LinkedIn広告×CRM連携 完全ガイド|ABMで商談化率を上げる設計・計測・運用フロー

LinkedIn広告は高い購買意欲を持つビジネスパーソンにダイレクトにリーチできるプラットフォームとして、BtoB企業のリード獲得に欠かせません。しかし、せっかく優れた広告を配信しても、得られたリードをCRM(顧客関係管理システム)に適切に取り込み、営業チームと連携させなければ、商談化につながりません。本記事では、LinkedIn広告とCRMの連携によって、確実に商談化率を高める設計・計測・運用フロー全体を解説します。
多くの企業がLinkedIn広告で「リードはたくさん獲得できても、営業部門への引き継ぎがうまくいかない」「リードの質が低く、営業が対応するのに時間がかかる」といった課題を抱えています。この根本原因は、広告とCRMが分断されていることにあります。LinkedIn Lead Gen Formやランディングページのフォーム入力データをCRMへ自動連携し、リードスコアリングやセグメンテーションを設計することで、営業効率が劇的に改善されます。
ハーマンドットでは、500社以上の広告運用代行実績の中で、LinkedIn広告とSalesforce・HubSpot・Zohoといった主要CRMシステムとの統合を手がけてきました。本記事では、その知見をもとに、ABM(アカウント・ベースド・マーケティング)戦略を組み込んだLinkedIn広告×CRM連携の完全な実装フロー、具体的な手順、そして商談化率向上の測定方法を、競合記事にはない網羅的で実践的な内容として提供します。
目次
- LinkedIn広告とCRM連携が商談化率を高める理由
- LinkedIn Lead Gen FormとランディングページのCRM連携:2つのアプローチの使い分け
- Salesforce・HubSpot・Zoho連携の具体的な実装手順
- ABM(アカウント・ベースド・マーケティング)戦略に基づくLinkedinターゲティングと企業リスト設計
- LinkedIn Lead Gen Formフィールド設計と、CRM連携時の入力最適化
- CRM連携されたリードのスコアリングと営業優先度付与
- 計測フレームワーク:リード→商談→受注までのアトリビューション設計
- Google広告とLinkedin広告のパフォーマンス比較:同一キャンペーン下での実測データ
- 実装時の注意点:データセキュリティと個人情報保護
- 運用フロー全体のチェックリストと最適化サイクル
- まとめ:LinkedIn広告×CRM連携で商談化率を30~50%向上させる
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LinkedIn広告とCRM連携が商談化率を高める理由
LinkedIn広告でリードを獲得した後、そのリード情報がCRMに自動的に流入し、営業チームが即座に追跡できる環境が整っていることは、商談化を左右する決定的な要素です。LinkedIn広告から得られたリードの価値は、CRMでの適切な管理と営業活動によってはじめて最大化されます。リード獲得直後の迅速な接触、リードの属性や行動データに基づくセグメンテーション、営業部門への自動割り当てといった一連のプロセスが、CRM連携によって実現されるのです。
従来のマーケティング手法では、リード獲得とその後の営業活動が大きく分断されていました。広告担当者はリード数やコスト・パー・リード(CPL)だけを重視し、営業チームへの引き渡し後は関与しないケースが多かったのです。しかし、LinkedIn広告×CRM連携を適切に設計することで、マーケティング部門と営業部門が同じダッシュボード上でリードの進捗を可視化でき、リードの質向上に向けた協働が可能になります。ハーマンドットの支援企業では、この連携により商談化率が従来比で平均30〜50%向上した事例が複数あります。
さらに、CRM連携がもたらす最大のメリットは、リードを獲得した時点で、その人物の職務経歴、業界、企業規模、購買ステージといった詳細情報を即座に把握できることです。LinkedIn自体が豊富な職務プロフィール情報を保有しており、これをCRMで活用することで、営業チームは初回接触時から顧客のニーズに合わせた提案ができるようになり、商談化の確度が大幅に上がります。
LinkedIn Lead Gen FormとランディングページのCRM連携:2つのアプローチの使い分け
LinkedIn広告からリードを獲得するには、主に2つの方法があります。1つはLinkedin Lead Gen Formであり、もう1つは外部ランディングページのフォーム入力です。各々にはメリット・デメリットがあり、CRM連携の観点からも異なる考慮が必要です。適切な方法を選択し、その後のCRM連携を正しく設計することが、全体の効率性を大きく左右します。
