困っていて、何を比べているかという状況で描くと指示文に落とし込みやすくなります。「30代女性」よりも「初めての引っ越しで見積もりの相場がわからず、複数社を比べている人」のほうが、AIが広告文の切り口を選ぶ手がかりが多くなります。
BtoB商材であれば、決裁者と現場担当者で検索語句も重視する情報も異なります。顧客像を2〜3つに絞り、それぞれについて検索時の悩み・比較対象・決め手を1行ずつ書き出しておくと、後のオーディエンスガイドラインとマッチングガイドラインの両方に転用できます。
主要メッセージは優先順位を3段階に分けます
主要メッセージは、並列に並べるのではなく優先順位をつけて整理します。必ず伝えたい中核の訴求、状況に応じて使ってよい補助的な訴求、使ってはいけない訴求の3段階に分けておくと、メッセージングガイドラインの「必須」と「禁止」にそのまま対応させられます。
優先順位が曖昧なまま「価格の安さ、品質、スピード、サポートをアピール」と並べると、AIはどれを前に出すべきか判断できず、平均的で印象の薄い広告文になりがちです。社内で合意が取れていない訴求は指示文に書かず、まず営業や経営層と優先順位をすり合わせてから入力するのが確実です。
棚卸しの担当は、広告運用者だけで抱えないほうが精度が上がります。事実の確認は商品担当や法務、顧客像は営業やカスタマーサポート、訴求の優先順位は経営層やマーケティング責任者というように、情報の持ち主に確認を取りながら埋めていくと、指示文の内容に社内の裏付けが生まれます。代理店に運用を任せている場合も、このシートだけは広告主側で確認・承認する体制にしておくと安心です。
指示文の前に作る棚卸しシートの項目
- 事実:商品範囲・対応エリア・価格帯・実績と、LP上の根拠の場所
- 顧客像:検索時の悩み・比較対象・決め手を2〜3パターン
- 中核訴求:どの広告にも入れたいメッセージを1〜2個
- 補助訴求:顧客像や検索内容に応じて使い分けてよい訴求
- 禁止事項:使えない表現と、その理由(法令・社内規定・ブランド方針)
既存の検索キャンペーンからAI Maxへ移行する際の棚卸しの進め方については、以下の記事で詳しく解説しています。
メッセージングガイドラインは禁止と必須を分けて書きます
メッセージングガイドラインは、禁止表現と必須表現を別々の文に分けて書くのが基本です。ひとつの文に「〜は言わず、〜は必ず入れる」と詰め込むと、どちらの指示が優先されるのかが曖昧になり、プレビューで意図と違う出力が出たときの切り分けも難しくなります。
禁止表現は理由と範囲を一緒に書きます
禁止表現は、単語だけでなく「どの範囲の表現を避けたいのか」を文章で示すと精度が上がります。テキストガイドラインの公式ヘルプでも、「製品が割引されていると示唆しない」という書き方によって、割引や格安といった関連語までまとめて避けられる例が紹介されています。
日本語で書く場合も同じ考え方で、「最安という言葉を使わない」よりも「他社より安いと受け取れる表現を使わない」と書くほうが、言い換え表現まで含めて抑えやすくなります。禁止の理由が社内規定や業界ルールにあるときは、「医療機関のため、治療効果を保証するような表現を使わない」のように理由を添えると、AIが近い表現を判断する手がかりになります。
必須表現は条件と一緒に書きます
必須表現は、どんな場面で入れるのかという条件とセットで書きます。公式ヘルプには「割引を訴求する場合は必ず条件ありと記載する」という形の例があり、条件と必須の内容を1文で言い切る書き方が推奨されています。
反対に、「可能であれば」「該当する場合は」といった任意の言い回しは、公式ヘルプでも避けるべき書き方として挙げられています。日本語は語尾を柔らかくしがちですが、指示文では「〜してください」「〜しないでください」と言い切り、ブランド名の表記ゆれなども「社名は必ず『株式会社〇〇』と表記してください」のように具体的な表記を示すのが確実です。
語句除外と自然文の指示を使い分けます
絶対に表示させたくない特定の語は、自然文の指示ではなく語句除外で止めるのが基本です。公式ヘルプによると、2026年10月時点で語句除外は1キャンペーンあたり最大25個、メッセージ制限は最大40個まで設定でき、語句除外は言語ごとに効く一方で、メッセージ制限は別の言語のアセットにも適用されます。
また語句除外には、価格を含むアセットの生成までは防げないという制約があります。通貨記号を除外しても価格入りの表現が出る可能性があるため、価格に触れたくない場合は「価格や金額には触れないでください」という自然文の指示を併用する必要があります。
上限いっぱいまで指示を登録する必要はありません。最初は禁止事項と必須事項を合わせて10文前後に絞り、プレビューと配信結果を見ながら必要な指示だけを足していくほうが、文同士の矛盾を避けやすくなります。似た内容の指示が増えてきたら、範囲の広い1文にまとめ直せないかを定期的に見直してください。
