Google広告の広告主確認・事業内容確認ガイド|審査停止を防ぐ書類準備と回答設計

Google広告を運用していると、ある日突然「広告主様の適格性確認を完了してください」という通知が届くことがあります。期限内に対応しなければアカウントが一時停止されるため、軽く見てよい通知ではありません。一方で、通知の文面だけでは何をどこまで準備すればよいのかが分かりにくく、書類の不一致や回答のあいまいさで差し戻しを繰り返してしまうケースも少なくありません。
特に混乱しやすいのが、本人や組織の実在を確かめる「広告主確認」と、ビジネスの仕組みや取引関係を確かめる「事業内容確認(ビジネス オペレーションの確認)」の違いです。どちらも同じ「適格性確認」の画面から求められますが、見られているポイントも、詰まりやすい箇所もまったく異なります。
本記事では、Google 広告ポリシー ヘルプの公式情報をもとに、2026年10月時点の広告主確認と事業内容確認の違い、必要書類の類型、回答で避けるべき表現、再確認や不合格時の立て直し方までを実務目線で整理します。アカウント停止を未然に防ぎたい広告主様や、クライアントの確認対応を任されている運用担当者の方はぜひ参考にしてください。
この記事の要点
- 広告主確認は「誰が広告を出しているか」、事業内容確認は「どんな事業をどんな関係で行っているか」を確かめる別々の手続き
- 期限までに完了しないとアカウントは一時停止され、期限の延長はできない
- 組織の場合は登録書類と代表者の写真付き身分証の2種類が必要で、支払いプロファイルとの完全一致が前提
- 事業内容確認の失敗は、組織名の表記ゆれと取引関係の説明不足が大半を占める
- 支払いプロファイルや社名を変更すると再確認が発生するため、変更前に情報台帳を整えておくのが安全
広告主確認と事業内容確認の違い
広告主確認と事業内容確認は、目的も確認対象も異なる別々の手続きです。広告主確認は広告を出している主体の身元を確かめるもので、事業内容確認はその主体がどのようなビジネスを、誰とどんな関係で行っているかを確かめるものです。同じ「広告主様の適格性確認」の画面から求められるため一つの手続きと誤解されがちですが、準備の考え方を分けておくことが通過への近道になります。
広告主確認は身元と実在性を確かめる手続き
広告主確認とは、Googleが広告主の氏名や組織名、所在地を公的な書類で照合し、実在する正当な事業者かどうかを確かめる手続きです。Googleは透明性向上の取り組みとして、段階的にすべての広告主へ確認の完了を求めていく方針をGoogle 広告ポリシー ヘルプ「広告主様の適格性確認」で示しています。
確認が完了すると、広告主の名前や所在地は広告の透明性センターなどで利用者が確認できる情報として扱われます。つまり、ここで提出した情報はそのまま「この広告を出しているのは誰か」という公開情報の土台になります。社名の表記を誤ったまま確認を通すと、後から修正する際に再確認が必要になるため、最初の段階で正式名称を正確に入力することが重要です。
事業内容確認はビジネスモデルと取引関係を確かめる手続き
事業内容確認は、広告主がどのような商品やサービスを提供し、エンドユーザーとの間にどんな事業者が介在しているかを確かめる手続きです。たとえば自社製品を直接販売しているのか、メーカーの正規販売代理店なのか、アフィリエイトで送客しているのかによって、求められる説明や証拠書類が変わります。
この確認では、身分証の画像よりも「回答内容の一貫性」が厳しく見られます。登録書類の社名、広告の表示URL、ランディングページの運営者表記、回答フォームの記載がすべて同じ主体を指しているかが照合されるため、書類がそろっていても説明が食い違えば不合格になります。事業内容確認は書類集めではなく説明設計の作業だと捉えておくと、準備の優先順位を誤りません。
対象に選ばれやすい広告主の傾向