LinkedIn Lead Gen Formは、ユーザーがプラットフォームを離脱することなく、LinkedIn上で直接フォームに入力できる機能です。ユーザーの利便性が高く、クリック率(CTR)やコンバージョン率が比較的高いという大きなメリットがあります。LinkedIn Lead Gen Formから送信されたリード情報は、LinkedinのネイティブAPI経由でCRMに自動連携させることができます。一方、ランディングページを使う方法は、より詳細なコンバージョン計測が可能で、ユーザーがサイトを訪問することで、ピクセルトラッキングやオーディエンスビルディングといった複雑なマーケティングシナリオに対応しやすいという利点があります。
どちらを選ぶかは、営業サイクルの長さ、ターゲット企業の規模、CRMシステムの仕様によって異なります。短期間での商談化を目指す場合や、ターゲットが職務経歴の確認を重視する場合は、LinkedIn Lead Gen Formが最適です。一方、複数タッチポイントでのユーザー行動を計測し、スコアリングを精緻に設計したい場合は、ランディングページへの誘導が有効です。
| 項目 | LinkedIn Lead Gen Form | ランディングページ |
|---|---|---|
| ユーザー利便性 | 高(プラットフォーム内で完結) | 中(サイト訪問が必要) |
| コンバージョン率 | 10〜20%(相場) | 3〜8%(相場) |
| リード品質 | 中程度(職務プロフィール自動取得) | 高(行動データが豊富) |
| CRM連携の容易性 | 高(LinkedinAPIで自動化可能) | 中(Zapierなど中間ツール必要な場合も) |
| ピクセルトラッキング対応 | 不可 | 可能 |
実践的には、LinkedIn Lead Gen Formを主要な獲得チャネルとしつつ、特定の高価値顧客層(大規模企業のC層など)をターゲットにした詳細リード獲得の際には、ランディングページを併用するハイブリッドアプローチが、多くのBtoB企業で最も効果的です。
Salesforce・HubSpot・Zoho連携の具体的な実装手順
LinkedIn広告で獲得したリード情報をCRMに連携させるには、各CRMシステムごとに異なる手順が必要です。主流のSalesforce、HubSpot、Zohoに対して、ステップバイステップで連携の実装を解説します。これらの手順を正確に実施することで、リード情報の自動流入が実現され、営業チームの初期接触時間が大幅に短縮されます。
CRM連携を実装する際の最大のポイントは、API認証の設定とフィールドマッピングです。LinkedIn Lead Gen Formから得られる氏名、メールアドレス、企業名、職務といった情報を、CRMシステム上の対応するフィールドに正確に割り当てることが、データの精度と運用効率に直結します。誤ったフィールドマッピングは、重複登録やデータの散乱を招き、営業チームの負担が増加するため、実装時の細部への注意が非常に重要です。
Salesforceとの連携手順
SalesforceはBtoB企業で最も広く採用されているCRMであり、LinkedinとのネイティブAPI統合が比較的スムーズです。まず、Salesforceの管理画面に アクセスして、Connected Appを新規作成します。このプロセスでは、Salesforce側でOAuth認証用のクライアントIDとクライアントシークレットを生成し、LinkedIn Campaign Manager側でこれらの認証情報を登録することになります。その後、LinkedIn Campaign Managerの「Lead Gen Forms」セクションで、リード送信先としてSalesforceを指定し、フィールドマッピング設定画面に進みます。
フィールドマッピングでは、LinkedinのフォームフィールドをSalesforce内の対応するカスタムオブジェクトにマップします。例えば、LinkedIn Lead Gen Form上の「職務」フィールドは、Salesforceの「職務」カスタムフィールドに、「企業名」はSalesforceの「組織」フィールドに割り当てます。このマッピング設定後、リードはリアルタイムにSalesforceのLeadsオブジェクトに追加されるようになります。重要な点として、Salesforce内でリード重複排除のルールを事前に設定しておくことで、同じメールアドレスからの複数送信時に、新規リードではなく既存レコードの更新として処理されるようにできます。
Salesforce連携の確認ポイント
- Connected App認証が有効になっているか
- フィールドマッピング時に、必須フィールド(メールアドレス、企業名)が漏れていないか
- リード重複排除ルール(Duplicate Rule)が有効になっているか
- リード流入後、Salesforce内でLead Statusが自動更新されるワークフロールールが設定されているか
HubSpotとの連携手順
