補助金申請代行の広告設計|無料診断より受任面談を増やす制度別導線

補助金申請代行の広告を出すと、無料診断や無料相談の申し込みは比較的早く集まります。ところが中身を見ると、補助下限に届かない小さな投資の相談、すでに締切が迫っている駆け込み、個人向け給付金と勘違いした問い合わせが混ざり、受任面談まで進むのはごく一部というケースが少なくありません。広告管理画面のCV数は伸びているのに、事務所の売上は増えないという状態です。
原因の多くは、性質のまったく違う制度の需要を「補助金の無料診断」という1つの入口で受けていることにあります。数千万円規模の設備投資を伴う大型補助金と、数十万円規模の販路開拓向け補助金では、受任の条件も報酬の考え方も、相談が発生する時期も異なります。本記事では、補助金申請代行・補助金コンサルの広告を、制度ごとに導線を分けて受任面談を増やすための設計を、公募要領の一次情報を踏まえて解説します。
想定読者は、中小企業診断士事務所や認定経営革新等支援機関として補助金の事業計画策定支援を行っている事業者のうち、検索広告やSNS広告で法人の相談を集めている方です。雇用関係の助成金を主力とする社労士事務所や、個人向け給付金の案内を行う事業者は対象から外しています。
この記事の要点
- 主CVは無料診断ではなく、投資額・時期・制度が受任条件に合う「受任面談」に置く
- 大型投資系、小規模販路開拓系、登録事業者経由が必須の制度は、LPとフォームを分けて受ける
- 補助下限未満の投資、締切直前の駆け込み、助成金・給付金の流入は除外か別導線に逃がす
- 公募要領は申請者自身による作成・申請を求めており、「丸投げ」と読める広告表現は避ける
- 予算は公募開始から締切の数週間前までに寄せ、締切直前は面談を受けられる枠に合わせて絞る
補助金申請代行の広告は受任面談から逆算して設計する
補助金申請代行の広告は、問い合わせ件数ではなく受任面談の件数と受任率から逆算して設計するのが正解です。補助金申請代行の広告とは、補助金の活用を検討している法人や個人事業主に向けて、事業計画の策定支援や申請準備の支援サービスを検索広告・SNS広告などで告知し、相談や面談の予約を獲得する広告施策のことです。相談の発生が公募スケジュールに連動し、案件単価が制度によって大きく変わる点が特徴です。
受任面談とは、ここでは「制度・投資額・申請時期が事務所の受任条件に合っていることを確認したうえで、契約前提で行う初回面談」を指します。誰でも申し込める無料診断とは役割が違い、事前のフォームや短い電話確認でふるいにかけた後の面談です。受任面談を主CVにすると、広告の最適化も、LPの訴求も、営業側の工数配分も、すべて受任に近い相談へ寄せられるようになります。
無料診断を主CVにしたときに起きること
無料診断を主CVにして自動入札を回すと、媒体の機械学習は「申し込みやすい人」を集める方向に動きます。補助金の分野では、申し込みやすい人ほど情報収集の初期段階にあり、自社で使える制度があるかを知りたいだけというケースが多くなります。その結果、CV単価は下がっても受任単価はむしろ上がるという逆転が起こりやすくなります。
もう1つの問題は、面談対応の工数です。補助金の相談は、事業内容、投資計画、従業員数、賃上げの見通しまで聞かないと受任の可否を判断できないため、1件あたりの対応時間が長くなりがちです。受任見込みの低い相談が増えるほど、本来受けるべき大型案件の面談枠が埋まり、公募締切までに着手できる件数が減ってしまいます。
この設計が向いている事務所と向いていない事務所
制度別に導線を分ける設計が向いているのは、複数の補助金を扱い、制度ごとに報酬体系や受任条件を変えている事務所です。特に、大型の設備投資案件と小規模事業者向けの案件を両方扱っている場合は、分けるだけで面談の質が大きく変わります。逆に、1つの制度だけに特化している事務所であれば、制度別に分ける必要は薄く、投資額や時期による絞り込みを優先したほうが効果的です。
また、紹介や金融機関経由の案件で面談枠がほぼ埋まっている事務所は、広告の役割を「繁忙期の上積み」に限定したほうが合理的です。広告から入る相談は紹介案件より検討度が低いことが多いため、受任条件をLPで先に開示することが、紹介案件とのバランスを崩さない前提になります。