広告主確認は最終的にすべての広告主に求められる方針ですが、通知が届く順番には傾向があります。公式ヘルプでは、旅行関連サービス、カスタマーサポート、技術サポート、金融サービスなど、不正や詐欺が起こりやすい業種が対象に選ばれることがあると説明されています。ブランド名を含む検索語句に広告を出している広告主や、過去にポリシー違反で停止された経験のある広告主も、確認の対象になりやすいとされています。
こうした業種や出稿方法に当てはまる場合は、通知が来るのを待たずに自発的に確認を受けておくのも一つの手です。公式ヘルプでも、期限が設定されていない広告主が自ら確認を進められることが案内されています。繁忙期の直前に通知が届くリスクを避けたいのであれば、閑散期のうちに確認を済ませておく方が運用は安定します。
両者の違いを一覧で整理
二つの確認の違いを、確認の目的、主な提出物、つまずきやすいポイントの観点で整理すると次のとおりです。自社に届いた通知がどちらのタスクを求めているかを、まずこの表で切り分けてください。
| 項目 | 広告主確認(身元確認) | 事業内容確認(ビジネス オペレーション) |
|---|---|---|
| 確認の目的 | 広告主が実在する個人・組織かを確かめる | 事業の仕組みと関係者の関係を確かめる |
| 主な提出物 | 登録書類、写真付き身分証 | 質問への回答、契約書や請求書などの関係証明 |
| 照合の軸 | 支払いプロファイルとの一致 | 回答・書類・サイト表記の一貫性 |
| つまずきやすい点 | 白黒画像、コピー、有効期限切れ | 組織名の表記ゆれ、介在事業者の記載漏れ |
| 対象になりやすい広告主 | 原則すべての広告主(段階的に拡大) | 不正が起こりやすい業種、ブランド名で出稿する広告主など |
なお、会社名やロゴを広告に表示するための「ビジネス情報」の承認は、ここで扱う二つの確認とはさらに別の審査です。ロゴの差し戻しと適格性確認の不合格を混同すると、的外れな修正を繰り返すことになるため注意してください。ビジネス情報の承認については、以下の記事で詳しく解説しています。
確認を求められたときの期限と停止までの流れ
適格性確認は、通知に表示された期限までに完了しないとアカウントが一時停止されます。Googleの公式ヘルプ「適格性確認のスケジュール」では、期限は延長できないこと、停止中のアカウントは確認が完了して初めて解除されることが明記されています。通知を受けたら、内容を読み込む前にまず期限日を社内で共有することが最初の一手です。
通知の受け取り方と開始場所
確認が必要になると、Google広告の管理画面内の通知とメールの両方で知らせが届きます。手続きは管理画面の「料金」メニューから「広告主様の適格性確認」を開いて進めるのが基本で、そこに必要なタスクの一覧と期限が表示されます。メールだけを見て判断すると、どのタスクが残っているかを見落としやすいため、必ず管理画面の一覧で状況を確認してください。
注意したいのは、通知メールが経理担当者や退職者のアドレスに届いていて、運用担当者が気づかないケースです。支払いプロファイルに登録された連絡先と、日常的に管理画面を見ている担当者が別の場合は、通知の転送ルールを決めておくと見落としを防げます。
通知を受けた直後に決めておくこと
通知を受けたら、最初に期限日、担当者、必要なタスクの三つを確定させます。タスクの一覧には、組織の種類や支払い担当者に関する質問、事業運営に関する質問、書類の提出などが並ぶため、どのタスクを誰が担当するかを決めないまま進めると、回答の途中で手が止まりやすくなります。
とくに書類の取得には時間がかかることがあります。登記事項証明書は法務局やオンライン申請で取得できますが、郵送での受け取りを選ぶと数日を要します。代表者の身分証も、代表者本人が出張中で撮影できないといった理由で遅れがちです。期限から逆算し、書類の手配を初日に始めることが停止を避けるための基本です。
審査期間の目安は最長5営業日
提出したタスクの審査には、公式ヘルプによると最長で5営業日ほどかかり、まれに30日ほどかかる場合もあります(2026年10月時点)。期限ぎりぎりに提出すると、審査中に期限を迎えて停止に至るリスクがあるため、通知から1週間以内の提出を社内目標にしておくと安心です。