| 手段 | 向いている用途 | 公式ヘルプ上の制約(2026年10月時点) | 日本語での書き方の例 |
|---|---|---|---|
| 語句除外 | 特定の単語・フレーズの完全な排除 | 1キャンペーン最大25個・言語ごとに適用・価格入りアセットは防げない | 最安/業界No.1/完全無料 |
| メッセージ制限(メッセージングガイドライン) | 概念・連想・トーン・表記ルール | 1キャンペーン最大40個・他言語のアセットにも適用 | 他社より安いと受け取れる表現は使わないでください |
| 開示文など確実な仕組み | 法令上必須の表記や注意書き | ガイドラインは法令遵守の手段として想定されていない | テキスト開示文やLP・広告文の固定表記で担保 |
法令対応をガイドラインだけに任せない
- 公式ヘルプの位置づけ:メッセージ制限はポリシーや法的要件の遵守を目的とした機能ではない
- 薬機法・景品表示法:効果効能や優良誤認につながる表現は、LPと入稿アセットの段階で除いておく
- 必須の注意書き:テキスト開示文など、表示が仕組みで保証される機能を優先する
- 最終責任:AIが生成した広告文でも、掲載内容の責任は広告主側に残る
説明文の1行目を開示表記に使うText Disclaimersの使いどころについては、以下の記事で詳しく解説しています。
マッチングとオーディエンスの指示は検索の境界線として書きます
マッチングとオーディエンスのガイドラインは、広告文ではなく「どの検索に、誰に向けて出るか」の境界線を言葉で示す欄として使います。テキストガイドラインでは扱えなかった領域なので、AI Briefを使う意味が最も大きい部分ですが、既存の除外設定の代わりにはならない点を前提に設計してください。
マッチングガイドラインは優先と回避を対で書きます
マッチングガイドラインでは、優先したい検索と避けたい検索を対にして書くと境界がはっきりします。公式発表の例は「健康的な常備食材の検索を優先する」という優先側の指示ですが、実務では「対面教室を探す検索は避ける」のような回避側の指示もあわせて置くと、拡張の行き過ぎを抑えやすくなります。
書くときは、検索語句そのものを列挙するのではなく、検索の意図を説明する文章にするのがポイントです。「オンライン英会話」「英会話 オンライン 安い」と並べるより、「自宅で受講できる英会話レッスンを探している検索を優先してください」と書くほうが、AIが未知の言い回しの検索にも同じ判断を広げられます。意図で書き、語句の列挙は除外キーワードに任せると覚えておくと整理しやすくなります。
オーディエンスガイドラインは顧客像と訴求を組にします
オーディエンスガイドラインは、「この顧客像には、この訴求を強調する」という組み合わせで書きます。公式発表でも、健康志向の人には無添加の商品を強調するという形で、顧客像と訴求がセットになった例が示されています。
棚卸しで描いた顧客像ごとに1文ずつ書くのが基本です。たとえば法人向けの勤怠システムであれば、「人事担当者には導入時の設定支援が手厚いことを、経営者には月額費用と工数削減の見通しを強調してください」と書くと、同じキャンペーンでも検索の文脈に応じて訴求を出し分けてもらえる余地が生まれます。
除外キーワードやブランド除外との役割分担
自然文の境界線は、除外キーワードやブランド除外のような確定的な設定を置き換えるものではありません。AI Briefの指示はAIが判断する際の方針として扱われるため、「絶対に出したくない検索」は除外キーワードやブランド除外で確実に止め、そのうえで判断が分かれるグレーな領域を自然文で補うのが安全な設計です。
特に指名語の扱いは、自社ブランド名・競合名・代理店名が絡むため事故が起きやすい領域です。指示文には「競合他社の名前を含む検索では自社の強みを比較の形で語らないでください」のように方針を書きつつ、出稿可否そのものは設定側で管理するという二段構えにしておくと、配信後の説明責任も果たしやすくなります。
運用の順序としては、まず除外キーワードとブランド除外で確実に止めるべき検索を固め、そのあとでマッチングガイドラインに方針を書き足す流れが安全です。先に自然文だけで境界を作ろうとすると、意図しない検索に表示されたときに原因が設定なのか指示文なのか判別できません。確定的な除外が先、自然文の方針は後という順番を守ると、検証の手間を大きく減らせます。
指名語の管理をブランド除外でどう切り分けるかについては、以下の記事で詳しく解説しています。
訴求優先度を伝える指示文は一文一指示で言い切ります