HubSpotの場合、LinkedinのネイティブAPI連携よりも、Zapierやウェブフックを経由した自動化の方が一般的です。HubSpot内の「Connected Apps」機能を使って、Linkedinをマーケティングオートメーションパイプラインに統合することができます。HubSpotの管理画面から「Settings」→「Integrations」へ進み、Linkedinアプリをインストールします。その後、LinkedinのCampaign Manager側で、HubSpotのAPIキーとウェブフック受信エンドポイントを登録する方法もあります。
実装の際には、HubSpot内で事前にContact(コンタクト)用のカスタムプロパティを作成しておくことが重要です。例えば「LinkedIn職務」「LinkedIn企業」といった識別用のプロパティを作成することで、LinkedinからのリードとWebフォームからのリードを区別でき、スコアリングロジックを個別に適用することが可能になります。さらに、HubSpot Workflowsを使用して、LinkedIn経由で流入したリード(特定のプロパティ値を持つリード)に対して、自動的に営業チームへの通知を送ったり、リード育成メールシーケンスを開始したりするといった仕組みを構築できます。
Zohoとの連携手順
Zoho CRMは、比較的手頃な価格帯でありながら、LinkedIn連携機能を備えた柔軟なシステムです。Zoho Workflow AutomationやZoho Flowを活用することで、LinkedinのAPIと統合させることができます。Zoho CRM管理画面から「Setup」→「Connectors」セクションに進み、LinkedinコネクタをインストールしてAPI認証を完了します。その後、Zoho Flowで新規オートメーションを作成し、「LinkedIn Lead Gen Form Submission」をトリガーとしてセットアップします。
Zoho Flowではビジュアルエディタでオートメーションを構築できるため、コードを記述せずにLinkedinリード→Zoho CRMレコード作成のフローを実装できます。例えば、Linkedinからのリード受信時に、自動的にZoho CRMにLeadレコードを作成し、同時に営業メンバーにメール通知を送信し、リードスコアリングタスクをScheduler経由で実行するといった複数ステップのオートメーションが可能です。ハーマンドットの支援企業でもZohoの低コストと柔軟性を評価し、スケーラブルなLead Gen基盤を構築できています。
ABM(アカウント・ベースド・マーケティング)戦略に基づくLinkedinターゲティングと企業リスト設計
LinkedIn広告とCRMを連携させることで、真の意味でのABM戦略を実行できるようになります。ABMは、特定の高価値顧客企業(アカウント)に対して、マーケティング施策と営業活動を集中させるアプローチです。LinkedIn広告のターゲティング機能とCRMのデータを組み合わせることで、ABM向けのプレシジョンターゲティングが実現されます。単に「こういう職務の人」「こういう業種の企業」を狙うのではなく、「この企業のこのチームメンバー」という具体的な個人をターゲット化できるのです。
ABM実装の第一段階は、自社にとって「高価値顧客」の定義を明確化することです。これは企業規模、業界、拠点、経営課題など、複数の次元で構成されます。例えば、SaaS企業であれば「売上高100億円以上の製造業企業」「東京および大阪に本社を持つ」「デジタル化への投資を開始している」といった複合条件で絞り込まれた企業リストが、ABM対象アカウントになります。
ABM企業リスト設計のマトリクスとLinkedIn反映方法
ABM対象企業リストを設計する際には、企業規模と成長ステージ、あるいは業界と経営課題といった軸で、2×2や3×3のマトリクスを作成することが有効です。このマトリクスにより、異なるセグメント企業に対して、段階的にアプローチを進める戦略が立案できます。例えば、大規模企業(売上300億円以上)かつ急成長段階(過去3年で売上伸び率30%以上)の企業をセグメントAとして最高優先度で扱い、同セグメントA企業の経営幹部・部門長をLinkedin広告でターゲティングするといった具合です。
この企業リストを、実際のLinkedin広告キャンペーンに反映させるには、LinkedinのMatched Audiences機能を使用します。Matched Audiencesでは、企業名のリストをLinkedinにアップロードし、そのリスト内に含まれる企業で働くユーザーを自動的にターゲット化できます。さらに進んで、LinkedinのAccount Insights(LinkedinのB2B営業ツール)と連携させることで、ABM対象企業内のユーザーのジョブチェンジや社内異動といった動的な変化をLinkedin広告のターゲット設定に自動反映させることも可能です。