また、2020年6月に公開された事業内容確認プログラムの更新案内では、通知から21日以内にフォームを送るよう求めていました。現在の期限はアカウントごとの通知に表示される日付が正であり、過去の日数を前提に計画を立てるのは危険です。期限の数え方を推測せず、画面に表示された日付から逆算してください。
停止までの段階と影響
確認の対象になってから停止に至るまでの流れは、おおむね次の段階で進みます。広告配信が制限される段階でもキャンペーンの成果に影響が出る可能性があるため、停止前だからといって放置してよいわけではありません。
| 段階 | アカウントの状態 | 取るべき行動 |
|---|---|---|
| 通知受領 | 通常配信、タスクと期限が表示 | 期限の共有、担当者と提出物の確定 |
| 提出後の審査中 | 通常配信(審査は最長5営業日目安) | 差し戻し通知の監視 |
| 差し戻し・不合格 | 期限は進行したまま | 不合格理由の特定と再提出 |
| 期限超過 | アカウントの一時停止 | 確認の完了を最優先で進める |
| 確認完了 | 停止解除・配信再開 | 提出情報を台帳に記録 |
停止後に慌てないための注意点
- 期限の延長:公式に「延長できない」とされている
- 停止の解除:確認を完了しない限り解除されない
- 再審査請求:確認未完了のままでは受け付けられない
- 別アカウントでの出稿:停止回避とみなされるおそれがある
停止中に新しいアカウントを作って配信を続けようとすると、ポリシーの回避行為とみなされ、問題がさらに大きくなるおそれがあります。万一配信が止まった場合の社内連絡や顧客対応の段取りについては、以下の記事で詳しく解説しています。
必要書類の類型と準備のポイント
日本の組織が広告主確認を受ける場合、登録書類と代表者の写真付き身分証明書の2種類が必要です。Googleの「広告主様の適格性確認に必要な書類の要件(日本)」では、書類の種類だけでなく画像の品質や記載内容の一致まで細かく条件が定められています。書類そのものよりも、条件を一つ満たしていないことで差し戻される例が多いため、提出前の確認が欠かせません。
組織は登録書類と代表者の身分証の2種類
法人の場合、登録書類としては会社設立証書や登記簿、税務署からの書類の抜粋、納税証明書のいずれかを用意します。これに加えて、代表者の政府機関発行の写真付き身分証明書として、パスポート、身分証明カード、運転免許証、永住権カードのいずれかを提出します。
実務上もっとも扱いやすいのは、法務局で取得できる登記事項証明書です。社名、本店所在地、代表者名が一枚で確認でき、支払いプロファイルの情報と照合しやすいためです。ただし、登記上の本店所在地と支払いプロファイルの請求先住所が異なる会社では、その差がそのまま不一致の原因になるため、どちらに合わせるかを先に決めておく必要があります。
個人事業主と個人アカウントの考え方
個人事業主は、税務署に提出した「個人事業の開業・廃業等届出書」を使って組織として確認を受けることができます。屋号で広告を出している場合は、届出書に記載された屋号と支払いプロファイル上の名称がそろっているかを確認してください。
一方、個人として確認を受ける場合は、日本政府機関発行の写真付き身分証明書としてパスポート、運転免許証、永住権カードのいずれかを提出します。個人アカウントでは、電話番号の確認や自撮り動画の提出といったタスクが追加で求められる場合もあります。事業として継続的に広告を出すのであれば、個人ではなく組織として確認を受けておく方が、後の名称変更や法人化の際に整理しやすくなります。
登記と実態がずれている会社の注意点
登記上の本店とは別の場所で実際に営業している会社や、登記の変更手続きが済んでいない会社は、書類と申告内容がずれやすい典型例です。たとえば本店移転後に登記を変更していない場合、新しい住所で支払いプロファイルを登録していると、登記事項証明書との照合で不一致になります。