補助金の需要は制度ごとに分けて受ける
補助金申請代行の需要は、少なくとも「大型投資系」「小規模販路開拓系」「登録事業者経由が必須の制度」の3つに分けて受けるべきです。制度ごとに補助額の規模、申請に必要な外部の関与、受任できる事業者の条件が異なるため、同じLPと同じフォームで受けると、どの層にも刺さらない訴求になってしまいます。
| 需要の区分 | 代表的な制度 | 相談者の典型像 | 受任の判断軸 | 導線の扱い |
|---|---|---|---|---|
| 大型投資系 | 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金など | 新製品開発や新事業進出で数百万〜数千万円の投資を予定する中小企業 | 投資額、従業員数、賃上げ計画、申請時期 | 専用LPと受任面談の予約を主CVにする |
| 小規模販路開拓系 | 小規模事業者持続化補助金など | チラシ・Webサイト・展示会などで販路を広げたい小規模事業者 | 商工会・商工会議所の手続き期限に間に合うか | 定額パッケージや説明会へ誘導し、個別面談は絞る |
| 登録事業者経由が必須 | デジタル化・AI導入補助金など | ITツールやAIサービスの導入を検討する事業者 | 自社が登録支援事業者か、ツール提供側と連携しているか | 対象外なら除外し、連携先がある場合のみ別LP |
| 自治体独自制度 | 都道府県・市区町村の販路開拓、設備投資支援など | 地元の制度を調べている事業者 | 対応エリア内か、制度の規模が報酬に見合うか | 地域キーワードで別広告グループに分ける |
大型投資系は投資額と従業員数で受任を決める
大型投資系の代表は、新事業進出補助金とものづくり補助金が統合された「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」です。中小企業基盤整備機構の公募要領(第1回・1.3版、令和8年9月)では、革新的新製品・サービス枠の補助上限額が従業員数1〜5人で750万円、51人以上で2,500万円と従業員規模で段階的に設定され、補助下限額は100万円とされています。報酬を補助額の一定割合で設定している事務所にとって、受任の可否は投資額と従業員数でほぼ決まります。
そのため大型投資系のLPでは、冒頭で「設備投資・開発投資の予定額」「従業員数」「申請を予定している公募回」を聞く設計が有効です。補助額が大きい分、相談者側も事業計画に時間をかける覚悟があるため、フォームの項目を多めにしても離脱は限定的です。むしろ項目が少なすぎると、受任可否の判断を面談に持ち越すことになり、面談の歩留まりが下がります。
小規模販路開拓系は期限と手続きの理解度で分ける
小規模事業者持続化補助金のような小規模販路開拓系は、補助額が比較的小さく、1件あたりの報酬も抑えざるを得ません。加えて、商工会・商工会議所が発行する事業支援計画書(様式4)が必要で、中小機構のJ-Net21に掲載された第20回公募(商工会議所地区・一般型 通常枠)の情報では、申請受付が2026年11月5日から12月15日17時まで、様式4の発行受付の締切が12月4日とされています。様式4の期限を過ぎた相談は受任できないため、時期による選別が欠かせません。
この層に大型投資系と同じ個別面談を提供すると、面談工数に対して報酬が見合わなくなります。小規模販路開拓系は、定額の作成支援パッケージや少人数の説明会に誘導し、個別面談は投資内容が複雑な場合に限るといった線引きをLP上で明示すると、事務所側の負担と相談者の期待値のずれを同時に抑えられます。
登録事業者経由が必須の制度は対象外を明示する
旧IT導入補助金にあたるデジタル化・AI導入補助金は、事務局に登録されたIT導入支援事業者とパートナーシップを組んで申請する仕組みです。中小企業診断士事務所やコンサル会社が単独でこの制度の申請支援を受任することは、登録事業者でない限り構造的に難しいため、受任できないのであれば広告の対象から外すのが正しい判断です。