訴求の優先度は、一文一指示で主語と条件を明示し、言い切りの形で書くと伝わりやすくなります。公式ヘルプでも、複数の無関係な要件を1つにまとめた指示や、曖昧な概念だけの指示は効果が出にくい書き方として挙げられており、日本語でもこの原則はそのまま当てはまります。
主語と条件を省略しないで書きます
日本語は主語や条件を省略しても意味が通じる言語ですが、指示文では省略が誤解の原因になります。「スピードを優先」だけでは、対応の速さなのか納期なのか表示速度なのかが判断できません。「見積もり依頼への返信が当日中であることを、中核の訴求として優先してください」のように、何を・どの程度・どの位置づけで伝えるのかまで書きます。
優先度は「最優先」「次点」「補助」のように順位を言葉で示すと、AIが複数の訴求を組み合わせるときの判断材料になります。1つの文で複数の訴求の順位をまとめて書くのではなく、「中核の訴求は当日返信です」「補助的な訴求として施工実績を使ってください」のように1文ずつ分けて登録するのが確実です。
曖昧な形容詞と成果の約束を避けます
「おしゃれに」「親しみやすく」「ワクワクする」といった形容詞だけの指示は、解釈の幅が広すぎて期待どおりの出力になりにくい書き方です。公式ヘルプでも、広告で喜びを届けたいといった漠然とした指示は効果が出にくい例として示されています。トーンを指定したい場合は、「専門用語を使わず、です・ます調で、誇張表現を避けてください」のように観察可能な特徴に言い換えます。
同じ理由で、「良い感じに」「いい雰囲気で」のように評価を委ねる言葉も避けたほうが無難です。評価の基準は書き手の頭の中にしかないため、AIには何を基準に良し悪しを判断すればよいかが伝わりません。迷ったときは、第三者が広告文を見て指示を守っているかどうかを判定できるかという視点で、指示文を読み返してみてください。
また、「ROIを1000%にする広告文を作って」のような成果を約束する指示も、公式ヘルプで避けるべき例に挙げられています。AI Briefは成果目標を伝える場所ではなく、広告文や配信の方針を伝える場所です。成果は入札戦略とコンバージョン設計で追うと切り分けておくと、指示文が目標の羅列になるのを防げます。
日本語で書くときは表記と言語の扱いをそろえます
日本語の指示文では、表記のゆれが出力のゆれにつながりやすい点に注意が必要です。商品名やサービス名の全角・半角、カタカナと英字の表記、敬称の有無などは、指示文の中でも一つの表記に統一し、広告文でも同じ表記を使うよう明示してください。
また公式ヘルプによると、メッセージ制限は書いた言語以外のアセットにも適用される一方、語句除外は言語ごとにしか効きません。日本語と英語の広告を同じキャンペーンで配信している場合は、自然文の指示は日本語で一本化して構いませんが、語句除外は日本語と英語の両方で登録する必要があります。英語の「Cheap」を除外しても日本語の「格安」は止まらないため、言語ごとの棚卸しを忘れないようにしてください。
業種別の指示文の書き換え例
下の表は、よくある書き方を、領域を分けて言い切る形に書き換えた例です。いずれも筆者が実務を想定して作成した文例であり、Googleが公式に推奨している文面ではない点をご了承ください。実際に使う際は自社の棚卸しシートの内容に置き換え、プレビューで出力を確かめてから本番に反映してください。
| 業種 | よくある書き方 | 書き換え後の指示文 | 領域 |
|---|---|---|---|
| 美容クリニック | 効果をしっかりアピールしつつ安心感も出したい | 施術の効果を保証する表現は使わないでください | メッセージング |
| 美容クリニック | (同上) | 初めて来院する人には、カウンセリングが無料であることを強調してください | オーディエンス |
| 人材紹介 | 求職者っぽい検索に出したい | 転職先を探している個人の検索を優先し、採用担当者が求人掲載先を探す検索は避けてください | マッチング |
| BtoB SaaS | 安さとサポートを両方推して | 中核の訴求は導入後の設定支援です。月額費用は補助的な訴求として扱ってください | メッセージング |
| EC(食品) | できれば季節感を出して | 10月から12月の間は、秋冬の新商品があることを伝えてください | メッセージング |
自社の業種でどの訴求を中核に置くべきか判断がつかない場合は、検索語句レポートと過去の広告文の成果を突き合わせるのが近道です。ハーマンドットでも広告アカウント診断の中で、訴求ごとの成果を整理したうえで指示文の下書きづくりをお手伝いしています。
プレビューと配信後の検証で指示文を育てます
AI Briefの指示文は一度書いて終わりではなく、プレビューと配信後の検証で更新し続ける運用が前提です。公式発表によると、AI Briefは指示を反映する前にサンプルのアセットと検索の例を示し、フィードバックを返しながら調整できる仕組みになっているため、この確認工程を運用の中に組み込むことが品質を左右します。