この場合は、先に登記の変更を済ませるか、支払いプロファイルの住所を登記上の住所にそろえるかのどちらかで整合を取る必要があります。どちらを選ぶかは請求書の送付先や会計処理にも影響するため、経理担当者と相談したうえで決めてください。確認の画面上で説明を加えても、書類そのものが一致していなければ通過は難しいと考えておくのが安全です。
書類の品質要件で差し戻されないために
公式の要件では、書類は有効期限内であること、カラー画像であること、鮮明で適度な明るさであること、コピーやスクリーンショットではないことが求められています(2026年10月時点)。事業内容確認の書類については、受付可能なファイル形式がPDF、JPG、JPEG、PNGとされ、圧縮ファイルも受け付けられません。
見落としやすいのが、白黒スキャンと書類の一部の切れです。複合機の初期設定が白黒になっていたり、スマートフォンで撮影した際に四隅が写っていなかったりすると、それだけで不合格になります。名前、住所、発行日、有効期限がすべて判読できるかを、提出前に別の担当者が目視で確認する運用にしておくと確実です。
| 区分 | 用意する書類の例 | 準備時の注意 |
|---|---|---|
| 法人(登録書類) | 登記事項証明書、納税証明書など | 社名と住所を支払いプロファイルと一致させる |
| 法人(代表者の身分証) | パスポート、運転免許証など | 有効期限内・カラー・四隅まで撮影 |
| 個人事業主 | 個人事業の開業・廃業等届出書 | 屋号と支払いプロファイル上の名称をそろえる |
| 個人 | パスポート、運転免許証、永住権カード | 電話番号確認などの追加タスクに備える |
| 事業内容確認の補足 | 契約書、請求書、住所証明など | 住所証明は発行から90日以内のもの |
提出前の書類チェックリスト
- 有効期限:身分証の期限が切れていないか
- 色と画質:カラーで撮影し、文字がつぶれていないか
- 写り込み:四隅まで写り、指や影で隠れていないか
- 一致:社名・住所・氏名が支払いプロファイルと同じか
- 形式:PDF・JPG・JPEG・PNGのいずれかで圧縮していないか
事業内容確認で詰まりやすい回答と書き方
事業内容確認で不合格になる原因の多くは、回答内容と提出書類やサイト表記の食い違いです。Googleの「ビジネス オペレーションについての質問への回答に関する問題」では、情報の矛盾、ビジネス関係の不明確さ、サービス提供者情報の不足などが代表的な失敗理由として挙げられています。回答は「正しいこと」に加えて「書類とサイトで裏付けられること」を基準に書くのが原則です。
回答を書き始める前に整理しておく項目
事業内容確認の質問には、組織に関する情報、提供している商品やサービス、広告の内容、他の組織との関係といった観点が含まれます。いきなり入力画面で回答を書き始めると、途中で事実確認が必要になり、表現もぶれやすくなります。まずは社内で、自社が直接提供している商品と、他社の商品を仲介しているものを分けて書き出しておくと全体像がつかみやすくなります。
あわせて、広告の最終ページURLごとに運営者と商品提供者を一覧にしておくと、回答と書類の対応関係が明確になります。回答文は社内でレビューしてから入力することを原則にすると、担当者一人の思い込みによる記載ミスを防げます。
組織名と住所を登録書類と一字一句そろえる
公式ヘルプでは、入力する組織名が事業登録書類に記載された正式名称と、接尾辞や句読点を含めて完全に一致している必要があるとされています。「株式会社」の前後の位置、英字表記の有無、全角と半角の違いといった細かな差でも、照合の段階で不一致と判断される可能性があります。
住所も同様で、ビル名や階数の省略、番地の表記方法の違いが不一致の原因になります。回答を書き始める前に、登記事項証明書の記載をそのまま写した「正式表記シート」を作り、管理画面の入力欄にはそこからコピーして貼り付けると、表記ゆれをほぼなくせます。
バリューチェーンの関係者をすべて書き出す