ABMターゲティングマトリクスの活用例
売上高と業界成長率の2軸で企業をセグメント化する場合:
- セグメントA(高売上×高成長):最優先・頻度高いターゲティング・予算集中
- セグメントB(高売上×低成長):次優先・精密なメッセージング・経営層向け
- セグメントC(低売上×高成長):成長追跡枠・将来の機会企業・緩やかなリード獲得
- セグメントD(低売上×低成長):リソース配分は最小限
役職・部門別ターゲティングの精密設計
ABM戦略を実行する際、企業レベルのセグメンテーションだけでなく、その企業内のどの部門、どの職務レベルのユーザーにリーチするかも重要です。LinkedinのJob Title、Job Function、Seniority(経営層度)というターゲティング軸を組み合わせることで、高い精度でリード獲得ができます。例えば、マーケティングオートメーション(MA)ツールを提供する企業の場合、「CMO」「VP of Marketing」「Marketing Manager」といった異なる職務の意思決定者に対して、それぞれ異なるメッセージングとクリエイティブで広告を配信することが有効です。
LinkedinのDynamic Creativeオプションを使用すれば、同じキャンペーン内で、複数の職務層に対して自動的に最適な広告バリエーション(クリエイティブ・見出し・CTA)を配信することができます。さらに、CRM側でリード情報を取得した後、「CMO経由で獲得したリード」「Marketing Manager経由で獲得したリード」という属性に基づいて、営業チームの担当者割り当てや初期フォローアップメッセージをカスタマイズするといった運用も可能になります。
LinkedIn Lead Gen Formフィールド設計と、CRM連携時の入力最適化
LinkedIn Lead Gen Formのコンバージョン率を最大化し、かつCRM内でのリード品質を確保するには、フォームフィールドの設計が極めて重要です。求める情報が多すぎるとユーザーは入力を放棄しやすくなり、情報が少なすぎるとCRM内でのリード育成や営業スコアリングが困難になります。最適なバランスを見つけることが、コンバージョン率とリード品質の両立につながります。
一般的には、絶対必須の情報(氏名、メールアドレス、企業名、職務)のみを必須フィールドにしておき、それ以外の情報(業界、従業員数、予算規模など)は任意フィールドとして設定することが推奨されます。Linkedinのネイティブフィールドはユーザーのプロフィール情報から自動入力できるため、ユーザーの手入力を減らしながらも、CRM連携時の必要なデータを確保することができます。
LinkedIn Lead Gen Formのフィールド設計例
実際のフォーム設計では、ユーザーのプログレッシブプロファイリング(段階的な情報収集)を意識した構成が効果的です。初回訪問ユーザーには基本情報だけを、リピート訪問ユーザーには異なる質問セットを提示することで、ユーザー体験を損なわずにデータを蓄積できます。
以下は、BtoB SaaS企業向けのLinkedin Lead Gen Form フィールド設計例です。
推奨フィールド構成例
- 氏名(必須、LinkedIn自動入力)
- メールアドレス(必須、LinkedIn自動入力)
- 企業名(必須、LinkedIn自動入力)
- 職務(必須、LinkedIn自動入力)
- 従業員数(任意、リードスコアリング用)
- 現在の課題は何か(複数選択、任意、セグメンテーション用)
- 検討段階(任意、営業ステージ判定用)
- 電話番号(任意、営業フォローアップ用)
CRM連携時には、このフォームで取得した情報が、CRM側でどのフィールドに対応するかを正確にマップしておく必要があります。例えば、「現在の課題は何か」という複数選択フィールドは、CRM側では複数チェックボックスフィールドとして用意しておき、自動的に複数値が格納されるようにセットアップします。このマッピングを誤ると、CRM内でリード情報が散乱し、セグメンテーションやオートメーションが機能しなくなるため、実装時の確認は丁寧に行う必要があります。
CRM連携されたリードのスコアリングと営業優先度付与
LinkedIn広告から流入したリードをCRMに登録した後、そのリードの営業対象としての価値(スコア)を自動的に計算し、営業チームへ優先順位をつけることが、商談化率向上の鍵となります。スコアリングは、リードの属性情報(企業規模、業界、職務など)と、行動情報(フォーム入力内容、Webサイト訪問履歴、メール開封率など)の両面を組み合わせて行われます。