プレビューでは意図とのずれを3つの観点で見ます
プレビューでは、まずサンプルのアセットに禁止した表現やその言い換えが含まれていないかを確認します。次に、必須とした表現が条件どおりに入っているか、中核の訴求が補助の訴求より前に出ているかを見ます。最後に検索の例を見て、回避したい意図の検索が混ざっていないかを確かめます。
ずれが見つかったときは、指示文を足すより先に、既存の文が曖昧でないかを疑ってください。指示を増やすほど文同士の矛盾が起きやすくなるため、まずは該当する1文の主語・条件・範囲を明確にする修正から始めるのが効率的です。
配信後は検索語句・アセット・LPを照合します
配信が始まったら、実際に表示された検索語句、ユーザーが見た広告アセット、遷移先のLPの3点を照合して、指示文の意図どおりに動いているかを確認します。2026年9月23日の公式ブログでは、この3点を1つの画面でまとめて確認できるレポートも発表されましたが、提供時期の詳細は追って案内するとされています。
統合レポートが使えるまでは、検索語句レポートとアセットのレポート、最終URLのレポートを週1回程度の頻度で並べて確認する運用が現実的です。確認の結果は「どの指示文に起因するずれか」とひも付けて記録し、次の修正に反映していきます。
検証の頻度は、配信開始から2〜3週間は週1回、指示文の内容が安定してからは月1回程度を目安にすると負担を抑えられます。ただし、新商品の追加やキャンペーンの切り替え、LPの改修を行ったタイミングでは、指示文の前提となる事実が変わっている可能性があります。事業側の変更があったら指示文も必ず見直すというルールを運用表に組み込んでおくと、古い前提のまま広告が配信される事故を防げます。
指示文の変更は履歴と承認を残します
指示文の変更は、日付・変更前後の文面・変更理由・承認者を記録したうえで反映してください。テキストガイドラインの公式ヘルプでは、新しいガイドラインに合わないGoogle最適化アセットは配信が止まり、削除済みとして扱われると説明されており、指示文の変更が配信中の広告に直接影響する可能性があります。
複数の担当者がアカウントに触れる体制では、指示文の追加や削除を誰でも行える状態にしておくと、成果が変動したときに原因を追えなくなります。指示文は広告文の「設計書」として扱い、変更には上長や広告主側の承認を挟むルールを決めておくと、AIに任せる範囲が広がっても説明責任を保てます。
指示文を変更するときの警告ポイント
- 既存アセットへの影響:新しい指示に合わない自動生成アセットは配信が止まる可能性がある
- 変更の粒度:一度に複数の文を変えず、効果の切り分けができる単位で更新する
- 繁忙期の扱い:セール期間や決算期の直前は大きな書き換えを避ける
- 記録:変更日・変更前後の文面・理由・承認者を必ず残す
AIが自動生成した広告の承認責任を広告主側でどう管理するかについては、以下の記事で詳しく解説しています。
まとめ AI Brief指示文は棚卸しと言い切りで精度が決まります
AI Briefは、これまで設定項目では伝えきれなかった事業の方針をAI Maxに渡せる機能であり、2026年10月時点では日本語を含むクローズドベータとして提供が広がりつつある段階です。最後に、指示文の設計で押さえておきたい要点を整理します。
- 書く前に棚卸しを済ませる。事実とLP上の根拠、検索時の顧客像、訴求の優先順位を文書化してから指示文に落とし込みます。
- 領域を分けて一文一指示で言い切る。メッセージング・マッチング・オーディエンスを混ぜず、禁止と必須を分け、条件と理由を添えて書きます。
- 確実に止めたいものは設定で担保する。特定の語は語句除外、法令表記は開示文、出稿可否は除外キーワードやブランド除外で管理し、指示文はグレーな領域を補う役割にします。
まずは無料で広告アカウント診断を
AI Maxの成果は、AIに渡す情報の質に大きく左右されます。指示文を書く前の棚卸しや訴求の優先順位づけは、検索語句・広告文・LPの成果データを横断して読まないと判断が難しく、社内だけで進めると担当者の感覚に頼った内容になりがちです。
株式会社ハーマンドットでは、Google広告のアカウントを拝見したうえで、現在の検索語句の広がり方や自動生成アセットの傾向を整理し、AI Briefやテキストガイドラインに落とし込むべき方針をご提案しています。AI Maxの導入前後で成果が安定しないとお感じの方は、お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。
初回相談は完全無料・所要時間30分・オンライン対応可能です。