事業内容確認では、マーケティング代理店、エンドユーザーに商品やサービスを提供する企業、ドメインの所有者など、価値の流れに関わるすべての主体の情報が求められます。自社サイトで自社商品を売っている単純な構造であれば問題になりにくいものの、販売代理店やアフィリエイトとして他社の商品を扱う場合は、提供元の企業情報まで記載しなければなりません。
回答前に、広告をクリックしたユーザーが最終的に誰と契約し、誰から商品やサービスを受け取るのかを図にしてみてください。広告主、サイト運営者、決済事業者、商品提供者が一致していない場合は、その関係を一つずつ説明する必要があります。関係者の記載漏れは不合格理由の上位に入るため、迷ったら書いておく方が安全です。
回答で避けたいあいまいな表現
審査担当者は回答文と書類だけで事業の実態を判断するため、解釈の余地がある表現は不利に働きます。とくに「など」「各種」「関連会社」「パートナー企業」といった言葉は、具体的な主体を特定できないため、追加の説明を求められる原因になりがちです。
| 避けたい表現 | 望ましい書き方 | 理由 |
|---|---|---|
| 各種サービスを提供 | 中小企業向けの経理代行サービスを月額制で提供 | 提供内容と対象が特定できる |
| パートナー企業の商品を販売 | 株式会社〇〇の正規販売代理店として同社製品を販売 | 提供元と関係の種類が明確になる |
| 関連会社がサイトを運営 | ドメインは当社が所有し、制作のみ外部に委託 | ドメイン所有者が誰かが分かる |
| 公式サポートを提供 | 自社製品の購入者向けにのみ問い合わせ窓口を運営 | 他社の公式窓口と誤認されない |
とくに注意したいのが「公式」「正規」といった言葉の扱いです。他社ブランドの名称で検索広告を出している広告主は事業内容確認の対象に選ばれやすく、ブランド所有者との関係を証明できないまま「公式」と書くと、確認以前に誤解を招く表示として問題視されるおそれがあります。
取引関係を裏付ける補足書類の選び方
関係を説明した後は、それを裏付ける書類を添えると通過率が上がります。公式ヘルプでは、取引関係を証明する正式な契約書、相手企業のレターヘッド入りの関係説明文書、請求書やメールなどの確認資料が例示されており、住所証明には過去90日以内に発行されたものが求められています(2026年10月時点)。
契約書を提出する場合は、契約当事者の名称が回答内容と一致しているか、契約期間が現在も有効かを確認してください。金額などの機密部分は黒塗りにしても構いませんが、当事者名や日付まで隠してしまうと証明として機能しません。業種によっては営業許可証の提出も求められるため、許認可が必要な事業では許可証の写しも事前に用意しておくと手戻りを防げます。こうした回答設計に不安がある場合は、広告運用の専門家への無料相談も選択肢の一つです。
代理店経由や複数アカウントでの進め方
代理店経由で運用しているアカウントでも、確認の主体はあくまで広告主本人です。代理店は手続きの段取りや回答の整理を支援できますが、身分証や登録書類は広告主の情報であり、支払いプロファイルの名義と一致している必要があります。誰が何を担当するかを最初に決めておかないと、期限直前に書類の受け渡しで時間を失います。
支払いプロファイルの名義と権限を確認する
適格性確認の照合軸は、支払いプロファイルに登録された名義と住所です。代理店の請求書払いでクライアントのアカウントを運用している場合や、過去に担当者個人のカードで支払っていた場合は、確認を受ける主体が想定と異なっていることがあります。手続きを始める前に、支払いプロファイルの名義が実際に広告を出す事業者になっているかを確かめてください。
あわせて、確認画面を操作できるのは管理者権限や請求関連の権限を持つユーザーに限られる場合があります。代理店側に十分な権限がなく、広告主側の担当者もログイン方法が分からないという状態は珍しくありません。誰の権限でどの画面を操作するかを、通知を受けた時点で整理しておくことが重要です。
代理店が担える範囲と広告主が担う範囲