一方で、ITベンダーと連携して支援している事務所であれば、ツール選定の相談として別LPで受ける余地があります。重要なのは、「補助金の無料診断」という総合的な入口にこの層を混ぜないことです。受任できない制度の相談は、件数が多くても受任率をゼロに近づける要因になります。
案件の種類ごとに問い合わせ導線を分ける考え方は、同じ士業分野の事例でも共通しています。行政書士の案件別導線については、以下の記事で詳しく解説しています。
無料診断が増えても受任しない原因は入口の混線にある
無料診断が増えても受任しない最大の原因は、受任できない相談が入口で選別されずに面談まで進んでしまうことです。広告の品質やLPのデザインよりも先に、どの相談を受け、どの相談を受けないかという線引きが曖昧なまま集客していることが問題の根にあります。
補助下限や対象外の相談が混ざる
補助金の検索ユーザーの中には、補助下限額に届かない規模の投資や、そもそも補助対象経費にならない支出を想定している人が一定数います。たとえば既存事業の運転資金や、すでに発注済みの設備の費用は、多くの補助金で対象外です。こうした相談は、制度の基本を確認するだけで受任不可と判断できるにもかかわらず、無料診断の形をとると面談枠を1つ消費します。
対策としては、LPのファーストビュー直下に「ご相談をお受けできるケース」と「お受けできないケース」を並べ、フォームで投資予定額と発注・契約の状況を聞くのが効果的です。交付決定前に契約・発注した経費は原則として補助対象外になる制度が多いため、この確認項目を入れるだけでも、受任不可の相談を事前に減らせます。
受任条件と報酬がLPに書かれていない
報酬体系をLPに書かず、面談で初めて提示する運用も、受任率を下げる典型的な要因です。補助金の支援報酬は、着手金と成功報酬の組み合わせが一般的ですが、相談者は複数の事務所を比較していることが多く、面談の場で想定外の金額を知ると、その場で検討を打ち切ります。面談にかけた時間がそのまま無駄になる構図です。
料金をすべて開示するのが難しい場合でも、「着手金の有無」「成功報酬の算定基準」「不採択時の扱い」の3点だけはLPで示しておくと、価格面で合わない相談者は面談前に離脱します。後述するとおり、公募要領は支援者の報酬予定額を電子申請システムに記載するよう求めているため、報酬の透明性は広告上の訴求としても合理的です。
締切直前の駆け込みを同じ枠で受けている
補助金の相談は公募締切が近づくほど急増しますが、締切の直前に初めて相談してくる事業者を受任できる余地は限られています。事業計画の策定には相応の期間が必要で、電子申請に必要なGビズIDプライムの取得にも時間がかかるためです。それでも広告を同じ強さで出し続けると、受けられない駆け込み相談に予算と面談枠を使うことになります。
締切までの残り期間に応じて、LPの訴求を「今回の公募での申請」から「次回公募に向けた準備相談」へ切り替える運用が有効です。次回公募向けの相談は、時間に余裕がある分だけ事業計画の質を上げやすく、結果として採択後のトラブルも起こりにくくなります。締切直前の相談は件数より受任可能性で評価することを、運用ルールとして決めておくことをおすすめします。
制度別LPは受任条件と業務範囲を先に見せる
制度別LPで最優先すべきなのは、受任条件と業務範囲を、実績や採択率よりも先に見せることです。補助金分野では、相談者がもっとも不安に感じるのは「自社が対象になるか」と「どこまで支援してもらえるか」であり、この2点がはっきりしないLPは、問い合わせが増えても面談の場で話が噛み合いません。
| LPの要素 | 大型投資系LP | 小規模販路開拓系LP | 共通の注意点 |
|---|---|---|---|
| ファーストビュー | 対象となる投資規模と従業員数の目安 | 様式4の手続きを含む申請準備の流れ | 採択を保証する表現を使わない |
| 受任条件 | 投資予定額、申請予定の公募回、賃上げ計画の有無 | 申請締切と商工会・商工会議所の手続き期限 | 受けられないケースも併記する |