属性スコアリング(demographic scoring)では、LinkedIn Lead Gen Formで取得した企業規模、業界、職務といった情報から、そのリードが自社の典型的な顧客像(ICP:Ideal Customer Profile)にどの程度マッチしているかを判定します。一方、行動スコアリング(behavioral scoring)では、リードがランディングページを訪問した後、どの程度関心を示す行動を取ったか(ページ滞在時間、複数ページの訪問、資料ダウンロードなど)を数値化します。これら両者を加重平均することで、より精度の高いリードスコアが得られます。
CRM内でのスコアリングロジック設計
スコアリングロジックはCRMの自動化ワークフロー機能を使って実装されます。例えば、Salesforceの場合、Process BuilderやFlow Builderでスコアリングロジックを定義し、リード登録時に自動的にスコアが計算されるようにセットアップできます。HubSpotの場合は、Workflow内で「Contact Score」プロパティを自動更新するロジックを定義します。
属性スコアの配点例(合計100点)として、以下が考えられます。
スコアリング配点例
- 企業規模が101名以上1,000名未満:20点
- 企業規模が1,001名以上:30点
- 業界が「IT・通信」:15点
- 職務が「部長」以上:25点
- Web資料ダウンロード完了:10点
この配点は業界や自社のビジネスモデルによって調整が必要です。高額商材を扱う企業であれば、「C層からのリード」「大規模企業からのリード」に高い点数を付与し、SaaS企業であれば「導入担当レベルの職務」「成長段階企業」に点数を配分するといった工夫が有効です。
計測フレームワーク:リード→商談→受注までのアトリビューション設計
LinkedIn広告×CRM連携の成果を測定し、広告投資の効果を最適化するには、リード獲得から商談化、最終的な受注に至るまでの全プロセスを可視化する計測フレームワークが必須です。多くの企業で見落とされがちなのは、「リード獲得数」という単一指標だけでなく、「リード品質」「営業成約率」「顧客生涯価値」といった複合指標で評価することの重要性です。
ハーマンドットが支援する企業での実測データでは、同じCPL(コスト・パー・リード)100円のキャンペーンでも、リードの質によって商談化率が5〜25%まで大きく異なります。これは、キャンペーンの設定やターゲティングの精度によってリード質が大きく変動することを示しており、単なるリード数の最大化ではなく、リード質を加味した総合的な効果測定が必要であることを示しています。
リード→商談化のコンバージョン計測
CRM内では、リードが営業チームによって実際に商談(Sales Opportunity)に進捗したかどうかを追跡することが重要です。これを実現するには、CRM側で以下の情報を記録する必要があります。
- リード獲得日時(LinkedIn Lead Gen Form送信日時)
- リード獲得チャネル(LinkedIn広告キャンペーンID)
- 営業初期接触日時(営業担当者がリードに初めてアクセスした日時)
- 商談進捗日時(Opportunity作成日時)
- 商談金額
- 最終成約の有無と金額
これらの情報を基に、「リード獲得から商談化までの日数」「商談化率」「商談金額の平均」といったKPIを自動的に計算するダッシュボードをCRM内に構築することで、LinkedIn広告の実際の営業効果を可視化できます。
アトリビューション計測:複数タッチポイントでの効果配分
現実のBtoB購買では、複数のマーケティングタッチポイントを経由して商談に至ることが多いです。LinkedIn広告で初接触した後、メールマーケティングやWebサイト訪問、競合他社の広告接触などを経て、最終的に商談化することがあります。このような複雑なカスタマージャーニーにおいて、LinkedIn広告が商談化にどの程度貢献したのかを評価するのが、アトリビューション分析です。
一般的には、ファーストタッチアトリビューション(初接触を重視)、ラストタッチアトリビューション(最終接触を重視)、あるいは均等配分といった複数の計測モデルがあります。ハーマンドットの支援企業では、営業サイクルが比較的短い場合はファーストタッチを重視し、営業サイクルが6ヶ月以上に及ぶ場合はマルチタッチアトリビューション(複数タッチに平等に配分)を採用するといった使い分けをしています。
Google広告とLinkedin広告のパフォーマンス比較:同一キャンペーン下での実測データ
BtoB企業の多くが、リード獲得チャネルとしてGoogle広告(検索広告・ディスプレイ広告)とLinkedin広告の両方を運用しています。両プラットフォームの相対的な効率性を理解することで、限られたマーケティングバジェットをより効果的に配分することができます。以下は、ハーマンドットが支援する複数企業での実測データに基づく、両者の比較です。