公式ヘルプでは、代理店に対して代理店情報やクライアント情報の提供を求めるタスクも用意されています。代理店はこれらの回答や、事業内容確認の文案作成、書類の品質チェックを担うのが現実的な分担です。
一方で、登録書類や代表者の身分証の提出、事業内容に関する事実の確認は広告主にしかできません。代理店が推測で事業内容を回答すると、後から書類と食い違って不合格になる原因になります。事実は広告主、整理と提出管理は代理店という線引きを共有しておくと、責任の所在があいまいになりません。
代理店が回答案を作るときの進め方
代理店が事業内容確認の回答案を作る場合は、まず広告主にヒアリングシートを渡し、事業の形態、提供元との契約関係、ドメインの所有者、許認可の有無を記入してもらうのが効率的です。その内容をもとに代理店が回答案を作り、広告主が事実関係を確認したうえで提出する流れにすると、スピードと正確さを両立できます。
回答案を作る際は、広告のランディングページに記載された運営者情報や特定商取引法に基づく表記とも突き合わせてください。サイト上の運営者名と回答の組織名が異なっていると、審査で矛盾と判断されるおそれがあります。サイト表記の修正が必要なら提出前に済ませるのが鉄則です。
複数アカウントを運用している場合の注意
同じ事業者が複数のアカウントを持っている場合、アカウントごとに確認を求められることがあります。このとき、アカウントによって組織名の表記や請求先住所が異なっていると、同一事業者であることの説明がかえって難しくなります。
複数アカウントを運用している事業者は、正式表記シートを全アカウントで共通化し、支払いプロファイルの情報も可能な範囲で統一しておくのが安全です。アカウントの所有権や権限の整理については、以下の記事で詳しく解説しています。
再確認が求められる場面と不合格時の立て直し
一度確認を完了しても、支払いプロファイルや事業情報を大きく変更すると再確認が求められます。Googleは、お支払いプロファイル、請求先住所、ビジネス情報の更新などの大きな変更を加えた後に改めて確認が必要になると案内しており、とくに社名変更や合併の際は必須とされています。確認は一度きりの作業ではなく、会社の変化に合わせて繰り返し発生するものと考えておく必要があります。
再確認が発生しやすい変更
公式ヘルプによると、支払いプロファイル上の正式名称を更新すると、その時点で確認が必要になります。組織再編や商号変更を予定している会社は、変更の手続きと並行して新しい登記事項証明書を取得し、確認に必要な書類を先に用意しておくとスムーズです。
本店移転による請求先住所の変更や、決済手段の切り替えも再確認のきっかけになり得ます。繁忙期の直前にこうした変更を行うと、確認の審査期間と重なって配信に影響が出るおそれがあるため、変更のタイミングは広告の重要な時期を避けて計画してください。
不合格通知を受けたときの確認手順
不合格や差し戻しの通知を受けた場合は、メールと管理画面に表示される問題の内容を最初に確認します。公式ヘルプでは、情報の矛盾、ビジネス関係の不明確さ、書類の形式や品質の不足、法的ステータスの不明確さなどが理由として示されるため、どの理由に当たるかを特定してから修正に入ることが大切です。
理由を確認しないまま同じ書類を撮り直して再提出すると、同じ理由で再び不合格になり、期限だけが進んでしまいます。修正は理由に対応する箇所だけを直すのが原則で、書類の問題なら書類を、回答の問題なら回答文を見直してください。
不合格理由と見直す箇所の対応
- 情報の矛盾:組織名・住所・URLの表記
- 関係の不明確さ:関係者の記載と説明文
- 提供者情報の不足:商品提供元の企業情報
- 書類の形式:ファイル形式と圧縮の有無
- 書類の品質:色・明るさ・判読性
停止後の再審査請求は確認完了が先
期限を過ぎてアカウントが一時停止された場合、公式ヘルプでは確認を完了した後でなければ再審査請求ができないとされています。停止の解除を求める前に、残っているタスクを一つずつ完了させることが最短ルートです。