| 業務範囲 | 事業計画の検討支援、採択後の交付申請・実績報告支援 | 計画書のブラッシュアップ、提出前チェック | 申請は申請者自身が行う旨を明記する |
| 料金表示 | 着手金、成功報酬の算定基準、不採択時の扱い | 定額パッケージの価格と含まれる範囲 | 算定基準を曖昧にしない |
| 主CV | 受任面談の予約 | パッケージ申し込み、説明会予約 | フォームで受任条件を確認する |
公募要領が求める申請者自身の作成と申請
LPの表現を決める前に、必ず確認しておきたいのが公募要領の外部支援者に関する記載です。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の公式サイトで公開されている公募要領(第1回・1.3版、令和8年9月)では、認定支援機関を含む外部支援者の助言を受けることは差し支えないとしつつ、事業計画は必ず申請者自身で作成するよう求めています。作成自体を申請者以外が行った場合は、不採択・採択取消・交付決定取消の対象になると明記されています。
同じ公募要領では、電子申請は申請者自身が内容を理解・確認したうえで行うこととされ、電子申請システムには代理申請のための委任関係を管理する機能がないことも記載されています。また、事業計画作成支援者がいる場合は「事業計画作成支援者名」「支援内容」「報酬(予定)額」「契約期間」を入力する必要があり、入力がなければ不採択などの対象になります。このため、広告やLPで「丸投げで申請完了」「書類作成はすべてお任せ」と読める表現を使うことは、相談者を制度違反のリスクにさらすことになります。
検索ユーザーは「補助金申請代行」という言葉で探していますが、広告文やLPでは「事業計画の策定支援」「申請準備の伴走支援」のように、実際の支援内容を正確に表す言葉に置き換えるのが安全です。キーワードとしては検索語に合わせつつ、訴求の表現は制度のルールに合わせるという二重の設計が、この分野の広告運用の前提になります。
悪質業者との差を広告で示す
公募要領の冒頭には、サービス内容とかい離した高額な成功報酬の請求、金額や条件が不透明な契約、強引な働きかけ、費用の水増しの教唆などが不適切な行為の例として挙げられています。事務局は申請支援の実態調査や通報窓口の設置にも言及しており、相談者側も支援事業者を選ぶ目が厳しくなっています。こうした状況では、報酬の算定基準と契約条件の透明性そのものが、他社との差別化要素になります。
具体的には、LPに「契約前に業務範囲と報酬を書面で提示します」「事業計画は貴社と一緒に作り、申請は貴社自身で行っていただきます」といった説明を入れると、制度を理解している相談者ほど安心して面談を申し込むようになります。誇大な採択率の表示や「必ず採択」のような断定は、景品表示法上の問題になり得るうえ、制度の趣旨にも反するため避けるべきです。
主CVは受任面談に置き無料診断は副CVにする
補助金申請代行の広告では、受任面談の予約を主CVにし、無料診断や資料請求は副CVとして扱うのが基本です。媒体の自動入札は主CVに設定したアクションを増やす方向に学習するため、何を主CVにするかが、そのまま集まる相談の質を決めます。
| CVの種類 | 定義 | 入札への使い方 | 計測方法 |
|---|---|---|---|
| 受任面談の予約(主CV) | 受任条件を満たすフォーム回答を経た面談予約 | 入札対象のメインCVに設定 | 条件分岐後のサンクスページ、またはCRMからの取り込み |
| 受任(最終成果) | 支援契約の締結 | 件数がたまるまでは評価指標として使う | CRMの契約ステータスをオフラインで取り込む |
| 無料診断・簡易チェック(副CV) | 制度の対象可否を確認するフォーム送信 | 入札対象から外し、観測用にする | フォーム送信イベント |
| 資料請求・説明会予約(副CV) | 次回公募向けの情報収集段階の接点 | リマーケティングのリスト作成に使う | フォーム送信イベント |
フォームの分岐で主CVを絞り込む