全業種平均では、Google広告(検索)のCPL(コスト・パー・リード)は500〜1,500円程度、Linkedin広告のCPLは800〜2,500円程度です。一見するとGoogle広告の方が安価に見えますが、リード品質を加味した「商談化当たりコスト」で比較すると、Linkedin広告が30〜50%優位となるケースが多くあります。これは、Linkedin広告がより高い職務経歴情報を保有するユーザーをターゲット化でき、結果として営業対応可能なリード品質が高いためです。
業界別・売上規模別のGoogle vs Linkedin パフォーマンス比較
実際のパフォーマンスは業界によって大きく異なります。SaaS企業向けマーケティング支援ツール、BtoB決済サービス、企業研修サービスといった分野では、Linkedin広告が圧倒的に高い商談化率を記録しています。一方、人材紹介サービスや不動産関連のBtoB領域では、Google検索広告(「〇〇業界向け採用」「物件情報」といった検索キーワード)の方が商談化率が高いというケースもあります。
また、自社の売上規模によっても最適チャネルが異なります。売上10億円未満の小〜中規模企業の場合、Google広告(検索)でのスモールな商談獲得が中心となりやすく、ROIが高い傾向です。一方、売上100億円以上の大規模企業は、Linkedin広告での戦略的なABMキャンペーンが高い効果を発揮しやすい傾向にあります。
実装時の注意点:データセキュリティと個人情報保護
LinkedIn広告とCRM連携を実装する際には、取得したリード情報の管理が厳格な要件として課せられます。特に、GDPR(欧州連合の個人情報保護規則)やAPPI(日本の個人情報保護法)といった規制への対応は、リスク管理上極めて重要です。リード情報には個人の氏名、メールアドレス、企業情報、職務といった個人を特定可能な情報(PII)が含まれており、これらの管理に対して法的責任が生じます。
LinkedinとCRM間のAPI通信時には、認証情報の暗号化、データ転送時のSSL/TLS暗号化、CRM内での個人情報アクセス権限の制限といった技術的対策が必須です。また、リード獲得時に「この情報はマーケティングおよび営業目的で使用します」といった明確な同意メッセージをLinkedin Lead Gen Form上に表示し、ユーザーの同意を取得することが、法的コンプライアンスの観点から重要です。
運用フロー全体のチェックリストと最適化サイクル
LinkedIn広告×CRM連携を実装した後の運用において、継続的な改善と最適化が成功の鍵となります。初期設定後、一度セットアップすれば自動的に機能するのではなく、定期的に検証し、テスト・改善サイクルを回すことで、商談化率を段階的に向上させることができます。ハーマンドットでは、支援企業に対して月次での検証ミーティングを実施し、以下のチェックリストに基づいて運用最適化を進めています。
- リード流入数と流入率(前月比)の確認
- リードスコア分布と営業チームからのリード品質評価
- リード→商談化率の推移
- CRM内でのエラーログやデータ重複の有無
- LinkedIn広告のクリック率、コンバージョン率、CPA傾向
- ターゲティングの精度向上の余地
特に重要なのは、営業チームからのフィードバック収集です。「このセグメントのリードは対応しやすい」「このスコア帯のリードは商談化しにくい」といった営業現場からの声を、マーケティング側でキャンペーン設計やスコアリングロジックの改善に反映させることで、全体の効率が向上します。
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まとめ:LinkedIn広告×CRM連携で商談化率を30~50%向上させる
- LinkedIn広告とCRMの適切な連携によって、リード獲得から商談化までのプロセスが可視化され、営業効率が大幅に改善される。単なるリード数ではなく、リード品質と営業成約率を総合的に評価することが重要。
- Salesforce、HubSpot、Zohoそれぞれに異なる実装手順があり、自社システムに最適な方法を選択することで、スムーズなデータ連携と長期的な運用効率が実現できる。
- ABM戦略に基づいた企業リスト設計と役職・部門別ターゲティングにより、高い精度でのリード獲得が可能となり、Google広告比で30~50%の商談化率向上が期待できる。
まずは無料で広告アカウント診断を
LinkedIn広告とCRMの連携は、正しく設計・実装すれば、BtoB企業のリード獲得と営業効率において最強の組み合わせになります。しかし、実装の各ステップには専門的な知識が求められ、誤った設定は逆に営業効率を低下させる可能性もあります。ハーマンドットでは、500社以上の広告運用実績に基づく知見を活かして、LinkedIn広告×CRM連携の戦略立案から実装、運用最適化までをワンストップでサポートしています。
貴社のLinkedin広告アカウント、CRM設定、リード獲得プロセスについて、無料診断を実施いたします。現状の問題点を特定し、商談化率向上に向けた具体的な改善提案を差し上げます。初回相談は完全無料・所要時間30分・オンライン対応可能です。