ポリシー違反による停止の再審査請求の一環として、事業内容確認を求められるケースもあります。この場合は違反内容の解消と確認の完了を両方そろえる必要があるため、サイト側の修正と書類準備を並行して進めてください。ポリシー停止からの復旧の進め方については、以下の記事で詳しく解説しています。
審査停止を防ぐ社内の運用体制
適格性確認による停止を防ぐもっとも確実な方法は、通知が来る前から提出情報を一元管理しておくことです。確認の多くは突然求められ、期限も延長できないため、その場で書類を探し始める体制では間に合わないことがあります。平時に少しだけ手間をかけておくことで、通知から数日で提出を終えられる状態を作れます。
提出情報の台帳を作っておく
台帳には、正式な組織名と英字表記、登記上の住所と請求先住所、代表者名、支払いプロファイルの名義、広告に使うドメインと所有者、取引のある販売元や代理店の情報をまとめておきます。過去に提出した書類の種類と提出日も記録しておくと、再確認の際に何を出せばよいかがすぐに分かります。
台帳は経理、法務、広告運用の担当者が同じものを参照できる場所に置くのが理想です。社名変更や本店移転の情報は広告担当者に届くのが遅れがちなため、変更の予定が決まった時点で台帳を更新するルールにしておくと、再確認の準備を前倒しできます。
担当者の不在や退職に備える
確認の通知は、支払いプロファイルの連絡先や管理者権限を持つユーザーに届きます。担当者が退職したまま連絡先が更新されていないと、通知そのものに気づかず期限を迎えてしまうことがあります。管理者権限を持つユーザーを最低二人以上にし、連絡先には個人ではなく共有のメールアドレスを登録しておくと、こうした事故を防げます。
あわせて、代表者の身分証を撮影する手順や、登記事項証明書を取得する担当部署も台帳に書いておくと、担当者が替わっても同じ品質で対応できます。属人化した確認対応は停止リスクそのものと捉え、手順を文書化しておくことをおすすめします。
変更前のチェックを運用フローに組み込む
支払いプロファイルや請求先住所を変更する前に、変更が再確認のきっかけにならないか、なる場合は書類がそろっているかを確認する手順を運用フローに組み込んでおくと安心です。とくに年末商戦やキャンペーンの直前は、変更作業そのものを避けるのが無難です。
また、ブランド名での出稿や金融、旅行、テクニカルサポートなど不正が起こりやすい業種の広告主は、事業内容確認の対象になりやすいとされています。該当する業種の場合は、関係を示す契約書や許可証を常に最新の状態で保管し、通知から5営業日以内に提出できる体制を目標にしてください。自社だけで体制を整えるのが難しい場合は、広告アカウントの運用相談を活用するのも有効です。
まとめ 広告主確認と事業内容確認を止めずに通すために
Google広告の適格性確認は、身元を確かめる広告主確認と、事業の仕組みを確かめる事業内容確認に分けて準備することで、通過までの手戻りを大きく減らせます。最後に要点を整理します。
- 二つの確認は別物として準備する。広告主確認は登録書類と身分証、事業内容確認は回答と関係証明が中心で、見られるポイントが異なります。
- 期限は延長できず停止は確認完了まで続く。審査は最長5営業日が目安のため、通知から1週間以内の提出を目標にします。
- 表記の完全一致と関係者の明記が通過の鍵。正式表記シートと提出情報の台帳を用意し、再確認にも備えます。
まずは無料で広告アカウント診断を
適格性確認の通知が届いたものの、どの書類を出し、事業内容をどう説明すればよいか判断がつかないという声は少なくありません。株式会社ハーマンドットでは、Google広告をはじめとする広告アカウントの運用代行を通じて、確認対応やポリシー対応を含めたアカウント管理を支援しています。
確認対応だけでなく、停止リスクの洗い出しや権限・支払いプロファイルの整理、成果改善までを一貫してご相談いただけます。アカウント停止を防ぎながら成果を伸ばしたい広告主様は、まずは現状の診断からお気軽にお問い合わせください。
初回相談は完全無料・所要時間30分・オンライン対応可能です。