受任面談を主CVにするには、フォームの回答内容によって完了ページを分ける設計が実務的です。投資予定額、申請予定の公募回、従業員数、契約・発注の状況を聞き、受任条件を満たす回答だけを面談予約のカレンダーに進め、それ以外は資料ダウンロードや次回公募の案内ページへ誘導します。主CVのタグは、面談予約の完了ページにだけ設置します。
この方式なら、受任条件を満たさない相談者を突き放すことなく、別の接点で関係を保てます。補助金は公募回ごとに要件が見直されることが多いため、今回は対象外でも次回の公募で受任できる可能性があり、副CVとして接点を残しておく価値は十分にあります。主CVの件数が月に数件程度でも、入札の学習対象をぶらさないことが重要です。
受任データを広告に戻す
面談後の受任・失注の結果をCRMで管理し、オフラインコンバージョンとして広告媒体に戻すと、入札の精度はさらに上がります。補助金の場合、面談から契約までの期間は比較的短い一方で、採択や交付決定までは数か月かかるため、広告に戻す最終成果は「採択」ではなく「受任(契約締結)」に置くのが現実的です。
採択結果は事務所の実力や制度の競争状況に左右され、広告の良し悪しとは別の要因で決まります。広告の評価に採択率を混ぜると、配信面やキーワードの改善判断がぶれるため、広告の成果は受任までで区切るという線引きを運用チームと共有しておくことをおすすめします。
商談や受注などのオフラインの成果を広告最適化に使う実装手順については、以下の記事で詳しく解説しています。
キーワードは制度名で分け除外すべき流入を先に決める
補助金申請代行の検索広告では、キーワードを制度名ごとに広告グループへ分け、配信開始前に除外すべき流入を決めておくことが欠かせません。補助金関連の検索語は量が多い一方で、情報収集だけの検索や、受任できない領域の検索が大量に混ざるため、除外設計が受任率を左右します。
除外・別導線を検討すべき流入の例
- 個人向けの給付金・支援金:法人向けの補助金支援とは対象者が異なる
- 雇用関係の助成金:厚生労働省所管で社労士の領域にあたるため、扱わないなら除外
- 自分で・書き方・テンプレート:自力申請の情報収集が中心で受任につながりにくい
- 一覧・いつから・採択結果:制度情報の確認が目的の検索
- 登録支援事業者経由が必須の制度名:受任できない場合は制度名ごと除外
受任につながりやすい検索語の組み合わせ
受任につながりやすいのは、制度名に「相談」「支援」「専門家」「認定支援機関」「代行」などの依頼意図の語が組み合わさった検索です。さらに「製造業」「新工場」「新規事業」のように業種や投資内容を含む検索は、相談者の状況が具体的で、面談での受任判断もしやすくなります。地域名と組み合わせた検索は、対面での面談を希望する層が多く、地元の事務所にとっては受任率の高い入口になり得ます。
一方で、制度名単体の検索は、公募要領の確認や締切日の確認が目的であることが多く、広告で取りにいくとクリック単価に対して受任が見合わないことがあります。制度名単体は、完全一致やフレーズ一致に絞って少額で検証し、検索語句レポートで依頼意図の語が含まれていない語句を週次で除外していく運用が堅実です。
終了した制度名の検索の扱い
事業再構築補助金は第13回公募をもって新規の応募受付を終えており、後継の新事業進出補助金を経て、2026年10月時点では新事業進出・ものづくり商業サービス補助金として公募が行われています。それでも「事業再構築補助金 相談」のような検索は一定数残っており、検索者の多くは新規事業への投資を検討している事業者です。つまり、制度名は古くても、大型投資系の潜在顧客であることに変わりはありません。
この検索を拾う場合は、広告文とLPで「事業再構築補助金は新規受付を終了しており、現在は後継制度で申請できます」と明確に案内したうえで、大型投資系のLPへ誘導します。終了した制度名のまま「申請できます」と読める広告を出すと、誤認を招くうえに、面談の冒頭で説明をやり直すことになります。旧制度名は後継制度への案内として使うのが正しい扱い方です。
検索語句を意図ごとに分類し、除外と昇格を週次で回す方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
予算配分は公募スケジュールに合わせて波をつける
補助金申請代行の広告予算は、月ごとに均等に配分するのではなく、公募スケジュールに合わせて強弱をつけるのが正解です。相談の発生も受任できる余地も公募回ごとに大きく波打つため、年間で同じ予算を出し続けると、繁忙期には面談枠が足りず、閑散期には受任見込みの薄い相談ばかりが集まる状態になります。
公募開始から締切までの時期別の考え方
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の第1回は、公募要領上、公募開始が2026年6月29日、申請受付が9月30日、締切が10月30日18時、採択発表が令和9年1月頃の予定とされています。このように公募開始から締切まで数か月の幅がある制度では、公募開始直後から締切の1か月前までが受任しやすい時期であり、広告予算の中心はここに置くべきです。
締切まで1か月を切ると、事業計画を練り上げる時間が足りなくなり、受任できる案件が絞られてきます。さらに公募要領では、GビズIDプライムアカウントの発行に1週間程度かかること、締切間際には申請が集中することも注意事項として示されています。締切の2〜3週間前からは、新規の受任を前提とした広告を弱め、次回公募に向けた準備相談の訴求へ切り替えるのが現実的な運用です。
時期別の広告運用の目安
- 公募予告〜公募開始:次回公募の準備相談として資料請求・説明会予約を集める
- 公募開始〜締切1か月前:受任面談を主CVに予算を最大化する
- 締切1か月前〜2週間前:面談枠の残数に合わせて予算を調整する
- 締切2週間前以降:今回公募の受任訴求を止め、次回公募向けに切り替える
- 締切後〜採択発表:採択後手続きの支援や次の制度の相談に訴求を移す
小規模販路開拓系は商工会議所の手続き期限で区切る
小規模事業者持続化補助金のように、申請前に商工会・商工会議所の手続きを経る制度では、広告の区切りを申請締切ではなく、様式4の発行受付の締切に合わせる必要があります。前述の第20回公募の例では、申請締切の12月15日に対して、様式4の発行受付の締切は12月4日です。商工会議所での確認には日数がかかるため、実際に受任できる最終ラインはさらに前倒しになります。
この時期は、大型投資系の公募の締切とも重なりやすく、事務所全体の面談枠が逼迫しがちです。制度別に広告グループと予算を分けておけば、片方の制度の締切が近づいた時点でその制度だけ配信を絞り、もう片方に予算を寄せるといった調整を、事務所の稼働状況に合わせて柔軟に行えます。制度別に予算を分けることが、繁忙期の面談枠を守る仕組みになります。
受任面談の単価から許容CPAを逆算する
補助金申請代行の広告の許容CPAは、1件の受任から得られる報酬と、面談から受任に至る割合から逆算して決めるべきです。補助金は制度によって報酬の規模が大きく異なるため、事務所全体で1つの目標CPAを置くと、大型投資系では取れるはずの相談を取りこぼし、小規模系では赤字の相談を集めることになります。
以下は、計算の考え方を示すための試算例です。実際の報酬や受任率は事務所ごとに異なるため、自社の実績値に置き換えて計算してください。たとえば大型投資系で、1件の受任あたりの報酬見込みが150万円、広告に回せる費用をその20%の30万円とし、受任面談から受任に至る割合を40%と仮定すると、受任面談1件あたりの許容単価は30万円×40%で12万円になります。
同じ考え方で、小規模販路開拓系の定額パッケージの報酬見込みを15万円、広告費の上限を20%の3万円、面談からの受任率を50%と仮定すると、面談1件あたりの許容単価は1万5,000円にとどまります。2つの制度で許容単価に8倍の差が出るため、同じ広告グループと同じ入札目標で運用することがいかに非効率かがわかります。
この試算からは、小規模販路開拓系で個別面談を前提にすると採算が合いにくいことも読み取れます。小規模系は説明会やパッケージ申し込みを主CVにし、面談のコストそのものを下げる設計が有効です。許容CPAは制度ごとに別の数字を持つことを、運用の前提として共有しておきましょう。
制度別の許容単価の設計や、受任面談を主CVにした計測の組み替えは、自社だけでは判断が難しい部分です。現在の広告アカウントで受任につながる相談がどの程度集まっているかを確認したい場合は、株式会社ハーマンドットの広告アカウント診断で、CV定義と除外設計の見直し余地をお伝えします。
広告運用を外注するときは受任までの設計力を確認する
補助金申請代行の広告運用を外注する場合は、クリック単価や問い合わせ単価の改善実績よりも、受任までの導線を設計できるかどうかで委託先を選ぶべきです。補助金分野は公募スケジュールと制度ルールの理解が成果に直結するため、一般的な士業広告の経験だけでは、制度別の分岐や時期ごとの予算調整まで踏み込めないことがあります。
提案段階で確認しておきたい観点
提案の段階では、主CVを何に置くか、制度ごとに広告グループとLPをどう分けるか、除外キーワードをどう管理するかを具体的に質問すると、委託先の理解度がよくわかります。「問い合わせ件数を増やします」という提案だけで、受任面談や受任率への言及がない場合は、補助金分野の特性を踏まえていない可能性があります。公募要領の外部支援者に関する注意事項を踏まえた広告表現の提案があるかどうかも、重要な判断材料です。
あわせて、レポートで受任面談の件数と受任率まで追えるか、CRMとの連携やオフラインコンバージョンの取り込みに対応できるかも確認しておきましょう。レポートの指標がCV数とCPAだけで止まっている委託先では、無料診断ばかりが増える状態を見抜けず、改善の打ち手も問い合わせの量に偏りがちです。
事務所側で用意しておくべき情報
委託先がどれほど優秀でも、事務所側の受任条件が整理されていなければ、制度別の導線は作れません。依頼する前に、扱う制度の一覧、制度ごとの受任条件と報酬体系、月あたりに対応できる面談枠、過去の相談から受任に至った割合をまとめておくと、提案の精度が上がります。特に面談枠の上限は、繁忙期の予算配分を決めるうえで欠かせない情報です。
また、受任を断るケースの基準を言語化しておくことも大切です。どの投資規模なら受けるのか、どの時期以降の相談は次回公募へ回すのかが決まっていれば、委託先はその基準をLPとフォームに落とし込めます。基準が曖昧なまま広告を始めると、結局は面談の場で一件ずつ判断することになり、外注の効果が薄れてしまいます。受任条件の整理から制度別の広告設計までまとめて相談したい場合は、ハーマンドットのお問い合わせフォームからご連絡ください。
広告代理店を選ぶ際の判断基準と依頼前のチェック項目については、以下の記事で詳しく解説しています。
まとめ|制度別の導線で受任につながる相談を集める
補助金申請代行の広告は、無料診断の件数を追うほど受任から遠ざかりやすい分野です。制度ごとに需要の性質と受任条件が異なることを前提に、入口から分けて設計することが、受任面談を増やす最短の道になります。
- 主CVは受任面談に置く。無料診断や資料請求は副CVとし、フォームの分岐で受任条件を満たす相談だけを面談予約へ進めます。
- 制度ごとにLPと予算を分ける。大型投資系、小規模販路開拓系、登録事業者経由が必須の制度を混ぜず、受任できない制度は除外します。
- 公募スケジュールと制度ルールに合わせる。予算は締切の1か月前までに寄せ、申請者自身による作成・申請を前提にした広告表現にします。
まずは無料で広告アカウント診断を
株式会社ハーマンドットでは、補助金支援や士業のように相談から受任までの距離が長い業種の広告について、CV定義、制度別のキャンペーン構成、除外キーワード、LPのフォーム設計までを一体で見直すご支援を行っています。無料診断の件数は多いのに受任が増えないという状態であれば、どの流入が受任率を下げているのかを、現在の広告アカウントのデータから確認します。
診断では、主CVの設定が受任面談に近い行動になっているか、制度ごとに予算と訴求が分かれているか、公募スケジュールに合わせた配信調整ができているかを確認し、優先して手を入れるべき箇所をお伝えします。受任面談の件数と受任率をどう改善できるかを、具体的な設定の単位でご提案します。
初回相談は完全無料・所要時間30分・オンライン対応可能です。



